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オリスの新アクイスとボーマティック(とオメガ)の耐磁性

 先日オリスから新キャリバーCal.400が発表された。2,250ガウスの耐磁性を有しているということで、個人的に気になっている。
 磁気は故障の原因となり、その影響を防ぐ耐磁性能は安心して時計を使うためにも重要と考えている。


 耐磁性について他メーカーのキャリバーと比較すると、マスタークロノメーター認証で15,000ガウスの耐磁性があるオメガが最も優れている。しかも15,000ガウスまでしか試験できないだけであって、理論的には無限大である。

 ただここまでの耐磁性が実際に必要ではないだろう。別メーカーでも実用的な耐磁性のあるモデルが出てきている。代表的なものが、過去記事でも書いた1,500ガウスを保証しているボーム&メルシエボーマティックになる。

 ということで、今回は新アクイスボーマティック(とオメガのマスタークロノメーター)の簡単な比較をしてみたい。


オリス アクイスデイト キャリバー400

 オリスのキャリバー400が搭載された最初にして現段階で唯一のモデル。文字盤の色は今のところのみ。ブレスレットとラバータイプがある。文字盤の青色は写真と実物では違っていそうなので、今度実物を見てみたい。

 ダイバーズウォッチなので、サイズは43.5mmと大きく、防水性は300mになる。パワーリザーブは120時間保証期間は10年と長く、オーバーホール期間も10年が推奨されている。価格はブレスレットタイプで374,000円

 耐磁性は2,250ガウス。これは「2,250ガウスの磁気に24時間晒されても日差10秒以内を維持している」という基準になる。

 なお、元々の精度は-3/+5秒だが、クロノメーター規格は通していないようだ。実際の精度は市場から聞こえてくるのを待ちたい。

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 耐磁性能において競合しそうなのは、ボーム&メルシエのボーマティックだ。とはいってもこちらはダイバーズではなく、どちらかというとドレスウォッチなので、時計としての系統が異なる。

 COSC認定か否か、ブレスレットかレザーベルトかのバリエーションが存在する。個人的にはブレスレットが安っぽく感じるので、これを買うならレザーベルトに替えたい気持ちがある。

 サイズは40mm防水性は50mパワーリザーブ120時間は新アクイスと同じだが、保証期間は2年は流石に10年と比較すると短い。価格はCOSC認定・ブレスレットタイプで385,000円と新アクイスと殆ど変わらない。

 耐磁性は1,500ガウスだが、条件は書いていない。勝手な解釈だが、精度に影響を与えないことが条件なのだろうか。ただ、日常生活では1,500ガウスでも十分なようだ。

 なお、COSC認定を受けているモデルの精度は-4/+6秒となる。

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オメガ マスタークロノメーター

 おまけとなるが、耐磁性において最強なのはオメガのマスタークロノメーターになる。試験は15,000ガウスの静磁場だが、磁気帯びする部品がないので、理論上はどこまでも耐えられる。実際に1.5テスラ(15,000ガウス)の動的磁場を発生させるMRIに入れる記事をどこかで読んだが、やはり精度に問題はなかった。

 マスタークロノメーターの精度は0/+5秒パワーリザーブは55-60時間のムーブメントが多い。サイズと防水性はモデルによって異なるので割愛する。価格は安いもので並行のアクアテラが45万くらいか。並行品市場がお得なのもオメガの特徴である。


まとめ

 比較すると言ったが、ボーマティック新アクイスはどちらも日常生活で問題ない耐磁性能を備えていて、そして耐磁性能以外は全く別物なので、ドレスがよいのか、ダイバーズがよいのかを好みで選べばいいという結論になってしまう。

 一応新アクイスオーバーホール期間が10年であるので、メンテナンス費用がかかりにくいというメリットがある。また、工具無しでベルトの着脱が可能なので、ブレスレットからラバーベルトへ頻繁に交換することができる。

 ちなみに、オメガを買っておけばいいかと言えば、パワーリザーブが60時間と新アクイスとボーマティックの半分ほどしかないので、気になる人もいるだろう。

 (本当はもっと詳細に書いていたのだが、下書きが消えてしまい、書き直すにもやる気がなくなったため、適当な感じで終わりとする。)

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