バレなきゃ良いって話

なんか流行ってるnoteとやらを始めてみた。使い方はよくわかっていないけれど、おそらくブログみたいなものだろう。ちなみに私はブログも書いたことがない。

ブログで思い出した話を今回は書いていく。
とはいえブログはあまり関係ない。

私は中高一貫の女子校で多感な6年間の思春期を過ごした。とても伝統ある厳かな雰囲気の学校で、いわゆるお嬢様もいた。私は庶民枠だ。
そこは校則がとても厳しいというわけではなかった。一般的な女子校ならこれくらいだろうというレベルだ。ただ唯一、SNSが一切禁止という校則は他ではあまり見かけないかもしれない。

私の母校にはSNS警察がいた。技術担当のS先生だ。私はとにかくS先生に懐いていた。おそらく学年、いや、学校一であろう。なぜあんなハゲに懐いていたのかは覚えていない。そういえばS先生の私物の液タブを借りて放課後に絵を描いていた。そういう下心があったのかもしれない。
このS先生、普段は私たちに技術を教える教師だが、定期的にSNS警察に変身した。はっきりと覚えているのは中学2年生のときだ。

事の発端はA組の女の子(女子校で女しかいないので記載することに意味がない)のTwitterアカウントが見つかったことだった。確か少し肌寒くなり、セーターを着始めた季節だった。見つかったきっかけはわからない。その子はその日のうちに放課後に面談室に呼ばれた。

次の日、朝学校に行くとA組の子たちが顔面蒼白になりながらLINEアプリをアンインストールしていた。SNS禁止、という校則は把握していたもののどこまでがSNSなのか理解していなかったため、とりあえず人と関わるアプリは消滅させたかったのだろう。後々知ったが、LINEは校則が示すSNSには指定されないらしい。
結局最初の子から芋づる式に校則違反者は見つかり、A組は10人以上がお縄となった。アカウントに鍵をかけていた子が大半だが、その子らも含まれていた。

捕まった友達から聞いた話によると、先生の悪口を書いたツイッターのつぶやきや、ブログのページを全て印刷され、一枚ずつ説明しなければいけないらしい。鍵垢なのになぜ印刷できたのかはS先生しか知らないのだろう。副校長は自分の悪口が書かれたA4用紙をどんな気持ちで生徒に見せていたんだろうか。副校長はスカート丈や言葉遣いにうるさく嫌われていた。

A組を一通り捜索し終えたS先生はB組の捜索に着手したらしかった。組ごとに探すんだ、と初めて知った。B組でも10人近くが見つかり、ついに私がいるC組の番となった(クラスはA-Cまでしかない)。

結局学年全体で30人近くの生徒が校則違反者として呼び出された記憶がある。
私はSNSをしていたが捕まらなかった。なぜか。誰にもSNSを教えていなかったからだ。ただ1人、B組の女の子にTwitterアカウントを教えていたがフォローはされていなかった。なんでだろう。実際その子はS先生の餌食となったものの私はセーフだった。

もし私のSNSがバレていたら、私がコミケに出す漫画本を描くバイトをしていることがバレていただろう。校則ではバイト禁止だったため、SNS禁止に加えたダブルパンチを副校長から受けていたかもしれない。母親も含めたらトリプルかな。

世の中大抵のことはバレなければ良いことばかりだ。お小遣いが少なめだった私を支えてくれたあの漫画本はS先生の液タブを借りて描いていたものだった。結局高校2年生まで支えてくれた。S先生ありがとう。おかげで今でもたまに絵でお金が貰えているよ。



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