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第12回:色違いの奥深さ

前回は、モンスターの色違いは工夫の塊というお話をしました。今回はその続きで、モンスターの色が持つ特徴について迫っていきます。

まず、モンスターの色は2パターンあります。

①基本となる色。
トンベリなら緑、ボムなら赤、ベヒーモスなら紫といったように、そのモンスターを成り立たせる為に、もはや暗黙の了解となっている色の事です。

この色が違うと、違和感として感じるはずです。
トンベリが黄色かったら、ボムが白かったら、ベヒーモスが桃色だったらどうでしょうか。ファイナルファンタジーをやり慣れているプレイヤーは違和感に襲われると思います。

②色違いの色。
これはその名のとおり、色違いの事です。
限りある容量の中でのモンスターに対する工夫が生み出した色となります。

このように、モンスターの色は、基本となる色と色違いに分けられます。

次に、色の持つ意味を2つ考えてみます。

ひとつ目は、基本となる色とその色違いについてですが、基本となる色は原種、色違いは亜種という意味を持つのではないでしょうか。

緑色が基本となる色のトンベリ。これを原種とします。対して青いトンベリも存在します。この青いトンベリは、トンベリマスターという亜種なのです。亜種である証として、色が違うと名前も異なるのです。

ただし、例外がある事も忘れてはなりません。
色が違っても名前が同じだったり、色が同じでも名前が違ったりする事もあるのです。これについては、明確な答えがないので完全に私の想像で語っていきます。

それでは、色違いの例外を『ファイナルファンタジーV』に登場するモンスターを例に出して考察していきましょう。

①ゴブリン
もはやお馴染みのモンスターであるゴブリンですが、冒頭で戦うものと、野生で出現するものは、名前は同じですが、色が違っています(なぜかスマホ版では基本となる色で統一されています)。

なぜ名前が同じなのに、色が違うのでしょうか。
いくつか考えられますが、冒頭のゴブリンは戦う機会がごく僅かなので、開発中に区別を付けられるようにした、もしくは白人と黒人のように人種が異なっていた、あるいは部族が違っていた、あたりの可能性が考えられます。

②ギルガメッシュ(チェンジ後)
終盤のエリアでは、はじめて姿を見せた時と色が違います。先に述べたゴブリンと同じで、名前が同じで色が違うパターンです(ゴブリンと同じく、スマホ版ではなぜか基本となる色で統一されています)。

なぜ終盤では色が違うのでしょうか。
これも開発中に区別を付けられるようにした可能性があります。もしくは色がくすんでいる事から、長旅(?)ゆえに装備品に年季が入って錆びてきた、など強引な解釈もできそうです。

他にも、興味深いのは、かつて私がTwitterをしていた頃、とあるフォロワーさんから、そのエリアでは使える色に限りがあった為ギルガメッシュの色が違うというご意見をいただいた事があります。

このご意見にはとても感動したのを覚えています。確かに、使用できる色に限界があった為、基本となる色を使う事が出来ず、やむを得なく色を変えたという考えは納得でした。

また、私がスクウェア・エニックスのお問い合わせフォームから、なぜ終盤のギルガメッシュの色が異なるのかメールを送った事があるのですが、結局返信はもらえませんでした。真相は闇の中です。

③セイレーン
こちらも名前が同じで色が違うパターンです。
彼女は、戦闘中に細胞を変質させアンデッドになる事が出来ます。その際、色が変わります。
これは、色を変える事でそのモンスターの状態が変化した事をプレイヤーに手っ取り早く理解させる為、だと思います。これも一種の工夫ですね。

④沈んだウォルスの塔に出現するモンスター
彼らは黒一色の状態、言い換えるならシルエットとして登場します。

ウォルスの塔は海深くに沈んでいます。つまり、海底は当然暗く見通しが悪いという、その環境を演出したかった為、だと思います。加えると、出現した際に名前が表示されません。これも、暗い場所なので何が現れたのか判別が出来ない、という演出なのでしょう。粋ですよね。

⑤ダブルリザードとツインリザード(ホワイトスネイクとアスピスなども)
これは、色が同じで名前が違うパターンです。
普通、色が同じなら名前も同じはずですが、なぜ名前が違うのでしょうか。

これは地域によって呼び方が変わるからなのではないかと考えました。我々も、住んでいる場所によって、物事の呼び方が変わりますよね。方言というものもあります。なので、この2体は実は同種で、名前が異なるのは、出現する地域特有の呼び方があるからなのではないでしょうか。

⑥アブダクターとエンキドウ
エクスデス軍の尖兵アブダクターと、ギルガメッシュの親友エンキドウ。彼らは、色が同じですが、名前が違います。

この理由は、きっとアブダクターが種族名であり、エンキドウは個人名なのではないかと考えました。つまりアブダクター種のエンキドウという事です。また、アブダクターには名前が同じで、色が違う個体もいますが、これは白人と黒人のように人種が違うという理由なのではないでしょうか。

⑦プロトタイプとマシンヘッドとオメガ
古代ロンカ文明が生み出したとされる兵器達。これらは全て色が同じグレーです。その理由は、ロンカ文明の兵器を観察するとはっきりしてきます。

ロンカ文明の兵器は、上記3種類の他に、
かえんほう、ロケットほう、ソル カノン(ランチャー)といった種類がありますが、全て色がグレーなのです。それら兵器が備わっているロンカ遺跡も、外観の色はグレーです。

つまり、ロンカ文明は兵器の色をグレーで統一していた可能性があります。したがって、プロトタイプ、マシンヘッド、オメガも色が同じなのではないでしょうか。

さて、色の表すひとつ目の意味とその例外を考えてみました。

それではふたつ目の、色の持つ意味ですが、
我々は色を見た時、それと関係するイメージを抱くと思います。具体的には、赤は熱い、青は冷たいなどです。

これはモンスターの色も同じで、火山帯に住んでいるものは赤い色が多く、寒冷地に住んでいるものは青や白が多い、といった具合です。

つまりモンスターの色は、それが持つ性質も表しているという事です。性質は、ファイナルファンタジーにおいて属性という概念として存在しています。

属性とは、例えば色が赤いなら火属性、青いなら水や氷属性といったようにモンスターそれぞれに与えられたステータスです。属性を理解する事は、ファイナルファンタジーをプレイする上でとても重要な事です。なぜならモンスターとの戦いを有利に進める事ができるからです。

ファイナルファンタジーのモンスターは、耐性と弱点という属性を持ちます。赤い色なら熱さに強く、水や寒さに弱い、逆に青い色なら水や寒さに強く、熱さや電撃に弱い、といった感じです。したがって、色はそのモンスターが持つ属性を意味するのです(もちろん例外はあります)。

長くなりましたが、まとめると、
①モンスターには基本となる色と色違いが存在
②色には、種および性質を表すという意味がある
という事です。

モンスターの色ひとつ取っても、非常に奥深いファイナルファンタジーの世界。ファイナルファンタジーへの考察は尽きる事はないでしょう。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
次回もお楽しみに!

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