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遊戯王クロスデュエル デッキ紹介『治癒マグナム』


1、はじめに

デッキ紹介第5弾です。今回は最新カード「超魔機神マグナム・オーバーロード」をエースとした耐久寄りのデッキの紹介です。巨大ロボットで戦うのはロマン!(私は普段ガンダムと呼んでいます。遊戯王でガンダムというと、アーゼウスのイメージですが…)
最初は手札コストも重いし、バーンダメージもエースにしては少ない?と思い強いか怪しいと感じつつも、格好いい優先で使い始めました。ただ、やはり使わないと強さは推し量れないもので、プラチナ1達成後のランク帯で多少デッキ調整しながらではありますが、16戦中6回一位、10回二位という結果を残しました。もちろん、これは運の上振れもあるでしょう。しかしながら、強力であることは確かだと感じていますので、ご紹介します。

2、デッキレシピ

今回のデッキはこちらになります。

治癒マグナム

コンセプトとしては、手札を極力温存し、硬い守備で敵の攻撃意欲を削ぎ、あわよくば炎上主体のコントロールバーンや治癒デッキだと思わせて「攻めてもリソースを消費するだけ。ライフは取りづらい」と感じさせ、無視され始めたところで中盤以降にマグナムを召喚。全体バーンによってライフを奪っていきます。併せて治癒を用いることで、更にライフ差をつけやすくしています。

3、『治癒マグナム』の強み

【全体バーンが強い】

現状、ダメージを与える手段の主流は「ダイレクトアタック」「炎上」「粉砕」かと思います。一つ一つ見ていきますと、まずダイレクトアタックは当然ながら最も成功率が低く、前提として敵陣に到達、その後基本的には壁モンスターを処理した上で自分のモンスターが生き残って初めてダメージを与えることができます。リターンは莫大ですが、1決闘中一度もダイレクトアタックを決められないこともザラです。
炎上と粉砕はこれに比べると簡単にダメージを与えられますが、いずれも敵モンスターの存在や戦闘での勝利などの条件があります。また、その対象も敵3人の内から1人選ばなければなりません。
バーンデッキ最大の弱点として、この「1人削っても3位になるだけで勝てない」という点があります。そこを克服するためにバーンデッキでは微量のダメージを周囲にばら撒くのですが、マグナムにはその煩わしさが一切ありません。全体に、しかも毎ターンダメージを与え続けます。壁モンスターに炎上を一つ付与されるだけで勝敗に関わることからも、このスキルがいかに強力かがわかります。

【高い攻撃力の壁による攻撃抑制】

これをお読みの方々なら、マグナムと同じく固定ゾーンに召喚されるエクゾディアの強力さはよくご存じと思います。マグナムは、攻撃表示でこそありますが、シンプルに3500という数値の壁として君臨します。更に凸数によっては封印まで付与することができ、わざわざこのカードに攻撃を仕掛けたい相手はそういないでしょう。
実際のところ、このカードを見てそれでも向かってきた敵は悉くリソースを消費した挙句3位4位になっています。その攻めの鋭さによってはこちらも順位を落とされることはありますが、一生懸命このカードを攻略すること自体、攻め手側に殆どメリットが無いことが防御において最大の強みでしょう。

【コントロール系に強い】

新弾の発売からしばらくが経ち、炎上や真紅眼、時の魔術師などで遅延&バーンを行い盤面をコントロールして勝利を目指すタイプのデッキや、守りながら治癒によってライフ差をつけて勝利を目指すタイプのデッキが環境に一定数存在します。これらは無限ガガガの派生や真紅眼エースなど、いくつかの派生タイプがありますが、基本的にはダイレクトアタックを行わず、また敵にも行わせずに比較的僅かなライフ差で勝利を目指すことになります。
そういったデッキに対して、このデッキは無類の強さを誇ります。何せ、進軍しない(正確には場を埋めないために進めることはあるが、ライフを取れなくても構わない)ので敵の妨害は一切無視でき、かつマグナムが毎ターン安定してダメージを与え続けるため、ダメージレースでも優位に立つことができます。仮にマグナムなどに炎上を付与されたとしても、それによって順位が下がろうものならマグナムのダメージも増加するため、勿論問題無いとまでは言えませんが影響は抑えられます。

【マグナムのスキルで劣勢からでも順位を捲りやすい】

説明する程でもありませんが、マグナムのスキルは現在の自分の順位によってダメージが変化します。最下位の時にはなんと800ものダメージを全体に与えます。仮に6ターン目に召喚すれば残り3ターンで2400です。これだけあれば大抵の場合順位を逆転させることが可能です。ただし、順位が上がれば上がるほどダメージは落ちるので、このことは計算に入れておく必要があります。

4、採用カードと採用理由

【超魔機神マグナム・オーバーロード】

このデッキの勝ち筋にして、唯一のダメージソース。そう聞くと勝ち筋が細く思われるかもしれませんが、マグナムのスキルは順位によって効果量こそ変わるものの、非常に安定してダメージを与えられるため、かなり信頼できるものです。スキルは覚醒スキルの他、封印と表示耐性を選択。封印は持っているとネオスが突っ込んできづらいです。また、守備力は0ですが、採用率の高いエネコンに対して表示耐性で立ち向かうことができます。

【ジャンクシンクロン】

リソース回収用のモンスター。マグナムの召喚コストは手札のモンスター2枚とかなり重いものです。反面、モンスターであれば何でも構わないため、ジャンクシンクロンで回収したモンスターを用いることができればリソースを割かずに済みます。また、逆に星3以下を引けていない場合でもこのカード自体をマグナムの召喚コストにできます。この、「腐ったカードをコストにできる」マグナムの特性から、多少強引にハイリターンなコンボカードを積むことができます。

【ガガガマジシャン】

転生によってリソースを失わずに展開することができます。このデッキでは貴重な攻撃表示で場に出せるモンスターであり、初ターンならプライズを取りに行かせ、それ以外でも左右に進軍させて敵攻撃モンスターを大きく弱体化させます。転生後は主にマグナムの召喚コストにします。

【星読みの魔術師】

マグナムを守る破壊耐性付与モンスター。また、炎上したモンスターを速やかに生贄にするためにも用いる貴重な上級モンスターです。高守備のモンスターに破壊耐性を付与すれば、敵はそうそうこちらを攻めようとは思わないでしょう。

【幻奏の音女アリア】

敵一体に減速を付与する汎用モンスター。初ターンに召喚すればプライズを獲得する可能性を大きく高めます。
また、このデッキではもう一つ重要な役割があります。それは、団結キャタピラーの足止めです。一切のプレイング関係なく初ターンから一方的に狙いを定めてくるこのデッキは、手札のリソースを必要とするマグナムデッキにとってかなりのウィークポイントです。もしアリア召喚と同時に団結キャタピラーが攻撃表示でこちらを向いた場合、プライズを諦めてでも団結キャタピラーを減速させ、返す2ターン目に落とし穴などの設置罠を仕掛けることで無力化する方が良い場合が多々あります。もちろん、そこまでせずとも団結キャタピラーを処理できる自信を持てる手札の場合、プライズを狙うこともあります。その辺りはケースバイケースです。

【幻奏の歌姫ソプラノ】

リソース回収用モンスターその2。治癒はそれ自体が優秀なスキルですが、このカードの存在がさらにその有用性を後押ししています。手札リソースが重要なマグナムにとって、回収効果は非常に相性が良いです。

【トリックスターナルキッス】

治癒を持つ守備1800のモンスター。壁兼ソプラノの回収先として有用。

【時の魔術師】

召喚ターン、そのレーンの敵に不動を付与する優良モンスター。特に終盤において無類の強さを発揮します。遅延戦略を用いるデッキならほぼ必須カードではないかと思います。
このデッキでは序盤に引いてもマグナムのコストにできます。

【岩石の巨兵】

守備2000の星3という恵まれたステータスを持つ壁モンスター。ジャンクシンクロンで回収できます。
また、スキル機雷をもつことでさらに大きく敵のステータスを削るほか、突っ込んできたネオスを完全に飼い殺しにすることができます。更には攻撃表示でぶつけることで無限ガガガも飼い殺しを狙えます。無論後続が召喚されるでしょうが、その後続に対して何かしらの妨害を行えば、長いターンガガガやネオスを場に縛り付けて無力化することが狙えます。このため、個人的に岩石の巨兵のスキルは機雷一択です。

【マッドデーモン】

ガガガマジシャンと並び、貴重な攻撃表示で召喚できるモンスター。呪縛が強力で、基本的に守るこのデッキにおいて敵2ターンの拘束は有用です。
また、ウィークポイントである団結キャタピラーに対して非常に有用なカードでもあります。

【幻奏の音女ソナタ】

星3で治癒持ちと、ジャンクシンクロン、ソプラノの両回収カードに対応するこのデッキの潤滑油。ステータスは決して高くありませんが、敵のステータスを削る分には無視できない数値ではあります。

【幻奏の音女カノン】

スキルはいつもの破壊耐性を選択。治癒も選択肢ですが、青眼に一撃通されるとやはり面倒なのでその抑止力として採用しています。反面ソプラノの効果対象数は減りますが、先に述べた通り、回収カードなどのコンボギミックはマグナムの影響で多少強引に積むことが可能です。

【トリックスターリリーベル】

潤滑油その2。星2、治癒持ち、更には守備2000と、ソナタ以上に有用。単体でも多くのデッキに採用されるカードであり、苦手な団結キャタピラーにぶつけて攻撃力を大きく削る貴重な高ステータスモンスターです。

【光の護封剣】

バトルフェイズ開始時に発動できる魔法カードの特性を最大限活かした後出し最強カード。発動タイミングは状況によって多岐に渡りますが、直接攻撃を貰うタイミングで発動するというより、敵のモンスター召喚時に発動することが多いです。この場合、次のターンの敵の召喚をも防ぐことができます。また、盤面のどこにも撃つことができるため、状況によっては自分と関係のないところに発動させてライフ変動をコントロールすることもあります。

【エネミーコントローラー】

通称エネコン。表示形式の変更はこのゲームにおいてあまりにも汎用性が高い。シンプルに防御として使う他、護封剣と同様に相手の召喚ターンに使用することで次ターンの召喚を防ぐ使い方が主。また、アリアや護封剣と同様に団結キャタピラーを足止めし、設置罠にはめるプレイングはかなり重要です。

【猛毒の風】

1レーン丸ごと弱体化させる貴重な魔法カード。発動条件からケアされることもありますが、それを差し引いても非常に強力な妨害カードであり、執拗にこちらを狙う敵を強力に阻みます。弱らせた敵は壁モンスターで処理してもいいですし、場合によってはマグナムで受けることもあります。

【右手に盾を左手に剣を】

マグナムの最大の弱点はこのカードです。表示形式の変更は受けずとも、攻撃力を0にされては壁として意味を成しません。それを防ぐため、こちらもこのカードを採用し、攻守逆転を返せるようにしています。

【強制脱出装置】

設置罠その1。そもそも汎用性が高い罠ですが、単に進軍を阻止するだけでなく、苦手な団結キャタピラーへのメタカードとなります。また、ネオスなど多くのエースも無力化します。

【底なし落とし穴】

設置罠その2。こちらも高い汎用性を誇ります。実質1対1交換を狙える罠であり、アドバンテージの面では脱出装置より有用と言えます。当然、団結キャタピラーへのメタカードでもあります。

【落とし穴】

設置罠その3。個人的には守備封じで逃れられる底なし落とし穴よりこのカードの方が優秀と感じています。
なお、同じく設置罠であるレッドアイズバーンは敵に減速を付与してしまい、挙句2ターン後には後続と同時に自陣に到達してしまいます。これは一体に壁を破壊され、もう一体にダイレクトアタックを受けるリスクの高いかなり危険な状況のため、防御札としてのレッドアイズバーンはハイリスクすぎて不採用となりました。

5、基本のゲームプラン

まずはプライズカードを、と言いたいところですが、このデッキは手札リソースが非常に重要なため、基本的には狙いません。例外として、アリアやガガガを引けている場合は狙うこともありますが、それも他の手札次第です。具体的には、設置罠を引けている場合は左右に仕掛けた上でプライズを狙いますが、引けていない場合は左右に召喚し、団結キャタピラー他、アグロ系のデッキを牽制します。ここまで団結キャタピラーの名を何度も出していますが、それだけこのデッキにとっては要注意のデッキです。最も、団結キャタピラー一人からの攻勢なら十分にいなすことが可能です。

その後は最小限のモンスター召喚で敵をいなしつつ、手札を温存します。単なる見せかけの枚数ではなく実際に防御魔法も積んでいるので、ライフはそうそう奪われません。守りの硬さをアピールすれば多くの敵は矛先を他に向けるか、同じように手札を温存してきます。実際そうしないと早いターンにリソースを使わされた挙句、他のプレイヤーから狙われて順位を落としかねませんのでプレイとして間違ってはいませんが、それをさせることでこのデッキの動きは更に盤石なものとなります。(そんなことはお構いなしに攻勢を仕掛けてくるが故に、団結キャタピラーを苦手としています。ただし、私の経験上は団結キャタピラー側も殆どの場合こちらにリソースを割きすぎて負けています。)

次に大事な点は、エースであるマグナムの召喚タイミングです。これは、可能な限り終盤にしたいところです。特に6ターン目以降に召喚できれば、残るわずかなターン、しかもエクストラドローが入る状況でわざわざこちらを攻略しにくる敵はほぼ居ません。仮に狙われても妨害で凌ぎ切れます。
逆に序盤で召喚してしまうと、流石にヘイトを買います。総攻撃を受けてあっという間にライフを奪われてしまうでしょう。
これらを考慮した上で、ライフを計算し、順位を捲れるだけのターン数を確保できるタイミングで召喚します。仮に誰かがダイレクトアタックを成功させて大きくリードしている場合、その数値にもよりますが、欲張って一位を狙うために早期に召喚するより、素直に二位を狙う方が無難です。

後は盤面をよく観察し、敵のライフが自分を上回ることが無いように妨害札で極力コントロールしながらゲームセットを待ちます。

6、最後に

これまでのエースとは一味違った戦い方をさせてくれるマグナムは、使っていてとても面白いカードです。実装当初は「召喚すればヘイトを買ってボコボコにされるから弱い」と言われていたカードですが、召喚タイミングとデッキ次第でこの欠点は無くなります。
最近では徐々に使用者も増え、ミラーマッチも起きるようになってきました。仮にミラーマッチになった場合、マグナムに挟まれた残りのプレイヤーはマグナム×2からのダメージを受け、またマグナムはマグナムを攻略するだけの突破力を持たないことからお互いを攻めることはあまりありません。結果として残りの二人が三位四位になりやすいです。そのため、マグナムはミラーマッチも強いと言えます。
新規カードがたったの1種類でがっかりした決闘者も多いでしょうが、その1枚は確実に環境に食い込める性能をしていました。ぜひ、お試しください。

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