測量野帳への愛を語る①

測量野帳への愛を語る

 突然ではあるが、あなたはどんなメモ帳を使っているだろうか。
 私は見出しの通り、測量野帳をメモとして使用しているのだが、ここまでくるのには紆余曲折あった。
 仕事柄メモをする機会が多く、社会人になってからメモ帳への探求が始まった。元々文房具が好きだったこともあり、実に様々なメモ帳を試してきたと思う。
 そしてたどり着いたのが、この測量野帳であった。
 浮気をしたこともあった。それでもやはり、戻ってくるのはこの緑なのだ。

測量野帳との出会い

 出会いは確か、大学生ぐらいの時だと思う。文房具好きを拗らせた私は、お金が有る無しに関わらず文房具店などに足を運び、にやにやと文房具を眺めていた。その対象は主にノートやボールペンであったのだが、小さいノートの集団に測量野帳がいた。
 古風な表紙だな、というのが第一印象だったと思う。中も罫線が普通ではなく、専門の人が使うものなのだろう。学生だった私は、メモ帳自体を使う機会がなく、最初の邂逅はそれきりだった。

社会人、メモ帳にハマる

 社会人になり、元々文を書くことが好きだった私はとにかくメモをしていた。先輩に言われたこと、明日やらなければならないこと、今日の夕食の候補など、主に仕事の内容ではあったがほとんどのことをメモに書き残した。当時使っていたのは確かキャンパスノートのA6サイズだった。
 そして仕事に慣れていくうち、他人が使っているメモ帳に気が向くようになる。あの人が使っているメモ帳、なんだかおしゃれではないか?縦型を使っている人もいる。リング型メモ帳ではなくメモパッドの選択肢もありかも。こうして、私は最適なメモ帳探しの旅に出た。

若き日のモレスキン

 色々なメモ帳を試していった中で、まずお世話になったのがモレスキンである。そのブランドも相まって、わりと長らくモレスキンを使っていたと思う。
 モレスキンのポケットサイズの良い点は、まずスピンがついていること。新しいページにスピンを挟んだり、何度も開くであろう重要なページに挟んで置いたり、とにかく、一発で目当てのページを開くことのできる便利さと言ったら!
 そしてソフトカバーとハードカバー、無地・横罫線、方眼、ドットの4種類の中身、豊富なカラーバリエーションと、当時の私はこの組み合わせを考えるのがとても楽しかった。
 最終的に、ソフトカバーの方眼に落ち着いた。ハードカバーは重厚感がありこれはこれでとても良いのだが、メモ帳という用途を考えると、ソフトカバーに軍配があがるのかなと思う。ソフトカバーは360°とは言わないものの簡単に曲げられる。メモを筆記するのが容易なのだ。そして中身の種類だが、ここは完全に好みだと思う。私は文字を真っすぐ書くことが苦手なので、何かしら線の入った中身を使用している。方眼の良いところは文字も絵も表も何でも書きやすいという点だ。そして表紙についたゴムバンド、裏表紙にさりげなく存在するポケット。モレスキンは完成された存在であった。
 モレスキンの欠点を上げるとすると、一番はやはりその値段だ。機能を考えれば高いことは頷けるのだが、”メモ帳”はもっと気軽に使いたい。というのが私の本音だった。そして、メモを仕事だけでなくどこにでも持ち歩きたいとの新たな欲も芽生え始め、モレスキンのポケットサイズはもちろんコンパクトなのだが、持ち運ぶならもっと薄くても良いのではないか。といった疑念が生じたのだ。そして私は、モレスキンにさよならを告げた。
 誤解しないでほしいのだが、これはあくまで、私にとっての最適なメモ帳の旅である。モレスキンは、とても素敵なノートであることには変わりない。モレスキンのワンデーダイアリーを日記帳として今使っているが、やはりその重厚感がたまらない。

ロイヒトトゥルム

 モレスキンを使っていた時、それを見ていた友人からロイヒトトゥルムをプレゼントされたことがある。
 ロイヒトトゥルムとは、ドイツのメーカーが出している高級ノートであり、ハードカバーはモレスキンと少し似ている。ロイヒトトゥルムの方が幾分ごつい印象ではある。
 嬉しくなった私は使いかけのモレスキンをさておき、新品のロイヒトトゥルムを使い始めた。
 ロイヒトトゥルムの特徴といえば、やはりその重厚感だろうか。ハードカバーの厚さもそうなのだが、おそらくページ数も他のメモ帳に比べ多かったような気がする。そして個人的なツボにはまったのは、ページに番号がふってあるということだった。ノートにページ番号がふられているという経験は、その後の私のノート観を変えたといっても過言ではない。
 モレスキンのところでも記述したように、もう少し薄くて気軽に使えるメモ帳が欲しいと感じていたが、しっくりくるものは見つけられずロイヒトトゥルムを使い切った後は、モレスキンに戻ってみたり、裏紙をバインダーで挟んでメモ用紙っぽくしてみたりと研究は続いた。

とりあえず今回はここまでにする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?