遊戯王クロスデュエル デッキ紹介『コントロールガガガ』
1、はじめに
デッキ紹介第三弾です。今期も10月10日にプラチナ1を達成しました。新弾も出て環境が変わり、今期のランクマッチはプラチナ途中まで所謂『無限ガガガ』を握りました。その中でも、新カードによる「炎上」をダメージ元としたコントロール寄りのデッキを用いたので紹介します。
2、デッキレシピ
今回のデッキはこちらになります。
コンセプトとしては、ガガガを流し続けて1レーン守り、更に豊富な妨害札で残りレーンも含めてガチガチに守りながら各種炎上を付与するカードと、治癒によってライフコントロールを行なって勝利を目指します。
3、『コントロールガガガ』の強み
【安定して2位を狙える】
このデッキはほぼダイレクトアタックは行えないので、自分以外の誰かがダイレクトアタックを決めて大きくライフアドバンテージを得た場合、それを更に捲り返して一位を狙うことは難しいです。その代わり、豊富な妨害札によって自分もダイレクトアタックを受けづらく、また同率ライフで並んでいる相手を削ることや、治癒による回復は得意なので、かなり安定して2位を取ることができます。
【無限ガガガの防御性能の高さ】
無限ガガガというと、ひたすら複数レーンにモンスターを流し続けてくるイメージの方も多いのではないでしょうか。このデッキは戦闘によるライフ奪取を重視していないのですが、それでもガガガを一レーンに流し続けることで、そちらのレーンのモンスターが自陣に到達する可能性はかなり下がります。また、これにより必然的に青眼に狙われるリスクも下がります。青眼が理想とする、レーン中央までのモンスターの進軍をガガガが阻止するため、少なくとも無傷のアタッカーをレーン中央まで進ませることはあまりありません。
【プライズの影響を受けづらい】
現状、プライズカードは死者蘇生、ブラックホール、破壊輪、ミラーフォースの4種です。このデッキはダイレクトアタックを積極的に狙わないので、まずミラーフォースの影響はあまり受けません。また、モンスターによる進軍にも重きを置いていないので、ブラックホールも大きな影響はありません。また、そもそもプライズカードを取得した方に進軍する必要がないデッキなので、破壊輪もほぼ踏みません。死者蘇生に関してはそもそも敵に影響を及ぼすカードではないのでどうにもなりませんが、敵のプライズカードによって戦略が大きく左右されないのは、使わなければわからない安心感があります。
【魔法カードによる防御の即効性】
このゲームにおける魔法カードは、バトルフェイズの開始時、つまりモンスターの召喚と効果発動を全て見てから状況に合わせて打つことができます。思考時間こそやや短いですが、盤面の状況を把握して、攻撃を通してはまずいところに後出しで対応できるのが魔法カード最大の強みです。このデッキは、防御札として魔法カードを5枚採用しています。これでかなりのターン数を凌ぐことが可能になります。
4、採用カードと採用理由
【ガガガマジシャン】
スキルに関しては転生と無効耐性の他に、このデッキの場合、攻撃支援をあまり必要としないので単騎性能を少し高められる魔導を採用。そもそも2スロットでも無限ガガガにはなるため、十分ではあります。
その性能はあまりにも優秀で、遊戯王におけるアドバンテージの概念を無視した性能をしています。原作漫画で言うならリバイバルスライムでしょうか。このカードを安定して展開できる分、デッキ内のモンスター数を減らし、魔法罠を多く採用できます。
【真紅眼の黒竜】
新規登場した大人気モンスター。その性能は減速と炎上×2を付与するという、コントロールデッキの申し子の様な固有スキルを持っています。その用途はライフコントロール、減速による防御の他、守備モンスターに付与して攻撃表示への変更を誘うことも可能です。これを利用すれば、敵にもう一人の敵方向への進軍を半ば強要することに繋がり、結果として敵同士での争いを誘発します。
また、何より今の環境は自分も炎上を受けるので、燃やされたモンスターを速やかに生贄にするために上級モンスターは重要です。
【幻奏の音女アリア】
現在かなりの採用率を誇っているモンスターです。用途は主に1ターン目におけるプライズ合戦です。任意のモンスターに減速を付与することでプライズ取得率を高めます。また、2ターン目以降でドローしても減速によって防御面に貢献します。
【ドリアード】
魔法カードを多く採用していることから、純粋にアドバンテージを失わない回収カードとして強いです。ステータスも高くはないものの壁として無視できない数値ではあります。
【白魔道士ピケル】
最大で治癒×3を得ることができる現状最強のヒーラー。コントロールデッキではライフ600ポイントはかなり勝敗を分けるため、非常に採用価値が高いです。盤面に味方モンスターを必要とするため召喚のタイミングがやや難しいですが、真紅眼の生贄に使う気がない場合は7ターン目辺りまで温存することが多いです。あまり序盤に治癒すると、ヘイトをもらいかねないためです。
【ベビードラゴン】
新規追加カード。固有スキルが強力で、点火と違って任意のモンスターを炎上させられます。炎上したモンスターは早く処理するために攻撃表示にされることが多いため、真紅眼と同じく敵同士の潰し合いを誘発できます。例えば守備でお互い固めて不戦を図っている敵同士を無理やり戦わせる動きが可能です。
【時の魔術師】
新規追加カード。召喚ターンに召喚レーンの敵モンスターに不動を付与するという、正に時を止めるかのような固有スキルが防御面において非常に強力。ほぼ確実に1ターンを凌ぐばかりか、進軍をさせないためレーンが埋まり、次ターンでの相手の召喚をも防ぐことが可能です。特に終盤でのターン稼ぎや、炎上したモンスターを縛って燃やし続ける動きが強力です。
【マッドデーモン】
新環境でも相変わらずビートダウンに対して無類の強さを誇るカード。呪縛により、例え「右手に盾を左手に剣を」などを受けても最低限の仕事はこなすことができ、とにかく無駄になりにくいカードです。
【トリックスター・リリーベル】
高い守備力と治癒を兼ね備えた良モンスター。この1ヶ月でどんどん採用率を上げている印象。但しビットロンやカノンと比べると耐性がない分、壁としては過信は禁物。
【鉄の騎士ギアフリード】
新規追加カード。スキルは粉砕を採用することにより、ライフ差をつけていきます。より守備力の高いデブリドラゴンも粉砕を採用できるため、好みが分かれます。今回はガガガマジシャンと共に攻撃で流すことも可能なギアフリードを優先。
【Vタイガージェット】
新規追加カード。加速でも唯一の下級1600打点として相当優秀ですが、今回は点火を採用。高いステータスで壁からの攻撃にも使え、点火によって守備で固めた相手からライフを奪うことも可能。レーン上にモンスターが居なければ不発になりますが、このデッキの場合ガガガの対応のために出てきたモンスターに対して狙い撃ちすることができます。
【光の護封剣】
魔法カード故の後出しにて敵の攻撃及び進軍を阻止する高い汎用性が魅力。自レーンのモンスターに限らず対象にできるため、場合によっては敵同士の争いに介入してゲームコントロールを行うことも可能です。
【エネミーコントローラー】
非常に採用率の高い汎用カード。このデッキでは基本的に防御札として使いますが、たまに敵陣まで辿り着いた真紅眼などの補助をしてライフを取ることもあります。もちろんプライズ合戦にも強いです。
【クリボーを呼ぶ笛】
最強の防御スキル、呪縛をもつハネクリボーを任意のレーンに召喚して敵を防ぎます。魔法カードの後出し性能でこの動きができる点が優秀です。また、あまりありませんが、プライズ合戦に誰も参加しなかった場合、このカードを使うことで自分だけ取りに向かうことが可能です。
【猛毒の風】
一レーン丸ごと対応できるという貴重な効果をもつ防御札。特に団結キャタピラーや無限ガガガなど、同一レーンに継続してモンスターを展開してくるデッキに対して非常に有効なカードとなります。ただ、「風魔一閃」の方がよりデッキコンセプトに合っているため、入れ替えても良いかもしれません。
【攻撃封じ】
Nとは思えない防御性能。守備封じでも保たれていない限りは、守備表示にしてしまえばそのターンは進軍してしません。打つタイミングとしては、敵レーンに召喚された直後が狙い目。進軍させないことで次ターンの召喚をも封じることができます。
【分断の壁】
説明不要の防御札。このカードでしか返せない状況があります。そもそも攻め込ませないデッキコンセプトとは少し噛み合いませんが、それでも3方向から狙われて4位を回避するためには、このカードを上手く当てる以外にないことが多いです。
【レッドアイズバーン】
新規追加カード。減速と炎上二つ付与という、本家真紅眼の固有スキルと全く同じ効果をしています。設置型故の扱いづらさもあるので、セットするタイミングが重要。このカードと真紅眼を組み合わせることで不動となり、完全に動けない炎上×4もちが完成しますが、果たしてそれが強い動きなのかは場合によるので要注意。
【シールドハンドラ】
環境に青眼が多いため、まだまだ現役。ただ、このデッキの場合はプライズの影響を受けづらいため、青眼対策だけなら進軍してくるモンスターに対して魔法等を当てればライフは取られないので、今後抜ける可能性もある。
【落とし穴】
はまった相手に永続的に不動を付与する強カード。他のデッキでは不動を付与してもスタッツがそのまま残り、壁にされて面倒だが、このデッキならむしろ炎上の的にすることが可能。
また、底なし落とし穴とどちらを採用するかですが、底なし落とし穴は守備封じで、落とし穴は突進で抜けることができます。この2枚なら守備封じの方が採用率は高いと踏み、今回は落とし穴を採用しました。
5、基本のゲームプラン
過去のデッキ紹介でも述べてきていますが、基本的に1ターン目はプライズを取りに行くことを推奨します。取りに行って取れるかは分かりませんが、少なくとも対面を牽制することができます。仮に何もしなかった場合、両隣がモンスターを出せば互いに戦闘を行い、弱ったところを対面のモンスターが倒してプライズゲットの流れがよく起こります。そうなった場合、対面から迫るモンスターの迎撃に気を払わなければならないばかりか、対面のプライズを相手にすることを嫌って両隣がこちらを攻めてくる可能性が高まります。これは非常に危険なため、私の考えとしてはプライズは積極的に取りに行くことにしています。
特にこのデッキの場合、無限ガガガという低リスクで向かわせることのできる優秀なモンスターがいるので、基本的にはガガガを向かわせましょう。他のコントロールデッキだとプライズは無視することもありますが、このデッキならガガガのおかげで積極的に取りに行くことができます。
その後は基本的には左右どちらかのレーンにガガガを流し続けます。たまにライフを奪えることもあるのですが、無闇に後続を展開し続けると猛毒の風の餌食になってガガガがなかなか破壊されなかったり、点火の影響を大きく受けることになりますので、欲張らずにあくまで防御手段として流し続けるくらいが良いです。
また、ガガガを召喚していないレーンも無闇に壁を召喚せず、点火を警戒しておきます。もし神速が飛んできても、豊富な魔法カードや設置型罠で防ぐ態勢を整えていきます。
兎にも角にも、手札を多く保っていればそれだけで攻め込まれづらいです。
これらの手段で防衛網を展開すれば、敵からのヘイトは大きく下げられるはずです。攻めてもライフは取らせてもらえない相手に対してリソースは割きたくないというのが敵側の心理です。
そうして守りつつ、5ターン目以降を目安に治癒を展開してライフゲインし、2位以上に浮上します。治癒はあまり早いターンに使うとその後真紅眼などに積極的に狙われるリスクが高まりますので要注意です。
終盤では溜め込んだ防御札を使って守りながら、他のプレイヤーに順位を抜かされないように真紅眼や護封剣、攻撃封じなどで盤面をコントロールしていきます。一位を取ろうと欲張ってカードを切りすぎた結果、自分自身を守れなくなったなんてことにならないように最後まで状況をよく見て考えていきます。
6、最後に
昨期よく見た無限ガガガは下級モンスターを常に展開し続けて、物量で敵を圧殺するデッキでした。しかし、無限ガガガへの対策も広まってきており、以前ほど上手く戦略がハマらなくなってきています。一方、このデッキはガガガによる安定性を防御に転用し、盤面を文字通り「コントロール」しながらライフ差数百での2位以上を狙うデッキです。終始計算をしなければならず、ライフコントロールはやや難しいこともあります。盤面の状況把握にも気が抜けません。ですが、こちらの思惑通りにゲームを支配して勝利すると、ビートダウンでは味わえない快感があります。手のひらの上で敵を転がしたい方は、是非使ってみてください。
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