娘がお友達に責められた日
入学して、まだ1ヶ月も経たない頃。
その日は、いつも一緒に帰っているメンバーではなく、違うお友達と2人で帰って来ました。
私は、疑問に思い
「あれ?他の皆んなは?」
と娘に聞くと
少し表情が固くなったのを、誤魔化すように、少し明るいトーンで、
「わからーん!!」
と、投げ捨てる様に言いました。
少し違和感を感じたので、
「えっ?何で分からんのん?」
と、聞くと
「一緒に帰ろうって言ったら、嫌だって言われた!」
と、娘は悲しい気持ちを誤魔化すように、頑張って明るく答えていました。
「誰に言われたん?」
と聞くと、また投げ捨てる様に
「分からーん!!」
と、答えました。
これ以上はあまり聞いて欲しくない感じだったので、気にはなりましたが、
まぁ学校へ行くと、子供の世界でも色々あるかぁ…と思い、もうこれ以上は、深く追求しませんでした。
そして、その日は近くのお店に歩いて行く予定だったので、ランドセルを玄関に置いて直ぐに、娘と家の近くを歩いてお店へと向かっていると…
少し遠くに、いつものメンバーの女子3人が下校している姿が見えました。
その3人も娘に気付いたようで、
その内の2人がすごい怒った様子で、遠くから大きな声で
「こはなちゃーん!!何で、先に帰ったーん?!」
と、言いながら走って近づいて来ました。
娘は、気まずそうに困った表情で、皆んなには近づいて行こうとはしませんでした。
いつも一緒に帰っているメンバーの3人から、「一緒に帰るのが嫌だ」と言われて、娘は仕方なく他の子と帰ったんだと思っていたので、何でその2人が怒っているのか分からず、どう言う事かと思い、娘が行こうとしなかったので私が皆んなの所へ行き、
「どうしたの?」
と、聞いてみました。
すると、1人の子が怒った様子で
「こはなちゃんが、何も言わずに先に帰ったんですよ!!」
と、怒っているもう1人の子も、
「こはなちゃんが○○ちゃんと先に帰ったら、途中から私が1人になるのに!」
と、息を荒げて言いました。
…ん?でも、嫌だって言ったのはそっちなんじゃない?
と私は思い、
「こはなはね、一緒に帰ろうって言ったら嫌だって言われたけー、仕方なく先に帰ったんだって」
と、娘に代わって私が説明しました。
すると、怒っている1人の子が
「えっ?!誰がそんな事言ったん?!」
と言うので、
状況がよく分からなかったので、少し離れた所で様子を見ていた娘に
「こはな!!ちょっとおいで!!こはなの事、話しよるんよ!!」
と少し大きな声で、娘を呼びました。
娘が、皆んなの所へ来たので
「こはなが、一緒に帰ろうって言ったら嫌だって言われたけー、こはなは仕方なく先に帰ったんよね?」
と、確認すると
「うん。」
と娘が答えたので
「誰に嫌だって言われたん?」
と、聞くと
「…A子ちゃん」
と、娘は答えました。
…そう言えば3人の内、2人はすごい怒っているのに、その中で1人、怒っていなかったA子ちゃん…
私は、ただ優しいからA子ちゃんだけは、娘を責めたりはしないんだと思っていました。
…が、実は違っていました。
「嫌だ」と言ったのは、A子ちゃんだったのです。
私は、責めるようになってはいけないと思い、A子ちゃんの前でゆっくりしゃがみ
「A子ちゃん。こはなに嫌だって言ったのは、A子ちゃん?」
と、優しいトーンで聞きました。
すると、A子ちゃんはふわーっとしたニコニコっとした表情のまま、
モジモジしているだけで、何も答えてくれません。
他の子が、驚いた様子で
「えっ?!A子ちゃんが嫌だって言ったん?!」
「えっ?!何でー?!!!」
と、他の2人は全然知らなかった様子でした。
A子ちゃんが、はっきり答えてくれないのでA子ちゃんが言ったとも決めつけられないので、私はもう一度優しく聞いてみました。
「A子ちゃんが、こはなに嫌だって言ったん?」
と、もう一度聞いても、A子ちゃんはふわふわした表情で、モジモジするだけで、答えてはくれません。
…すると、他の子が
「何で嫌だったん?
こはなちゃん歩くのが遅いけー?」
と、A子ちゃんに聞いていました。
正直、娘は本当に歩くのが遅く、走るのも遅いので、いつも1番後ろで、皆んなに必死について行っている感じで、皆んなが走ると、それについて行けないような子でした。
そう言う所が嫌だなーと、何となくは皆んな思っていたのかもしれません…。
私がA子ちゃんに、
「歩くのが遅いけー嫌だったん?」
と聞くと、
A子ちゃんは半笑いをして
何も答えず、モジモジしているだけでした。
その様子を見た瞬間、
この子は、自覚があるのに周りの子には黙っていたんだなと、
確信犯だなと
思いました…。
でも、娘にも非がある可能性はあるので、
「こはなに何か嫌な事言われたり、されたりした?」
と聞くと、
首を振りながら
「ううん。」
と、初めて答えてくれました。
そこは確認出来たので、これ以上聞くと、A子ちゃんを責めている感じになってもいけないと思い、それ以上は問い質したりはしませんでした。
他の子も、怒りは完全に収まってはいませんでしたが、娘のせいではない事は理解してくれたようなので、皆んなでバイバイをして解散をしました。
後で詳しく娘に話しを聞くと、
帰る時に、いつも一緒に帰るお友達を待っていたら、A子ちゃんがいたので「一緒に帰ろう!」と言ったら、A子ちゃんに「嫌だ」と言われ、すごく悲しかったけど、仕方がないから、別のお友達をみつけて、その子と一緒に帰ったそうです。
A子ちゃんは自分が、嫌だと言ったから、娘が他のお友達と先に帰った事は知っているし、分かっているにも関わらず、他の2人が怒りながら帰って、多分娘の悪口も言ってたと思うけど、そう言うのも聞きながら黙っていたのは、ズルいなと思いました。
娘も、2人が怒っていた時に、A子ちゃんが「私が嫌だって言ったからよ」って、言ってくれていれば、他の2人に怒られなくてもすんだのに…酷い。
と言っていました。
娘はその日、色んな意味でショックを受け、悲しい思いをしたと思います…。
私もそれまでA子ちゃんは、とってもふわふわしてて、可愛らしい子だと思っていたけれど、
うーん。あの子は、ちょっと裏の顔があるなぁ…
要注意人物だなぁ…
と、思いました。
そう。
私のこの時感じた予感は的中し、A子ちゃんに更に振り回される日々が続くのでした…。
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