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星屑の恋文

27年生きてきて、一度だけラブレターを書いたことがある。
自分で言うのも何だけど、私は言葉を綴るのが得意だ。
それでも、ラブレターというものを紡ぐのには、とてつもなく時間がかかった。

どんな言葉も、自分の恋心には似合わない気がするし、文章を書けば書く程、堅苦しくて重たいラブレターになってしまう。
何よりも、書きたくて書いているはずなのに、恥ずかしくて仕方がない。何度も破りたくなる衝動を抑える。

途中で、こんな文章送るより、「好きです!」と大きな声で伝える方が遥かに良いのではないかと思った。

でも結局、書く手は止められず、完成した恋文はお気に入りの封筒へ入れた。
濃紺色の夜空に浮かぶ星々の封筒だ。

そして、私はその恋文を押入れの奥深くに仕舞った。
それがいいと思った。

なんだか自分に酔いしれているような気がしてならないけど、そうでもしなきゃ自分の気持ちを整理できない時もある。

あの時の恋の煌めきは、夜空に成仏されて今も輝いているのだと思っておこう。合掌。

森見登美彦の「恋文の技術」めっちゃ面白いよ。


最近の趣味は、ダンボールの真ん中に挟まることです。


2024.4/6

つくづく自分って捻くれ者だなぁと思う。
川沿いに並んだ桜を見て、綺麗だなぁと素直に感動できないのだ。
あぁ、今年も元気に咲いているな。ぐらいだ。 

例えばだけども。
ぶらぶらと散歩して、ふと、入ったことのない横道に入るとする。そこは少し狭く薄暗くて、飲食店の換気扇から油っこい匂いの漂うような小道だ。雑居ビルの間のような。

もしかして、ここって私道かしら?誰かに怒られたらどうしよう、なんて不安に思いながら足を進める。
あぁやっぱり引き返そうかなんて考えていたら、急に目の前が明るく開ける。

私は目の前の光景に息を呑む。

桜だ。しかも満開の。

薄暗い小道の先には、開けた広場のような場所があり、そこで、一本だけ儚くも美しく桜が咲いていたのである。

私は思わず呟いた。
「なんて美しいのだろう」

、、、みたいな、一連の展開があればめちゃくちゃ感動すると思う。要は、私は贅沢者なのだと思う。
どうしてもドラマを望んでしまう。

しかも、これを書いていて気がついたが、別に薄暗い小道の先にあるのが、桜ではない何かでも感動できそうだ。

、、、例えば狸とか。


、、ぶらぶらと散歩して、ふと、入ったことのない横道に入るとする。そこは少し狭く薄暗くて、飲食店の換気扇から油っこい匂いの漂うような小道だ。雑居ビルの間のような。

もしかして、ここって私道かしら?誰かに怒られたらどうしよう、なんて不安に思いながら足を進める。
あぁやっぱり引き返そうかなんて考えていたら、急に目の前が明るく開ける。

私は目の前の光景に息を呑む。

狸だ。しかもまるまる太った。

薄暗い小道の先には、開けた広場のような場所があり、そこには、1匹だけ小さくもまるまる太った狸が堂々と座っていたのである。

私は思わず呟いた。
「なんて可愛いのだろう」

、、、やっぱり狸でも私は感動できそうだ。


結局何の話しがしたいのかわからなくなってきましたけど、

まぁ、要はアレです。
桜って素敵ですよね、春っていいですよね、色々な物事になんだかトキめいちゃって、そわそわしちゃって。
世界に恋したくなりますよねって話です。




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