高校野球観戦記2023~秋季宮城大会 仙台育英vs東北

9/18
秋季宮城大会2回戦
仙台育英vs東北
仙台市民野球場
晴れ(酷暑・・)

投手
仙台育英:武藤ー山元ー佐々木広
東北:進藤ー小倉ー川原ー林
本塁打:湯浅(仙台育英)


【戦前】

 秋季大会2回戦、にしてはもったいなさすぎる、どちらかがこの試合でセンバツの道が閉ざされる一戦。会場には多くの観客が詰めかけました。周囲の方の会話を聞くと、NHKも来てたみたいな。。(ちなみに2試合目はほとんどの方が帰宅されていました・・)
 8/27に両校は地区予選で対戦しており、そこでは仙台育英が8-3で勝利しています。


 リベンジに燃える東北、新チームの準備期間に不安のある仙台育英、試合前の動きを見る限り、野手陣の個人の能力では大きな差はあるように思えず、がっぷり4つの試合になると思われます

球歴.com 仙台育英vs東北の出場選手

【試合後の感想】

 点数以上に仙台育英が危なげなく勝利した試合になりました。
 
 一方で、戦力としてはそこまで大きく差はなく、野手陣のバットの振りを見るとそこまで大きく差があるようには見えませんでしたし、投手陣はやや仙台育英に分があるようには見えましたが、東北投手陣も中盤以降は粘っていましたし、守備に関しては特に送球面やベースカバー等の細かい連携面は両校ともにまだまだ不安定な状態でした。

 差だと感じた部分を上げるとすれば、仙台育英の方が「チーム」として機能していた点。ベンチワーク、そしてそれを遂行できる試合慣れの部分でしょうか。初回、仙台育英はひっかけるゴロが多かったですが、2回以降はほぼ全打者が詰まってもいいから逆方向の意識が見え、時にはエンドランも絡めて早いタイミングで進藤投手を攻略しました。結果的にはとどめは湯浅選手の一発でしたが、おそらくベンチからの指示や情報伝達があり、全選手が徹底できていたと感じます。個人の能力では前チームには及ばないのかもしれませんが、非常に野球脳が高く、ベンチワークも優れますので試合巧者ぶりを発揮して、全国でも上位進出を狙えるチームだと思います。
 
 対して東北はスイングの鋭さこそ差はなかったですが、基本的には個人の能力に頼って打つだけ、の印象でした。ただ投手陣は4回以降継投で0点に抑えていましたし、打線も終盤に少しずつつなぐ意識が見られましたので、チームとして機能してくれば一冬超えて甲子園が十分狙えると思います。選手交代も激しく、捕手や遊撃手も途中交代していましたので、春先にはメンバーがごそっと入れ替わっているかもしれません

 とてーーも暑かったです。秋は日程も比較的余裕があるため1枚の強力エースでも勝ち上がれるのがこれまででしたが、これだけ暑いと中々1枚で1試合を乗り切るのも難しいかもしれません。足が攣る選手も何人か見られました。

 実は秋季大会を卒業後に見たのは初めてで、思う所が色々ありました。「秋は投手有利!」というのは知っていましたが、その意味がちょっとだけ深く感じた部分があるためそれは別途書きたいと思います

【試合経過】

【前半】

 仙台育英は夏の甲子園でも登板した武藤投手(背番号10)が先発、東北はエース進藤投手が先発します。
 
 初回は両者とも無得点、仙台育英はひっかけ気味、東北は詰まらされる場面が目立ちます
 
 2回、仙台育英は明らかに各打者が逆方向を意識した打撃になります。ヒットとエンドランで1アウト13塁とすると、1塁走者が盗塁の際の暴投で先制、その後さらに逆方向にヒットがでて2点を先制します。先制後も盗塁を果敢に仕掛けますが、3盗が2つ刺されチャンスを逸します。ただ不安定な東北守備陣のスローイングや連携を加味した仕掛けか、逆方向狙いも合わせベンチの意図が強く見えました
 
 続く3回、仙台育英はエラー、ヒットからチャンスを作ると4番仮キャプテンの湯浅選手が一発を放ち、リードを5点に広げます
 
 正直この時点では東北は武藤投手を全く攻められておらず、流れ的にはコールドもあるかなという印象でしたが、4回から小倉投手にスイッチ、キャッチャーも長谷川選手に交代し、ここから計3投手の継投で粘りを見せました。

【後半】

 7回、東北はヒット2本とフォアボールで1アウト満塁とします。
育英武藤投手はさすがにこの酷暑で疲れたか、ここで山元投手(1年)にスイッチします。東北はショートゴロの間に1点を返しますが、後続を山元投手が最速144kmの直球を武器に絶ちます

 8回、東北はエラーの間に1点を更に返しますが反撃もここまで。最後は仙台育英エース佐々木投手が3人で締めて試合終了。

終わり

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