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冬が突然来た

暑いと思ってたら突然寒くなる。
まるで秋らしい日がなくてびっくりする。

そんな時期に久しぶりに知人からLINEが来て会うことになった。

気にはなっていた。
二年くらい前に会ってから色々あったみたいだけど聞けなくて。

なので連絡が来て嬉しかった。
久しぶりに会うとまるで違う人みたいに生き生きと綺麗になっていて驚く。

色々あってすっかり今は落ち着いて自分の思うように生きてるみたい。

話を聞くと驚きばかりだけど、私とはまるで違う人なので、こういう人が行動していける人なんだろうと思う。

私には出来ない。

思ったようにすぐ動ける。
後悔はさほどなく、ただ前を向いて進むのみ。

私は考えてしまう。
あれこれシミュレーションしてしまう。
だから動けなくなる。
最悪の事態。最悪の結果を描き動けなくなる。

どうなるかなんてやってみないとわからないのに、私の頭の中は最悪を第一選択する。

私のこれまでの経験は全て最悪シミュレーションしかない。

私の周りの大人は最低最悪の結果しか出さなかったから。

私の最悪シミュレーションをそのまま見事にやる大人しかいなかった。
こうなるのは見えてるのにまるでわからずそんなはずないと 私の最悪シミュレーションを現実にする。
私は誰にも相談も助けを求めることも出来ない。

私より最低最悪の結果しか出さない人しかいないから。

そんな人から逃げたらよかったのに。
そんな人が親や祖父母や親族だったから、そんな人を守ることが私の仕事だと私を盾にしていた人から逃げることなど考えられなかった。

そんな私はなんだったのだろう?

自分のことはどうでも良かった。
誰かのためになら強くなれるのに、自分のことなんか構っていられなかった。

そんな私は誰だったのだろう?

今は少し離れて眺めている。

お気楽な気分になってきたから
なにも考えずそのままに
これまでの私のやってきたことを今の私が眺めてる。

遠くで声はする。

そんなことでいいと思ってるの?
そんなお気楽な生活してて良いと思ってるの?

それはとても遠くで聞こえる。

人と話していても巻き込まれることが減った。
なので終わったことはどんなことでも遠くになり忘れてしまう。
昨日の落ち込んだことさえも遥か彼方にある。

一つ失敗したら延々と一人反省会してどんよりしていた頃が嘘みたい。

変わりたいけど変われない。
自分のことがわからない。
私はどんな人なのか人に聞いてみたくてたまらない。
不安と怖れの中が棲家。

そんなところからずいぶん離れたところに来た。

そんな風に最近は思えるようになった。

寒くなるとなんとなく人恋しくて、寂しくて悲しくなることが多かったのに今年はあまり気にならない。

今年の冬はずいぶん気楽に過ごせそうだ。

期待したら裏切られて、頑張っても認められないことが当たり前だった私の世界を違う世界に変えられてきた気がする。

そして、もし何かあったとしてもなんとかなると自分に言える。
何度も何度も言い聞かせてきて、何度も何度もやり直してきた事がやっと少し身についてきた。

そんな気がする。

私一人くらいなんとかなると。
ダメならダメでやり直せるはず。
私の失敗を決して許さず責め続けた大人はもうどこにいない。
そして、そんな人といなくて良い。
私は逃げても良いし、選んでも良い。
私は一人の人間として自分の声に素直になって良い。

バカみたいな事だけど、決して許されず認められなかった小さな私の声を私だけははっきりと聞いて認めてあげる。

その事がやっと身についてきた。

子どものようにおぼつかない足取りだけど、ボチボチ急がず慌てずゆっくりとベイビーステップでやっていこう。

自分で自分を励ましながら。

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