ファンベースを読んで

少数のファンが売上の大半を支えていて、ファンのLTVを上げていくことが収益の安定・成長に直結するということを教えてくれた本。特に日本においては今後人口減少&高齢化などで新規顧客の獲得がどんどん困難になっていくと想定されるため、この考え方が非常に重要だと感じた。

たった少数のファンにアプローチしても、そんなに大きく収益に変化はないのではないか?と感じられるかもしれない。でもそれは間違いだ。

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この図は100人のイベントの波及効果を示したもので、6万人を超える二次波及があるというもの。つまり、少数のファンを大切にすることで、とても大きな成長への影響があるということだ。

この考え方を起点に全体の施策を考えるというのがまさにファンベースである。これを図にするとこうなる。

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超常連さん、常連さんを起点に中長期の施策を打ち、その波及効果を見ながら短期の打ち手を一見さんまで広げていくということだ。

ファンを大切にする中長期の打ち手とは、「共感」である。まさにファンミーティングなどがそれだ。一例としては、

①最初に企業側から挨拶と感謝

②商品に対するクイズ大会

③知られざる商品開発ストーリーや本音

④ファン向けの新しい発表(先出しして)

⑤認定書の贈呈と写真撮影

があげられる。ただ、ファンは自信をもってファンであり続けることに不安を感じる。そこで「安心」というものが重要だ。そのためにCMなどのマス広告も活用すべきである。一番、周りの人に説明しやすいからだ。

そして、何よりも大事なのが、「一緒に楽しむ」ことである。ついつい近年のマーケティングは効率的、合理的、論理的というワードが増えているように思うが、ファンはそんなことを求めていない。「手間をかけたいほど好き」だし、「時間をかけて付き合いたい」のである。つまり、感情だ。自分が楽しめて、相手も楽しめる。シンプルなことだが、とても難しい。

今だからこそ人間関係を頼りに愛情をもって顧客をファンとして接していく必要があるのではないか。


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