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遊戯王クロスデュエル デッキ紹介『治癒型真紅眼コントロール』

1、はじめに

あけましておめでとうございます。
昨年の漢字は「戦」でしたね。思えばクロスデュエルは一度にまとめて3人を相手にするので、通常の対人戦の3倍戦っていると言えなくもないです。配信開始からランクマッチも5シーズン目を迎え、Vtuberねずっちょさん主催のクロスデュエル杯も、全6回を数えることとなりました。今年の漢字が「戦」だったのにも納得というものです。
さて、そんなランクマッチやクロスエブリ杯で実装当初から猛威を振るいつつも、まだデッキ紹介していなかったデッキがあります。そう、「真紅眼」です。実はガチガチのコントロールデッキをこういう形で紹介することに若干躊躇いがあったので今まで避けてきましたが、遂に第5回大会で「真紅眼」が優勝されましたので、今回記事を書こうと決意しました。

ちなみに私がランクマッチ用に組んだ真紅眼デッキの勝率は、15戦して1位6回、2位7回、3位2回、4位0回でした。

今回の計測前
計測後

真紅眼デッキ自体は既に50回以上使用していますので、確かな情報をお届けできると思います。

2、デッキレシピ

今回のデッキはこちらになります。

治癒搭載型真紅眼コントロール

コンセプトとしては、まず豊富な魔法・罠やリンクリボーを用いて自身の安全を確保しつつ、治癒による回復を重ねて「ビートダウンによってライフを取るデッキではない」と敵に知らせます。そうして敵同士が争い始めたら、適度に妨害を向けて大きなライフ変動が起きないようにコントロールしつつ1位を狙います。また、もし誰かが大きくリードする場合は即座に2位狙いに切り替えて戦います。

3、「治癒型真紅眼コントロール」の強み

【主要なビートダウンに対して有利】

コントロールデッキがなぜコントロールデッキと呼ばれるのか、何をコントロールするのかと言いますと、「盤面の動き」「ライフの変動」をコントロールするからです。これは即ち、自分への進軍、ダイレクトアタックをさせないようにするための防御カードにデッキスロットの多くを費やしているということであり、シンプルにビートダウンを防ぎやすいです。
その分こちらもモンスターによるダイレクトアタックはほぼ狙えませんが、後述する回復手段によってライフポイントを確保するため問題ありません。

【治癒による安定したライフポイント差別化】

上記の通り、現状では防御に徹すればそう簡単にはダイレクトアタックを受けません。これは当然相手にも言えることで、ダイレクトアタックでライフを奪うしか勝ち筋の無いデッキは正直安定しない部分があります。
一方、スキル「治癒」は召喚と同時に効果を発揮し、初期ライフ4000から確実に一歩上に立つことができます。順位を上げる最も安定した手段と言えるでしょう。
最も、その数値は一回につき200と微々たるものです。しかし、コントロールデッキは守りが固く、またこちらも積極的に攻めない分、決闘を通してライフ変動が小さくなりやすく、この僅か数百の差が最終的な順位に大きな影響を与えることになります。

【苦手な固定ゾーンからのバーンへの解答を入手】

これまで、この手のコントロールデッキは「超魔機神マグナムオーバーロード」や「VWXYZドラゴンカタパルトキャノン」のように、盤面のやりとりとは無関係にダメージを与えてくるカードを苦手としていました。コントロールデッキがコントロールする盤面とは無関係なところからのダメージになるからです。
対抗手段として「エネルギー吸収板」「ピケルの魔法陣」が採用されるケースもありましたが、これらのカードも所詮は1度きりや、1ターンのみであり、継続して毎ターンダメージを重ねてくる「マグナム」や「VtoZ」に対して有利とは言えません。また、これらのカード最大の弱点は、汎用性の低さです。バーン系ピンポイントメタになるこれらのカードを貴重なデッキスロットに入れ、結果としてビートダウンを防ぎきれなくなるような事態に陥るなら本末転倒です。
しかし、エースの「真紅眼」の他、非常に汎用性の高い新カードの「銀河眼の光子竜」によってこれらの固定ゾーンモンスターへの明確な対抗策を得た点が大きな強化になっています。

4、採用カードと採用理由

【真紅眼の黒竜】

スキルは覚醒スキル、点火×2を採用。召喚したレーンの敵と覚醒スキルで選択した敵の2人同時にダメージを与えることができ、よりライフコントロールを行いやすくなります。
「真紅眼」は膠着した状況から2人にダメージを与え、一気に順位を2位以上に浮上させる強力なエースです。また、固定ゾーンのモンスターに干渉できる貴重な手段でもあります。そのため、極力温存し、敵の出方を伺い、ここぞという場面で召喚しましょう。特に固定ゾーンからバーンダメージを与えてくるモンスターや、「ギルフォード・ザ・ライトニング」などのエースに依存したデッキのエースモンスターが狙い目です。
また、上級モンスターが手札に残っていなさそうな相手も狙い目です。せっかく炎上を付与しても、次のターンに即座にリリースされては少し勿体無いです。
以上を踏まえ、私は7ターン目辺りに召喚することが多いです。

【銀河眼の光子竜】

コントロールデッキが苦手な「マグナム」「VtoZ」への解答です。一般的なマグナムデッキやVtoZデッキは勝ち筋をエースに頼りがちなので、これらを封殺できれば勝機が見えてきます。よって、デッキ相性自体は五分五分になったと言えるでしょう。
また、「銀河眼」はステータスが高く壁として優秀で、そのスキルは何も固定モンスター専用でもありません。状況によって無効化する敵を選べる汎用性の高さは、これまでのコントロールデッキにはなかった強みになります。

【幻奏の音女アリア】

もはや説明不要の汎用カード。初手で引けていれば迷わず召喚してプライズを狙いに行きます。この際、左右から団結キャタピラーなどのアグロ系モンスターが進軍してきそうなら、そちらに減速をかけた上で次ターンに設置型罠を仕掛ける戦術も覚えておきましょう。

【幻奏の歌姫ソプラノ】

モンスターが少なめの構築になるので、回収カードによるリソース回復はありがたいです。また、攻守1400は守るにも攻めるにも便利な数値であり、回収したカードの治癒スキルを再度使える点も大きなメリットです。

【リンクリボー】

1レーン丸ごと無力化する非常に強力な防御札です。リリースこそ必要ですが、それを含めても「光の護封剣」や「エネミーコントローラー」が防御札としては一時凌ぎでしかないのに対し、このカードは攻撃力を奪うことで事実上完全に無力化するため、割がいい場合が殆どです。
ただし、エースの「青眼の白龍」や「銀河眼の光子竜」などは弱体耐性をもっていることもあり、過信は禁物です。また、攻撃力を0にしたモンスターを放置していると、「右手に盾を左手に剣を」で攻守逆転されて思わぬ痛手を受けることになりかねないため、出来るだけ壁モンスターを召喚するなどして処理しておくようにしましょう。

【トリックスターキャンディナ】

治癒持ちの中では最も攻撃力が高いです。初手で引けていればプライズ獲得に向かわせます。また、攻撃は即ち最大の防御であり、とりあえず敵に向けて進軍させるだけで敵に1ターン守備で受けることを強制させるか、もしくは進軍してきたモンスターの攻撃力を大きく削ぎ落とします。

【白魔導士ピケル】

回復量では最大で治癒持ちモンスターの3倍にもなる優良モンスターです。600という数値の回復はもはや一つの勝ち筋と言えます。
また、攻撃力も1200備えており、「キャンディナ」と同様に進軍させることで防御札として活用します。ただし、簡単に失ってエース等のためのリリース要員が枯渇しないように注意する必要もあります。

【幻奏の音女カノン】

スキルは破壊耐性を選択しましたが、治癒でも良いと思います。破壊耐性は「青眼」による破壊を防ぐのみならず、そもそも対象に選ばれないので代わりに他の敵のモンスターが破壊されるという点も優秀です。
ステータスも優秀なので、一度守備受けした後は攻撃表示に変え、後続の攻撃力を削ぐ使い方も可能です。ただしこの動きは大変読まれやすく、敵も神速や「サイバープリマ」「生命吸収装置」などを合わせてくるため、注意が必要です。

【トリックスターリリーベル】

治癒持ち守備2000と、最初期から活躍を続ける壁モンスター。もはや汎用カードと言えます。
点火が多少怖いですが、進軍される前に先出しすることで敵意を見せず、敵からのヘイトを下げる使い方ができます。
ただし、挑発持ちなどは良いカモとばかりに向かってくる場合もあります。それらへの対抗策は用意した上で召喚しましょう。

【トリックスターマンジュシカ】

治癒持ちで攻撃力も1600備えた優秀なモンスターです。使い方は基本的に「キャンディナ」と変わりません。

【久遠の魔術師ミラ】

封印持ちの下級モンスターの中では最高の攻撃力を誇り、このカードも最初期から活躍を続ける汎用カードです。
コントロールデッキでも「団結キャタピラー」や「ホープ」「ギルフォード」「ネオス」などは向けられると対処に困ることが多いため、封印持ちは一枚あると安心感があります。
また、「セブンスロードマジシャン」など、耐性を持ったモンスターによるビートダウンは脅威のため、それらへの対抗策としても封印は有用です。

【カズーラの蟲惑魔】

「リリーベル」と同じく治癒持ち守備2000の汎用カード。使い方も変わらず、召喚して治癒を発動しつつ壁としての運用となります。

【光の護封剣】

言わずと知れた汎用防御札。神速や「サイバープリマ」などの奇襲性の高い攻撃にも対応できる点が優秀です。
また、「攻撃封じ」と比べると、このカードは次ターンには確実に進軍することが分かるため、設置罠や攻撃表示モンスターによる迎撃を合わせやすいです。

【エネミーコントローラー】

汎用魔法その2。防御札として使う場合、緊急時を除けば基本的には敵の召喚直後に放ちます。そうすることで召喚ゾーンをモンスターで埋めておき、後続の召喚を封殺する使い方が強力です。
また、このデッキは防御のためとはいえ一部のモンスターを進軍させるため、あわよくばこのカードと組み合わせて攻撃表示を強要し、ダイレクトアタックを決めることもできます。

【ハリケーン】

敵のアグロ展開を封殺するキラーカード。複数レーンから攻め込まれた際にも対応できる点から、4位になる確率を大きく下げてくれます。
ただし使う機会がない決闘も多いため、採用は好みが分かれます。

【分断の壁】

このカードも「ハリケーン」同様、敵からの集中攻撃を防ぐためのキーカードです。実際のところ使う機会は少ないので入れ替え候補でもありますが、なければどうにもならない場面も存在します。採用は好みになるでしょう。

【レッドアイズバーン】

「真紅眼」の固有スキルと全く同じ効果を付与する設置罠です。真紅眼と合わせて使うことで不動を付与することができ強力です。
「真紅眼」と合わせない場合は、下手に自分のレーンに仕掛けると減速によって後続と同時に自分モンスターゾーンに到達され、対処が難しくなる可能性があるため注意が必要です。自分と関係のないレーンに仕掛けることも視野に入れましょう。

【底なし落とし穴】

事実上、1枚で敵一体を封じることができる強力な罠です。「アリア」「エネコン」「護封剣」と合わせることで、敵を見てから一旦進軍を送らせ、必要に応じて次ターンに罠を仕掛ける使い方ができます。この動きは非常に安心感のある防御方法なので、ぜひ覚えておきましょう。

【生命吸収装置】

上手くはまれば大きくライフを稼ぐ、有力な勝ち筋の1つです。
使い方としては、適当に設置するのではなく、敵上級モンスターが守備受けし、次のターンで攻撃表示に変えてきそうなタイミングが狙い目です。また、自分とは無関係のレーンであれば、敵2体分のレベルを参照してライフを回復することも可能です。
なお、初手で中央に仕掛ける使い方はお勧めしません。加速持ちがいたりそもそも中央に進軍させない敵がいたりで言うほど安定しないばかりか、1ターン目からカードを1枚失った上に順位だけ1位になっても、ヘイトを買うだけです。

【落とし穴】

「底なし落とし穴」と使い方は変わりません。こちらも実質一対一交換ができる強力な罠です。

5、「真紅眼」をエースに据える利点

「真紅眼」はサブでも優秀なカードです。また、コントロールデッキのエースは他にも「ブラックマジシャン」「リリーベル」「Yドラゴンヘッド」「ハネクリボー」「ドリアード」「薔薇の妖精」「ガガガマジシャン」など、数多く挙げられます。
その中で、「真紅眼」をエースに据える、つまり確実に手札に加えられる利点が4つあります。

①固定ゾーンをいつでも炎上させられる
②単純に火力が高い=まくる力が高い
③上級モンスター故に敵の炎上対策になる
④「レッドアイズバーン」を強く使える

①についてはこれまでも述べてきましたが、通常のコントロールデッキでは「マグナム」や「VtoZ」に対してかなり不利となります。ライフ差をつけられる前に、いち早く炎上させることで敵の勝ち筋を潰すことにつながります。

②については、単純に点火を付与する数がエース運用では圧倒的に増加します。火力が上がるということは、1ターンでライフを逆転する力が高まるということであり、次ターンにリリースされようとも逆転に十分なダメージを与えられるようになります。

③については、コントロールミラーでの僅かなライフの奪い合いを制するために炎上の対策は必須であり、それをエース枠で1つまかなえる点が評価できます。

④については、「レッドアイズバーン」の項目でも触れた通り、普通に使っては少々使いづらさのあるこのカードを一気に最強格の罠に昇華させることができます。「真紅眼」が必ず手札にあることで、「レッドアイズバーン」が『真紅眼と合わせれば強いカード』から、『引けばとりあえず強いカード』に生まれ変わるのです。汎用性の向上と言ってもいいでしょう。

6、基本のゲームプラン

【初動】

「アリア」「キャンディナ」「マンジュシカ」がいれば、基本的にはプライズ獲得に向かいます。ただし、デッキの下級モンスター数が少ないため、不用意にモンスターを失うと後が辛いこともあります。同時に下級モンスターを全く引けていないなどの場合、魔法・罠で数ターン凌げるかを考える必要があります。
また、上記の3枚を引けておらず、「リリーベル」などの壁モンスターを引けている場合、中央に守備で置きましょう。神速のケアになります。

また、左右からモンスターが進軍してくる場合、一度「エネコン」などで進軍を封じてからそちらに設置罠を仕掛けていきます。
「エネコン」などを引けておらず、設置罠だけを引いた場合、初動では仕掛けません。左右のどちらかを勘で選ぶリスクに加えて、現環境では「団結キャタピラー」も減っており、初動で向かってくるモンスターは設置罠にかけずとも対処可能なモンスターが殆どのためです。

【中盤以降】

モンスターを不用意に出さず、手札を温存しながら戦います。手札が溢れないようにしつつ、毎ターン一枚ずつ場にモンスターか罠を出していく動きが理想です。治癒持ちを引いた場合は積極的に召喚し、治癒の恩恵をしっかり受けておきます。これでいつでもリリースすることができるわけです。

【終盤】

「真紅眼」「生命吸収装置」などでライフアドバンテージを更に稼ぎ、1〜2位を目指します。
理想通りの展開をしていれば、手札がかなり潤沢なはずなので、積極的に盤面に介入し、他プレイヤーのリードを許さないようにコントロールしていきます。
他の後半でのリードを狙うデッキには、キーカードに「銀河眼」をぶつけてやりましょう。

【全体を通して】

自分が1位を狙うのか、誰かを勝たせて2位を狙うのかを常に判断していきます。コントロールデッキではこれが最も大切な視点だと思います。

7、最後に

コントロールデッキは使われると嫌われるかと思っていましたが、とあるアンケートでは思ったよりビートダウンに負ける方が嫌だという意見が大半でした。とは言え、コントロールデッキは敵に回すと攻撃が通りづらく、面倒に感じることが多いのも事実でしょう。
通常のビートダウンデッキとは全く違う運用をしますのでクセがありますが、使ってみることでコントロールデッキの強みだけでなく、弱みも見えてくると思います。
コントロールデッキの対策を考えたい方にもオススメですので、ぜひ使ってみてください。

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