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Power of Voice 5 Final

音楽/日本の歌姫


最近、MLBで活躍中の大谷さんの記録などは良としても、100年に1度という事象が、パンデミック、気候、環境、災害、戦争など、多方面でやたら出てきますね。21世紀を迎えた時よりも、世界は混沌としているような気がします。
きのう9月1日は関東大震災100年目、何十年も前からいまに起こると言われていたことはカレンダー上ではスルーしましたが。(残念ながらそれに代わって、東日本大震災をはじめ多くの大災害がありました)
各地で猛暑日を更新した8月が過ぎても、夏がフェイドアウェイしていく様子はなく、老体は消耗していくばかりですが、心にはいつまでも消耗しない歌声があるものです。私にとっての印象深い女性歌手をあげて 「Power of Voice」 のラストといたします。
最初の発声からのひとフレーズを耳にしただけで、魅せられてしまう My Diva。戦後の歌謡界に何人の歌手がデビューしたか知りませんが、(まったく注目されなかったり、いわゆる一発屋でメディアへの露出が短期間で終わった方以外で)、その声の魅力と歌唱力を生かし、長い時間、私を癒やしてくれた真のシンガー、(もちろん、これ勝手なんですが・・・) 10人の歌姫を選ばせていただきました。

戦後スタートした歌手には、ほぼほぼ洋楽がベースにあるような気がします。その音感覚に日本的抒情を表現するテクニックを磨いていく。一方で民謡、節物から出発した方は、洋楽的感覚を身につけて新しい歌を咲かせる。

☀歌手を超える芸能天女、美空ひばり (1937~89) は別格とさせていただきまして、生年順に名前を挙げますと、

笠置シヅ子(1914~85)
越路吹雪(1924~80)
ザ・ピーナッツ
(伊藤エミ/1941~2012&ユミ/~2016)
青江三奈(1941~2000)
髙橋真梨子(1949~)
藤圭子(1951~2013)
松任谷由実(1954~)
石川さゆり(1958~)
中森明菜(1965~)
元ちとせ(1979~)
*申し訳ありませんが、1980年以降生まれの歌手はほぼ知りませんので、ご容赦くださいませ。

最もキャリアの古い笠置シヅ子の最盛期は、リアルタイムでは観てませんが、10月から笠置さんをモデルにした朝ドラが始まるとのこと。(そのタイトル ”東京ブギウギ” は、敗戦後の日本の焼跡に流れたんですな)、洋楽好きの少年が後追いで聞いてぶっ飛びましたわ。アメリカ音楽スタイルの一つ、ブギウギーを取り入れて、作曲家服部良一先生が戦後歌謡の代名詞的な ”リンゴの唄” とは、どえりゃ〜違うもんを生み出した。こりゃ初めての日本語ロックじゃなかろうか。笠置シヅ子は日本初のロックシンガーと言っていいでしょうやな。(我っちの知る範囲において)


東京ブギウギ (1947)
(詞/鈴木勝/曲/服部良一)

                                            (youtube)

🎶(省略) ブギを踊れば世界は一つ/同じリズムとメロディーよ
🎶(省略) 世界のうた楽しいうた 東京ブギウギ/陽気なうた 東京ブギウギ/ブギウギ 世紀のうた /歌え踊れよ ブギウギー

びっくりポン! この時すでに30路の遅咲きブレーク。これは不動の姿勢で、美声を聞かせる従来の歌謡スタイルの歌手にはとうてい無理な曲。彼女の破天荒な歌声と動きが、人々に元気を与えた。後に歌謡界の女王となる少女 (加藤和枝) にも大きな影響を与えたんチャ!
* ひばり(ちゃん)の東京ブギウギ

                                            (youtube)

さらに翌年、世界の黒澤明監督作品 ”酔いどれ天使” の劇中歌 ”ジャングル・ブギー”!このパンチの利いた歌声にびっくりポンのK.O.!!!

ジャングル・ブギー (1948)
(詞/黒澤明/曲/服部良一)

                                            (youtube)

🎶ウワオ ワオワオ 私はめひょうだ 南の海は/火をはく山の 生まれだ/月の赤い夜に ジャングルで/骨の溶けるような 恋をした
🎶(省略) 月の青い夜に ジャングルで/胸がさけるほど 泣いてみた/ワァーアー ワァーアーアア
🎶(省略) ボンバ ボンバ ボンバ/ボンバ ボンバ ギャー

いやはやなんとも、むちゃくちゃでござりますがな。

この方も戦前から芸能の世界にいらした。
越路吹雪
ろくでなし (1965)
(詞曲/S.アダモ/日本語詞/岩谷時子)

                                             (youtube)

宝塚歌劇団時代は、けっこうな “不良” 娘だったようです。品格ある声と詞を歌い上げる力で、歌宇宙の一等星となったやな。サルヴァトール・アダモの楽曲をいくつも、岩谷時子の訳詞で歌いました。この原題は “不良少年” の意味ですが、才能ある人って “ろくでなし” 的な面も必要かも。


ザ・ピーナッツ
恋のフーガ (1967)
(詞/なかにし礼/曲/すぎやまこういち)

                                             (youtube)

双子、兄弟姉妹の歌い手の中で、洋楽好みには外せない。クレイジー・キャッツとのバラエティ番組のエンディングで 「スターダスト」 を歌唱中、ハナ肇に邪魔されるシーンがおきまりで笑わされた。ともあれ、透きとおった美声とハーモニーの素晴らしさがグイグイ伝わってくる、いまだかつてないデュオ。


青江三奈
新宿サタデー・ナイト (1968)
(詞/佐伯孝夫/曲/鈴木庸一)

                                             (youtube)

“N.Y.のためいき” と称された ヘレン・メリル と比べられるハスキーヴォイス。言語的な違いはあるにしても、ドスの利いた安定した歌唱はメリルより上じゃなかろうか。


藤圭子
愛の巡礼 (1971)
(詞/浅木じゅん/曲/石坂まさを)

                                            (youtube)
                                          
多くの作家が彼女に曲を書いたけれど、石坂まさをのメロディラインは、藤圭子の声と歌唱の凄みを最良に引き出していたやろうやな。


松任谷由実
ひこうき雲 (1973/詞曲/荒井由実)

 ?年 Live                           (youtube)

誰もがご存知、最初の本格的女性シンガーソングライター。ミュージックスターになるのに、貧しさゆえのハングリー精神が必須とはいえない。リッチな人にもミューズは平等だ。それを受けとる才能と精神をそなえているのなら。


石川さゆり
天城越え (1986/詞/吉岡治/曲/弦哲也)

?年 Live                            (youtube)

日本歌謡の正調の歌手にあって、最も声が心に届いてくる人。歌の中にあるシーンに切ない情念を共鳴させる表現力に感!!!。


元ちとせ
ワダツミの木 (2002/詞曲/上田現)

?年 Live                            (youtube)

ソウルフルな歌唱が聴く人の心に強く迫る。素地である南島の叙景に響きわたる声に、長い年月をかけて受け継がれてきた、唄い語る力を感じます。

以上、
半数の方が令和以前に、星になっておられますが、、、
そこで気になっているのが、何年も活動休止中の中森明菜さん。復活の日はいつ来るのかや。
What!can't I Know it !?

中森明菜
飾りじゃないのよ涙は (1984)
(詞曲/井上陽水)

1987 Live                           (youtube)

同世代の中でシンガーと呼べる唯一の存在に成長したやな。観て良し、聴いて良し、ただただ好きですけん。
Come Back! I'm waiting for you.


さて、final は、
髙橋真梨子
for you··· (1982)
(詞/大津あきら/曲/鈴木キサブロー)

2016 Live                           (youtube)

いやはやなんとも半世紀以上続けた全国ツアーは、2022年が最後となってしまいましたが、シンガーとしての引退はないとのこと。オールドタイマーにとっては癒しの歌声の最上級。
forever !!!   MARIKO The DIVA                                







 


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