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地獄の日々

インストラクターにとって「厳しいレッスンって何だろうか?」
皆さんなら、なんて答えますか?
もちろん人それぞれ違うのかも知れないが。。。
私が数年前に行っていたあるクラブのレッスン。
そこは、オーディションで入らせて貰ったクラブではなく、
その当時契約していた会社の「インストラクターの派遣(?)」でそのクラブを受け持たせて貰う事になった。
立派なクラブにスタジオも「50~60人は入るだろうか?」
と思えるような広いスタジオ!
「ここでレッスンするんだ!」
と意気揚々とレッスンに臨んだ。
クラスは中級クラス。
初日、人数も30~40人は来て下さっただろうか?
難度も私なりの中級クラスを提供した・・・つもり。
でも、レッスン後すぐに洗礼は来た。

「先生、もっと難しく出来へんの?」


中級としては私なりに難度は上げたつもりだったが、
それでは納得行かなかったようだったので、
翌週、少しだけレベルを上げてみた。

人数はちょっと減って20~30人。

その翌週、人数は更に減って10人前後。

そして、次の週はには6,7人まで減っていた。
その時点でも10年ぐらいのキャリアはあったし、
他のクラブではそれなりに集客出来ていただけに、それなりの自信はあった。
だけに、ものの見事に自信は崩れ去った。
それからの毎レッスンは私にとっては地獄の曜日となった。
考えても見て欲しい。
60人近く入るスタジオの5,6人の参加者だけでレッスンする光景を。
レッスン後半には、スタジオの後ろのガラスの向こう側に次のレッスンに入る為のお客様が集まって来る。
10人、いや20人近くはいるだろうか?
スタジオの中より、レッスン待ちの人の方が多い状況。
その中には、初日に来ておられたお客様もちらほら。。。
お客様同士が喋ってる。


「あのイントラ、あの人数で良くやってるよね?」
「いつまで続くのかね?」


話し声なんて聞こえる筈もない。
ただの私の被害妄想。
でも、笑いながら話しておられると、まるでそんな話をされてるのでは?
と要らぬ考えばかりが頭を過る。。。


3ヶ月経ってクラブに「辞めさせて欲しい」旨をお伝えした。
「難度」を求めておられるお客様に、
「楽しさ」だったり「効果」を主に提供する私のレッスンでは物足りないのは仕方がない事。
「これ以上、私はがレッスンをしてもクラブに迷惑をかける。」
と思ったからだ。
すぐに受理されるだろうと思ったら、意外な反応だが返って来た!
「先生、頑張って頂けないでしょうか?」
私が担当したレッスン、
過去、何人もが担当してはすぐに辞めてしまったそうだ。
後で、お客様から話を聞いた中では、
辞めた後、心療内科に通院されたインストラクターもいたらしい。
3ヶ月も続いた私は「よく頑張ってる」と言う評価だと聞かされた。
逆に「辞められては困る。。。」と言うのがクラブの本音だったようだ。

私は、そこから気持ちを切り替える事にした。
「来て下さる5,6人の為だけにレッスンをしよう!」
と・・・
それからは次のクラスに入られるスタジオの外の人の事は気にしないようにした。
最初は難しかったが、気持ちを来て下さってるお客様に集中し、
レッスン前は迎え入れ、終わると扉まで行きお見送りをした。
レッスン前からコミュニケーションを取り、
人一倍大きな声で挨拶をした。

結果、私はそのレッスンを1年続ける事が出来た♪
最終的には、クラス自体を見直す事になり、エアロビクス以外の内容に切り替わった。
クラスに来て下さった5,6人の方は、ほぼ毎週来て下さり、
最後は凄く感謝され、
「大変やっただろうけど、よく頑張ったね♪」
と褒めて頂いたりもした♪
クラブからも、派遣してくれた会社からも感謝して下さった。
正直、私のインストラクター人生の中でも正直キツイクラスではあった。
でも、そのレッスンで養われた事が一つあった。

「来て下さった人に感謝し、
来て下さった人の為にレッスンを提供する事。」


これは、今も変わっていない。
そして、時には、その数人の方の口コミで人数が倍になったクラスもあった。
目の前の人の為に全力を尽くすこと。
当たり前のこと。
でも、意外と疎かになる事ではないだろうか?

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