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スターレイル公式の絵を自分のものに!(公式絵の模写記録)



はじめに

はじめまして、海湊です。
私は普段趣味で絵を描いており、特に最近は原神や崩壊スターレイル等のイラストコンテストに積極的に投稿しております。
そのようなコンテストに入賞するため、
またそうでなくとも新たな絵柄の開拓と絵の勉強のためと称しまして、今回はスターレイルの公式バレンタイン絵を模写した記録をここに記すことにいたしました。

公式の絵柄とは、すなわち大勢の人に受け入れられやすい絵柄。
特に、上記ゲームの公式絵は今まで自分が見てきた他様々なゲームと比べ、絵に深みがありつつ濃くなりすぎないという絶妙なバランスのブラシ塗りをしていることが多いように感じます。
そのような絵柄や塗り方を自分の絵に取り込むことができれば、より洗練された見甲斐のある絵を描けるのではないか、ということで公式の絵の模写を通して自分の絵を見つめ直すことにしました。
あくまでも自分の絵との比較ですので、主観的な分析にはなりますが、他の方々の参考になればと思い、記事にして公開いたします。

はじめてnoteを書く上、かなり備忘録的な意味合いの強い記録になりますので何卒ご容赦くださいませ。
また、長い文章になります。結論が早く知りたい…!という方は目次をご活用ください。
それではどうぞ〜

公式絵についての特徴

前述した通り、今回模写した絵は崩壊スターレイル公式よりバレンタインに投稿された花火ちゃんの絵です。
が、
その絵を詳しく見ていく前に、スタレひいては原神の公式絵の特徴について軽くまとめたいと思います。

原神の絵柄

原神の絵柄…とひとえに括りましても、実はかなり絵柄にばらつきがあります。
それがよく分かる例として、バージョンごとに配布されるキービジュアルです。
外注されているものもありますが、イラストレーター名が公開、明記されていないものは社内の方が描いたものだと思われます。
以下のキービジュアルは、私が調べた限りでは絵師の方が明記されていなかったものかつ絵柄が比較しやすいかな…?と思ったものです。(間違っていたら申し訳ありません)

まずはこの二枚。
華やかな色の使い方が非常に上手な絵ですよね。
おそらくこの三枚は同じ絵師の方が描いたものと思われます。(多分)
大きな根拠としては2つ。
・髪の毛のハイライトが虹色(一色じゃない)な点
・女性の頬のチークの色やハイライトが入っている点
です。
また、個人的な主観にはなりますが、一枚面のパイモンを見ると少し下の絵の絵柄が感じられるような気がします()
その他にも色々共通点は見つかるのですが、すべて挙げるとキリが無いので次へ…

この三枚は非常にわかりやすのではないかと思います。
繊細な塗りにも関わらず、丁寧にまとめられている点が素晴らしい絵ですね。
この絵が同じ絵師の方だと思う根拠についてはまさに”丁寧で細かい塗り”という点です。
アルベドの髪やズボンの影、甘雨の服のシワなど、他の絵と比べてかなり繊細に描かれているように感じます。
また、パイモンの左髪に黒いグラデーションが入っている点からして、一枚目と二枚目に関しては同じ絵師の方と断言して良いのではないかと思います。

そして最後の二枚。
髪や服の質感が洗練されていて、スッと入ってくるような素敵な絵ですね。
この絵に関しては、何と言ってもハイライトの描き方が共通しているかなと思います。
つるつるつやつやしたはっきりとした色使いやハイライトの形や
先程の絵とは変わり、細かい皺を書き込むというよりかは、皺を少なく大きな面で布を描く点が共通しているように感じますね。

間違っていたら申し訳ありません(保険)

今回はスターレイルの絵柄の研究ですので、あまり調べきれていない原神の絵柄についてはこのあたりにしておくのですが、一つ言えることは
万人受けする絵柄=人体の破綻がない
ということです。
ここまでいくつも絵を並べてきて、そのどれもが似た絵柄ではなかったものの、総じて違和感のない華やかで受け入れやすい絵でした。
人体の破綻があることこそ魅力につながっている場合も当然あるとは思いますが、受け入れやすいという面においてはこれが鉄則なのかなと思ます。

というわけで、原神の絵柄と銘打った割にはかなり薄い結論になってしまったのですが、ここからが本題です。

スターレイルの絵柄(目次)


スターレイルは原神と違い、身長がキャラによって異なります。
これによって描き方を変える…ということはないと思うのですが
全身絵でのファンアートを描く際は少し把握しておくとより理解が深まった絵になりそうですね。
特にピノコニーのストーリーで気がついた点ですが、Dr.レイシオとアベンチュリンを比べると、レイシオのほうが背が高く
相対的にアベンチュリンはかなり小柄に見えます。
感覚としては、男主人公と同じぐらいの体格でしょうか。
また、景元将軍は毛量が多く上半身の装飾が多めなためかなりガタイが良く見えます。
合わせて刃も肩幅気持ち広めに描くとバランスが取れる気がしますね。


さて、話を戻しまして
個人的に感じたスターレイルの絵柄の特徴をざっと列挙すると以下になります。

・少女キャラの頬の位置はかなり低く、丸め
・鼻を描く際は、いわゆるくの字を描いたうえでその横に影をつける
・長身男性キャラや長身女性キャラを描く際は、気持ち面長めに
・髪の筋(毛束)はあまり書き込まず、グラデーションを少し付ける
・髪のハイライトは四角くライン上に統一
・ブラシ塗りだが、アニメ塗りを意識する

続けて詳しく解説していきます。

少女キャラの頬の位置はかなり低く、丸め

これは個人的な主観がだいぶ入った感想にはなるのですが、自分が癖で面長に描いてしまいがちなせいか、模写をした際
「こんなに丸めていいのか…!?」と、かなりびっくりしたので
特徴に挙げさせていただきました。
特に、原神では少年少女の頬というのはあまり丸く膨らむことはなく、
比較的凹凸の少ない輪郭をしているのですが、
スターレイル、特に今回描いた花火ちゃんの絵はかなり頬が強調されているように感じました。

また、首も自分が思っていた一回りほど細く描いても違和感なく可愛く描けるという発見もありましたので、
スターレイルの絵柄(女の子)はくびれや凹凸、強弱などをはっきりさせると似るのかなという結論に達しました。
逆に、高身長男性の首はかなりごつめに描くとメリハリや性別が強調できて良いかもしれません。
男性開拓者、穹くんの絵を描く機会があって参考にした、ホタルちゃんとのツーショットをよく見ると、かなり首が太くて男らしいことがわかると思います。

太い首描き慣れてないのでバランスが難しかったです。
なにより、「こんなに太いのか…!?」
という衝撃がありました。

鼻を描く際はいわゆるくの字を描いたうえでその横に影をつける

これは後述する髪のハイライトと同じく、ほとんど全キャラ前公式絵に共通している点かなと思います。
わかりやすい”絵柄の特徴”といえますね。
鼻の横に影…というのは上のツーショット画像を見ればわかると思います。
正面顔であれば鼻の筋を描かないこともあるようですが、鼻の影に関してはほぼ必須なようです。
細かい点とはいえ、すべての絵に共通しているということは
それこそがスターレイルの絵柄というわかりやすいポイントでもあるので、抑えておくとより公式に近づけるのかなと思います。

長身男性キャラや長身女性キャラを描く際は気持ち面長めに

この面長丸顔あれこれに関しては、やはり年齢感を簡単に左右できる手っ取り早い手法でもあるため、スターレイルの公式絵以前に習得しておくと便利な感覚(スキル)でしょう。
にもかかわらずあえてここで特徴として上げる理由は、スタレの絵ではこの年齢感を演出するうえでの輪郭にかなり特徴があるからです。

巷でたまーに聞く、
『羅刹顎長くね…?問題』
これは半分正解で半分ちょっと違うのかな…というのが私の見解です。

正解な部分というのは、羅刹ひいては高身長キャラの顎が長いと”感じる”部分についてですね。
おそらく、実際に顎が長いわけではなく、いろいろな要因によりそう感じる…というのが正解なような気がします。

まず、他の体格のキャラに比べて目が細く小さめなところ。
続いて、鼻が長い(大きめ)なところ。
➥(これに関しては、上述した鼻の影が大きめに描かれることが多いことが根拠(主観))
正面から見た輪郭の膨らみの部分が下に寄っているところ…等々
輪郭と顔のバランスに左右されるところが大きいのだと思います。

正面から見ると普通だけど斜めから見るとあれ…?という場合、
3Dモデルでは目下の輪郭から顎にかけてがかなり直線的なことに起因した違和感なのではないでしょうか。
スターレイルに限らず、高身長なイケメンを描く際は輪郭をシュッとさせるとスタイリッシュですが、やりすぎても違和感が…という
まぁなんとも難しいものでございます。

というわけで、長々と語ってしまいましたが、
気をつけるは以下の点
・頬を丸くさせすぎない
・目を大きくさせ過ぎない
・目と口をむすぶ三角形が、気持ち二等辺三角形になるように意識
と、こんな感じでしょうか。
顔の印象を決めるに当たって、輪郭の重要性は六割を占めると思いますが、
正直これは時と場合と角度に左右されるところがあまりにも大きいため
テンプレートがありません。
自力で見つけるしかないのです。
ですので、こう描く!というよりかは、意識しておく!ぐらいがベストなのではないかなと思います。

参考として私の絵柄で描いたお姉様代表ブラックスワンを貼っておきます。
”気持ち面長めに”とは言いましたが、自分の場合デフォルトが若干面長になる癖があるため、
顎を短くというのを気にかけないと花火のような少女キャラがかけないというわけですね。
逆にお姉様キャラは絵柄に合っているとも言えるかもしれません。

イラストコンテストに応募した作品です
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髪の毛束はあまり書き込まず、毛先にグラデーションを少し加える

これは、3Dモデルはもちろんのこと、光円錐などを見るとわかりやすいかと思います。

細かい毛束は髪の先にだけあり、あとは髪が分かれるブロックごとの線画…
というように、
髪の中央部分はかなりシンプルな塗りになってします。
シンプルな分、形の崩れや不自然なところが目立つようになってしまうため、
腕の見せ所、さすが公式といったところでしょうか。
書き込みの少ない部分と書き込みの多い部分(毛先)で上手い具合に視線誘導ができている点は、普段の絵からも参考にできる点だと思います。

髪のハイライトは四角く、ライン上に統一

前項に続き、髪についてです。
こちらも、文字に表すより画像を見たほうが早いと思います。

言いたいことはわかりますでしょうか?
要は、ハイライトの形です。
目の描き方やハイライトの入れ方というのは作家の個性が出るところですが、この部分をスターレイルの公式に寄せていくのであれば、
あまり激しい形にせず似せていくことが大切かなと思います。

参考資料を見て描くのみ…!
という投げやりな話にはなりますが、強いて真似するコツを言うなれば
一旦ハイライトを太めに描いて削るというやり方が修正も利きやすく描きやすい気がします。
とはいえ真似の仕方に関しては人それぞれですので、自分にあった描き方というのを模索していくのも楽しいと思います。

また、スタレ公式の絵がすべてこのハイライトの入れ方というわけではなく、もちろん例外も存在します。
わかりやすいのは、別の光源から強い光が当たっている場合ですね。


先程の銀狼の絵もそのシュチュエーションに該当はしますが、あくまで正面から当たっている光かつ顔を照らす範囲が広い光なため、新たにもう一段階明るいハイライトを入れる必要があります。
他に別の光源から強い光が…という絵で思い浮かぶのはこのあたりの絵になりそうですが↓

銀狼の光円錐と同じように、影になっている部分に髪の艶としてのハイライトが入っています。

というわけで、スターレイルの絵柄に寄せるならば、
ハイライトは参考資料を真似し、トゲトゲさせないように
ということでした。

ブラシ塗りだがアニメ塗りを意識する

これは、崩壊スターレイルや原神の一番の特徴で塗りを寄せるに当たって一番大事なことかなと思います。

まずブラシ塗りの利点というのは、厚塗りの重厚感とアニメ塗りのわかりやすさや軽さをミックスさせた点にあります。
その分、分業が主流とされるゲーム業界ではブラシ塗りで絵を確立させるというのは適しておらず、少数派のブラシ塗りは特別感というのが演出できるわけです。

原神やスタレのブラシ塗りというのは、比較的アニメ塗りのように色をはっきりと分ける事が多く、
それによって重苦しさというのを感じることのない華やかな絵に仕上がっています。
ここが肝なのです。
ぼかし、という技法は非常に効果的で、簡単に質感を表現できる反面、
使いすぎると絵がぼやけた印象になりがちです。
それを避けるため、ぼかすところはここぞという場所に留めておいて
基本は色を混ぜたりぼかしたりすることなく塗っています。
わかりやすいのはこのルアンメェイの絵でしょうか。

髪の塗りはかなり筆の質感が際立つ塗りになっており、ぼかしブラシやエアブラシでぼかされているところはほぼないように感じます。
ぼかす部分を作りたいときは筆の不透明度(筆圧調整)で塗り分けていますね。(肩の部分がわかりやすい)
この筆の質感というのはとても効果的で、のっぺりした絵になりすぎずいい具合に情報量を足してくれるポイントです。
だからといってアクリルガッシュなどの筆を使えばいいというわけではありませんが、
塗りつぶしや塗り拡げをしすぎないようにすると、質感のある見ごたえのある絵にまとまると思います。

と、いくつかの項目に分けて特徴を解説していきましたが、いよいよ模写の絵について掘り下げていきます。
また、上記の特徴というのはあくまで素人が感じた独断と偏見ですのであしからず。

花火ちゃんを模写してみよう!

今回花火ちゃんを模写のモデルに選んだ理由はずばり

イラストコンテストで花火ちゃんを描くから!!!

です。

やはり、一度描いたキャラというのは二度目描くときかなり描きやすくなります。
理解を深めるという点においても、初めて二次創作を描くキャラがいる場合は、一度落書きでもいいので描いてみると楽になるかもしれません。

この絵の特徴



さきほどルアンメェイのバレンタインイラストを参考に出しましたが、
それとはかなり違った雰囲気の絵なのではないかと思います。
当然別のキャラクターなので雰囲気が違うのは当たり前なのですが、
特に髪の塗りを見ると、ルアンのものよりこちらの絵のほうが透明感があるようには感じないでしょうか。
これは、色味と筆の質感に由来する違いだと思います。
ルアンの髪色というのはだいぶ灰色によった色味をしているのに対して、花火の髪はルアンよりも彩度が高めの黒髪(茶髪)です。
個人的な感覚として、彩度が低めな色というのは、どっしりもっさりとした印象を受けるのに対して
彩度が高めな色というのは、パッキリとした艶や強めな印象を受けます。
透明感というのを演出するに当たっては、彩度が高めな色のほうが適しているのではないでしょうか。

また、筆の質感についてはルアンの髪のハイライト辺りをみると比較しやすいと思います。


色味のせいも相まって、ルアンのほうが少しだけ質感が強めな気がしますね。
また、ルアンの服の皺にも筆感を感じるところが多くあります。
公式の絵柄、というところに焦点を戻すと、質感という点において花火の絵のほうが光円錐などのゲーム内イラストに近いのではないでしょうか。

模写している間に気づいたこと

模写の勉強に費やした時間は14時間半ほど。
その間穴が空くほどこの絵をみてきたので、感心する点がたくさんありました。
全て挙げたら切りが無いのですが、特に感動した点や真似したいと思った点をいくつが挙げていきます。

・袋の厚みの表現
写真中央部の袋の厚みです。ここに線画はないのですが、この厚みの表現 があるかないかで、見栄えや説得力に大きく差が出ます。こだわりがすごい。

・金魚の飾りの透明感の描き込み
丁寧に描かれた金魚の飾り、尾ひれの下のほうが青くなっているのは、下の青い花飾りが透過しているからかと思われます。
線画を描かずに青を入れることで主張しすぎない透け具合を表現。なんて細かいんだ…

・黄色い短冊飾りの最上部の厚み表現
ごく細く、白が入っており、厚みが表現されている。感動

・鈴の反射や描き込み
艶や反射光が丁寧に書き込まれている。特に、鈴の割れ目にこれまた厚みが白で描き込まれているところは本当にびっくり。

今まで上げた特徴からわかるように、小物周りのこだわりや描き込みの細かさがすごかったです。

また、描いている間に気づいたこととしては、
・金属の色が”金”ではなく、黄土色に近い
・反射光や奥の髪の空気感の演出などでは、かなりはっきりと色を分ける
といったところでしょうか。
特に、金属の色に関しては原神も同じような色使いであることが多く、あまり派手になりすぎない色を選ぶことが大事なのかなと思います。
いっそのこと金属の塗りは効果レイヤーを使わず、通常レイヤーで塗り込んでいくのが正解かもしれません。

いざ模写

動画でのメイキングはXの方に載っているのですが、こちらでは段階ごとに分けて
その時何を意識していたか、どのような順番で塗っていったか
などを書き記していこうとおもいます。

今回の本題は塗りの模写ですが、じつは線画の模写もやっていました。
それがこちらです。
青い線が私が描いたものです。
絵として重ねずにみたときはあまり違和感のない絵になっているのですが、
やはり比較するとだいぶずれていますね。
今回は、補助線で正方形のこの絵を3×3に分けて描いていきました。
補助線はあればあるほど模写しやすくなるため、難易度の調節は線の本数で調節するといいでしょう。
特にずれている点としては、やはり顔の左の部分でしょうか。
目や輪郭が内側に寄りすぎており、だいぶ印象が変わってしまっていますね。
また、右腕の部分の模写の精度があまりにも疎かになっているので
気を抜かずに線をたどっていきたいところです。

さて、ここまで描いたところで、塗りの模写に入ろうとしたのですが、
自分のずれた線に塗っていくのは塗り真似の精度が落ちてしまうので
改めて元絵をトレスして塗っていくことにしました。



線画は強弱の差がかなり激しく、顔周りの線画はだいぶ太めでした。
一方で赤い巾着や胸周りの服などの線画は顔周りの二分の一
ほどになっています。
黒い色のままの線画では顔周りの太さが気になるのですが、このあたりを色トレスで中和している点に、技術を感じました。
また、自分は質感のあるペンを使いたい人間なので、普段は鉛筆ブラシを線画に用いているのですが、今回は元絵に忠実にということで質感のないGペンを使用しました。
”怠け者ブラシ”でも代用できそうですね。


線画が終わり、塗りに入っていきます。
大まかに色分けをした後、まずはじめに目の塗りに手を付けました。
描き方は人それぞれですが、やはり絵を見る人にとってまっさきに視線が向くのは目なので、絵の印象をある程度固めておくという点においても
目を始めに描いておくのが無難かなと思います。
まつげに当たる部分は線画で塗りつぶした後、クリッピングでピンクの色を入れていきます。
下まつ毛の部分は、明るめの茶色にすると肌に馴染みやすくなります。
瞳に関してはハイライトが大きいのが特徴で、瞳とまつげの間には同化しないように薄く白い線が入っていました。
また、蝶のような模様の部分は、下の方が少しオレンジがかっています。


続いて肌の塗りです。
色というのは周りの色との兼ね合い、いわば相対的なものなので、
後々に塗り込んでいく他の部分をみながら、逐一色を調整していきます。
右肩の辺り、胸と肩の境目あたりで色が分かれているのですが、このあたりをぼかすことなく分けている点が、先程述べたアニメ塗りに近い点の最たる例なのではないかなと思います。
逆に、右腕の影はかなりぼかされていて、
これは肌の影というよりも肌にかかる他のものの影なので、影を落とす物体の距離によってぼかすしてみると、よりリアルに落影の種類を差別化できるでしょう。
また、右腕の右側は反射光代わりに影の色が抜いてあります。
左肩の上の部分に影がついているのは、丸みの表現で、これがあるとないとでは絵の説得力がかなり変わります。


次に、髪の塗りですね。
これは、前髪から外に向かって描いていきました。
髪に限らず、乗算レイヤーを使うと色がかえってわからなくなるため、基本は通常レイヤーで塗り込んでいきます。
ーーーーー
レイヤー構成は
下塗り

色味追加(横髪の赤みやその他諸々色が少し違うところの調整)

髪の流れの影

落ち影(仮面の下、横髪の生え際の隙間等)

ハイライト(反射光)
ーーーー

落影についてはかなり濃く、ハイライトは白ではなく紫がかった色でした。
おそらく加算発光等の効果レイヤーはつかわず、通常レイヤーで描かれたハイライトなのではないでしょうか。
また、後ろ髪などにかかっている空気感については、後々足していきました。
この点については、髪レイヤーにスクリーンレイヤーをクリッピングする方法か
線画も含めて一番上からスクリーンで中和する方法の2つが考えられます。
色トレスをする際どうせ線画の色が変わるので、私は髪のみに空気感を追加する前者を選びました。
髪の流れの影についてですがこれについてはただひたすらに見て真似をするしかなく、調整しながら描いていくしかありません。

その中でも、上の画像のように複数の線が入っている部分があるのですが、
これは
”情報量を増やすブラシ”というのを使うと簡単に再現できます。

ハイライトの色と神の右の方に入っている反射光は、色が違うので、
この点に注意して描き分けると、ハイライトの種類の区別化ができるかなと思います。


髪の次は、仮面の塗りに移りました。
仮面の耳の部分は、完全な黒ではなく少し紺色がかっているので、線画で塗りつぶすのは後々修正が効きづらくおすすめできません。
また、目元のライン金属と同じ色だったので同じレイヤーで描いており、先程も言ったように通常レイヤーで塗り重ねていきました。
また、額中央部の飾りは明暗が細かく分かれているので、良く観察して色を付けていくとリアルに再現できます。
鈴の部分は特に細かく描かれているので、ハイライトや反射光の色分けを意識して塗ると自分の絵にも応用できるのではないでしょうか。


赤い布と小物の塗りです。
描いていて気づいたのですが、花火ちゃんの赤色というのはかなりピンクに寄った色をしていて、とくに光のあたっている胸の部分などは彩度も高めでした。
しかしながら、左腕の部分になると光が強く当たっていないため、明度が下がり、この点は下塗りにクリッピングしてエアブラシ等で色を調整すると色味がちょうどよくなります。

また、小物に関してはこの絵のなかで最も描き込まれている部分で、えげつないほど細かく塗り分かれています。
特に、金魚玉の飾りの部分は見本の絵も大きく拡大しながら再現しました。


黒(茶色)い布部分の塗りです。
手袋の皺はかなり描き込まれており、影の縁が少し濃い色になっていることで印象を強くさせていました。
多様は禁物ですが、影が一辺倒になっていたり、情報量が足りないと感じた際には真似してみるとリッチになるかもしれません。
また、手袋ということで生身の手とは違い、かなりボコボコとした皺の影になっている点も、質感の印象に多大な影響を与えていますね。



先程言った髪の空気感をスクリーンレイヤーで演出した後、線画にクリッピングで色トレス
絵の上から白い線を引いて境界を目立たせ、背景を軽く描いたら完成です。
正直、人物を描き終えたところで燃え尽きてしまい、背景の模写はかなり緩めなのですが、比較元がなければ、本物に見える背景に放っているのではないでしょうか。
肌周りの線画はかなり再度高めの茶色で色トレスし、空気感がある部分も馴染むような色に変更していきます。
右胸の部分などがわかりやすいのですが、白い線を引いて境界目立たせる描き方は、かなり汎用性が高く効果的なので、黒系の色が重なって分かりづらくなっているときはやってみると良いでしょう。

並べて比較すると、かなり似良い出来なのではないでしょうか。

反省点は以下の通りです。

・横髪の赤みが強すぎた
・右腕の影が少しオレンジすぎた
・仮面の白い部分がもっと白い
・体の手前にある髪先がもっと暗く、影はあまり目立たない
・背景の真似度合いが甘い
・前髪周りはもう少しだけ明るい

よく見ると違いがわかってしまうので、まだまだ上達の余地がありますね。
なお、崩壊スターレイルロゴは、ネットにあるものを使ったため、模写の方は影がついています。

まとめ

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
私自身絵を描くきっかけは好きな漫画の模写からだったので、実に数年ぶりの模写は初心に帰ったような気持ちになることが出来ました。

はじめの項に少し書いた通り、この絵を模写した動機は
近日中に開催されるであろう花火イラストコンテストでより良い絵を描くためでした。
昨日なんとかその絵を書き上げたのですが、今回学べたことを存分に活かせた絵がかけたはずです…!
しかしながら、
原神スタレのイラストコンテストは応募母数が多いため、X(Twitter)等で評価が少ない絵はそもそも審査員の方に見てもらえてない可能性があります。
世知辛い話ですが、やはりめげずに頑張るしかありません。
そんなよわよわな私を少しでも応援してくださる方がいましたら、心の底から嬉しく思います。
どうか、どうかよろしくお願いいたします。

最後に自分語りをしてしまいましたが、
この記事を通して、読んでくださった方の助けになれていたら幸いです。
皆様がより良い絵描きライフを送れることを願っています。


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