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【2020.06.19】読書のスタートは「ゆっくり、ていねい」に

今日はある方との対話のなかで、「本」についてではなく「読書」という行為そのものについてのお話しが盛り上がった。

僕は読書が大好きだけれど、それでも「ものすごく読めるとき」と「全然読み進められないとき」のブレはけっこう大きい。だから、「いかにして読めなくなっていくか」「いかにして読めるようになっていくか」というテーマは、一度どこかでゆっくりまとめてみたいと思った。

そのときのためのメモとして、一度今日出てきた話を整理しておきたい。


●「目的を持つ」ことの功罪

「これこれの知見を得る!」と決めて読むことは、少なくない場合において意義があると思う。そういう軸を持っておくことで、そこに引っかかる部分を効率的に収集できるだろうし、すでに持っている仮説とのすり合わせもしやすいかもしれない。

一方で、「その目的に合わない箇所がじれったくなる」という懸念もあるように思う。特に僕は読み飛ばしができないタイプなので、このモードに入ってしまうと苦痛になる気がする。むしろ具体的な目的は持たずに、「できるだけ多くの発見をする!」くらいの心持ちで読むと、どの箇所からも何かしらのヒントを得ることができて、楽しい読書体験になっていく。その楽しさが、読書欲を加速させていく。


●読書のスタートは「ゆっくり、ていねい」に

読書開始後しばらくは、音読することがある。そうすると必然的に読み進めるペースは遅くなる。が、その分、一文一文に丁寧に接するようになる。耳からも文章が入ってくることで、より立体的にその文章を捉えることもできる。そうしてその本の世界観に深く入り込むことができると、その後の読書に勢いがつく。

これはマラソンも同じだと思った。特にウルトラマラソンでは、序盤はたとえビリ集団に入ろうとも、努めてゆっくり走るようにしている。一足ひとあしに最大限集中し、身体をあたためながらリズムをつくっていく。そうして「気持ちいい」と思える無理のないスピードで、徐々に、自然に、ペースが上がっていく。

この理想的な入り方は、読書も同じなのかもしれない。


たくさん読みたいと思うときほど、一文一文を噛みしめながら、丁寧に印象を拾いながらスタートしてみる。焦りは豊かな読書にとって最大の敵。

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