世界中から人身売買がなくならないのはなぜ? 単行本 – 2010/11/1 小島 優 (著)原 由利子 (著)
世界中から人身売買がなくならないのはなぜ? 単行本 – 2010/11/1 小島 優 (著)原 由利子 (著)
中国陝西省の西安市にコロナウイルス感染が拡大した時期を境に、20年来の交流を維持して来た、西安市に住む中国人の劉さんとは連絡が取れなくなった。
彼女は、私が中国の大学に在学中、同じ大学にいた中国人学生で、当時は他の中国人と同様に、小さな部屋に2段ベッドを4台置いて8人で、家族から離れて他の学生と共に暮らしていた。
(通常は男子禁制で特に外国人が入ることは無いが私は事情で、共に入り込んだことがある)
現在では事情が変わって来ているとは思うが、当時の中国では大学に進学できること自体が、相当な富裕層であるか、そうでなくとも多くの資金を工面できる家庭の子どもであり、且つ飛び抜けて優秀で無ければ有り得ないことだった。
中には(いや、もしかしたら多くの)小学生の頃から、遠く親元を離れた全寮制の学校に入り、幼少期より掲げる、「人生の目的」を目指して学業に励む。
私が住んでいた、広大な大学のキャンバス内にある「外国人専用寮」は、先進国の生徒からすれば、非常に狭く不便なワンルームであったが、現地中国人の学生からすれば贅沢の極みだった。
外国人用の食堂も、日本人からすれば、どこにでもある150〜200人ほどが収容できそうな社員食堂といった感じだったが、中国人学生の食堂は数人入れば肩がぶつかりそうな程狭く薄暗い、空気も悪く不衛生な所で、
使い古された安っぽい食器で立ったまま急いで掻き込むような場所だった。
私が住んでいた外国人寮からは、ちょうどいくつかの中国人学生寮が見えたが、旧正月などを除き、いつでも深夜まで煌々と明かりが灯っていた。 (もちろん学習のために)
それでいて、朝の4〜5時になれば、芝生が敷き詰められた広大なキャンパスには、多くの中国人学生が教科書を持って出没し、私が住む7階の部屋の中にまで聞こえる大きな声で、自身が専攻する外国語の暗唱を、時折り教科書をチェックしながら毎日おこなっていた。
それほどまでに長年の努力を積み重ね、日本人のそれとは比較にならない程にたくましい人格を有し、共産党員になってコネクションの確立に余念がなくとも、一流企業に就職して高給を得るのは並大抵では叶わないことだった。
幸い私の友人の劉さんは、はじめ日本法人のSONYに入社し、その後はキャリアアップでアメリカ法人の商社に移ったが、何があったのか、その後はアルバイトに近いような仕事に就いたり、資格取得を重ねたり、借金をして、値上がりが見込まれる不動産投資をはじめたりして、
私の感覚では、世間との比較というものに翻弄されて不安を抱えているのではないだろうか、という印象を受けた。
事実彼女とメッセージのやり取りをしていると、なんだか不安感を感じる応答が増えだし、一定の距離を置くようになっていた。
その頃には、中国の経済発展も著しく、就職は完全な買い手市場、日本で言うなら国立大学を出たような有能な人材でも、足を棒にして面接を重ねても就職できずにフリーターを続けている人が多いという記事をみた。
中国の友人の話題から入ったのだが、この文章は、「人身売買や奴隷の歴史」について書きたかった。
ただ、それには長い歴史があり、浅い知識で気軽に書ける内容でもなく、掘り下げれば間違いなく冗長な文になるだろうとの懸念から、以下は箇条書きを多用しようと思う。
箇条書き部分は思いつくままに記すので前後とのつながりはない。
いつもながら取り留めのない内容になるが、とても重要なことであるから、頭の片隅の知識にでも追加していただければと思う。
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「世界中から人身売買がなくならないのはなぜ?」と言う本を読んだ。
過去にも人身売買や誘拐などの関連書は読んだことがあったので新しい発見は無いと思っていたが、「なくならないのはなぜ?」というところがポイントだった。
古代より続く奴隷制度は人身売買の典型だが、各国で奴隷制度廃止や人身売買罪(人身売買防止法/人身取引禁止法)の施行がされても人身取引が減らない大きな理由は、
誘拐されたり、貧困などの事情で親から売られるケースも多いが、売られる本人が自ら、都会への憧れによる渡航の手段として人身売買システムを活用したり、お金を稼ぐ目的でそれを望むことが多いからだそうだ。
ある時偶然手にした中国国内での、「隠れ風俗への出稼ぎ女子大学生」を描いた映画では、良くある実話として、普通のどこにでも居る可愛らしい田舎の大学生の女の子が、
夏休みを使って都会に行き、風俗店のアルバイトで1日に何人かの客を取り、数ヶ月でかなりのお金を稼ぐと、それを自らの学費や生活費の足しにすると言うものだった。
私個人の感覚では、「大変だなぁ」と切実に感じたが、映画の中の女の子は、ケロッとしており、実にポジティブな印象を受けた。
アジア圏に旅行に行くことが多い男性の大半は、一時期国際問題にもなった「売春ツアー」目的であることが大半だが、そう言った経験者男性に話を聞くと、「学費」「生活費」「遊興費」として稼ぎに来ることは当たり前なのだそうだ、
◆取り分け、香港、台湾、シンガポール、タイなどの国では近隣後進国から合法的に家政婦を雇い入れるための人身取引が盛んで月給1〜3万円相当で一日中働かせていることが多いらしい。
特にフィリピンでは国家を挙げて外貨獲得のために出稼ぎを推奨しており、国家の重要な収入源であり、家族を養うための重要なシステムらしい。
日本でも家族を母国に置いたまま出稼ぎに来ているフィリピン人が多いがそれにあたり、また、「研修生」や「留学生」と言う名目で実際は稼ぎに来ている人々も人身取引に該当する。
その片棒を担いでいるのが最近問題になっている全国の留学生を受け入れる学校の実態だ。
◆私の住む岐阜県の岐阜市には、通称「金津園(かなづえん)」と言う、中日本最大のソープランド街がある。金津園と言う名称の由来は下記の資料から確認できるが、「手力特殊喫茶街」と言う別名もある。
金津園とは?
信じられない!と驚く人もいるかも知れないが、一応、かつては国家が主導して作った売春施設(赤線街)は廃止され、売春禁止法が建前になっているので、現在の日本では、「売春(買春)」は違法である。
そこで、金津園の端にある交番の前を通りかかる度に、私は交番に駆け込んで、「お巡りさん!すぐそこで売春やりまくりです!」と訴え出たら、彼等はどの様に対応するのだろう、とバカなことを考えるが、私も歳をとって、そんな無駄な時間を費やすことはなくなった。
(ジャーニーの得意なアナルセックスは金銭授受があっても、売春防止法には含まれず、現在の日本では「売春」としては違法ではない)
同じく監督省庁が警察庁の風営法管轄であることが有名なのは「ぱちんこ店」だが、これもまた、「景品交換所」と言う子どもも騙せないほど幼稚なクッションシステムによって違法賭博ではないとされている。
しかし、度々摘発される違法カジノの経営者が、このシステムを手本に景品交換所経由で現金化することはもちろん許されないのである。
(IR法(カジノ法案)により大阪に2029年を目処に合法カジノ新設予定だが、私的な賭博開帳の許可は今度もあり得ない)
◆人身売買、臓器売買目的の誘拐などと聞けば多くの日本人はきっと、どこか遠く離れた開発途上国(旧称 : 後進国)の話だと言うだろうが、
実は、日本は世界でも有名な人身取引大国だと言われ、売買受け入れ国として国際的に有名である。
また、「国際養子縁組」として、産婦人科医などが人身売買ブローカーと結託して、事情で育てられない赤ちゃんなどを国内外の希望者へ養子縁組をおこなう人身売買が問題視されることも多い。以前はこの「民間斡旋業者」の管理も杜撰で、養子縁組される子どもの出自が不明瞭且つ、海外の養子縁組希望者の調査は紙面以外でおこなわれず、その後に性の奴隷や労働奴隷、「転売」となっているケースもあると言う。
日本では、「女中奉公」などが古くからある典型的な人身売買のケースとされ、親兄弟、時には親戚縁者の生活を支えることを生きる目的として、食事抜き、暴行、強姦、ひどい差別にも耐え抜いたとされる。もちろん男性の奉公も同じく過酷だ。
◆私自身も人身取引ではないが、15歳で丁稚奉公に入ったが、食事は十分にあり、数万円の賃金が小遣いとしてもらえたものの、とにかく自由がなく、早朝から深夜まで防犯カメラを凝視して、その間に交替での家事や職務をこなし、ミスをすれば特殊警棒でどつき回され、催涙ガスを浴びせられたり、ナイフで刺されたりと、過酷だった。
◆世界中の国家で、人身取引と一瞬でも関わらなかった国家はないとされる。
◆19世紀に女性に参政権を認めた国家は皆無。
◆日本の「15年戦争」中の慰安婦被害があったとされる国籍 : 朝鮮人・台湾人・中国人・華僑・フィリピン人・インドネシア人・ベトナム人・マレー人・タイ人・ビルマ人・インド人・ユーラシアン・太平洋諸島の人々・オランダ人(アジア圏以外の国の人々は自国植民地支配国内での被害と思われる)
十五年戦争とは?
オランダ市長「日本は侵略戦争ではない」
◆日本では世界に遅れて、平成16年に「人身売買罪」が刑法に新設されるも、わずか数年の刑。
【誘拐・行方不明】