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バーミリオンは滲まない

よく分からない、簡単な言葉では表せない気持ちを「玉虫色」と言ったりする。
とても素敵な表現だ。

感情とは、とても複雑でシンプルで、玉虫色で。
だから私は、自分の感情と向き合うことが大好きだ。

昔書いたメモ帳を見返していたら、今の私にとても響くメモが出てきた。多分、小説の冒頭にでも使おうと思って考えた文章だと思う。

「感情は、クッキーの生地のようだと思うのです。
麺棒で伸ばしただけの、型を取る前の、なんとも形容し難い形です。
でも、そんな形見せられても、受け取る側は一体これは何なのだと、困惑してしまう。
だから無理矢理、星やらハートやら、クマやらの、何かしらの型に嵌めてくり抜いて、相手に渡しているのです。
世間一般で、多くの人が知っている形だから、皆ちゃんと理解してくれる。
でも、型からはみ出し、余った生地は何処へいってしまうのか?
この余った部分も、ちゃんと感情の一部だった。むしろ、この部分に旨味が凝縮されているのかもしれない。でも、型からはみ出ただけで、無いものとされる。

言葉はクッキーの型のようなものです。言葉は便利だけれども、時に暴力的に、本来の感情を曲げて簡単なように形づくってしまう。
だから、言葉が嫌いです。
でも寂しい時に寄り添ってくれるのも言葉だから、私は言葉が好きなのです。
ねぇ、まるで恋人のようではありませんか。
全部を理解して欲しいの。でも、そんなことクジラにならないと無理だってわかってるの。
言葉だけではきっと足りない。
目を見て、歌って、絵を描いて、創作して、踊って、運動して、料理して、食べて、寝て、
感情を表して、表して、表して。

生きるすべてを使って、あなたを表現するしかないのです。
言葉だけでは、足りないから、
生きるあなたのすべてで示すしかない。

さぁ、この世界に表明を。

これが私なのだと、過不足なくあなたのすべてを、どうか表現してくださいませんか。

それが、私へと続く唯一の道だから」


三重県津市の海、早朝

2024.3/14

なんだか嫌だなぁと思う。

花粉症がとても辛い。この世に存在するもので、花粉症と蚊の存在だけは本当に許せない。花粉症さえなければ、この快晴の空の下、最高な気分で散歩できるのに。 
桜が咲き、あらゆる生命がふかふかと温まり始めるこの季節が大好きなはずなのに、
花粉症のせいで、日々憂鬱だ。

花粉症ではない人が羨ましくてハゲそう。

何でも1つ今すぐ願いが叶うなら、花粉症を治してくださいとお願いする。
使えきれない程の大金とか、空を飛べる魔法とか、ものすごい知名度とか、どこでもドアとか、そんなのいらないから、マジで早く花粉症をこの世から消し去って欲しい。
心の底から春を愛でたいのです神様お願い。


今日は免許証の住所を変更しに警察署まで行ってきた。
そしたら、免許の有効期限が過ぎていて、住所変更できなかった。車の運転なんて何年もしてないので、有効期限が過ぎてることに気付かなかったと言い訳したいけど、免許証に大きく有効期限が書いてあって、それに一度も注目しなかった自分のポンコツ具合いに思わず笑ってしまう。

警察署から家までの長い道のりを、またトボトボ歩く。
途中、喉が渇いて、炭酸ジュースを買って開けたら、中身が溢れた。誰だ炭酸飲料を振ったやつ。私だな。
手がべとべとになったまま、またトボトボ歩く。
花粉症で鼻がズビズビする。

運転なんかもうしたくないやい。私は一生、誰かの助手席に座って生きていくんだい、と心の中でいじけながら歩いた。夫にLINEで、更新にもちゃんと行かないとダメだよとちゃんと釘を刺される。
行きたくないと我儘言ったら怒られるだろうか。
迷惑とかではなくて、怒られるか怒られないかが私には重要だ。

やりたくないけど、やらなくてはいけないこと。
やりたいことでも、やってみたらなんか違うこと。
とりあえずやってみなくては、何も始まらないこと。


バーミリオンとは、黄みを帯びた鮮やかな赤のことだ。
夕暮れ時の空の色に似ている。
「玉虫色」ではなく「バーミリオン」な感情が今の私の胸にはある。

なんだか上手くいかないようなことが起こる。大したことではないけれど、少し溜息をつきたくなる。
そんなこともたまにはある。

今の私の気持ちはバーミリオンです。
それでいいのです。


早くお花見したい






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