ふざけだした血管
覆面の風景を
必死になって
遁走してゆく
おれの姿
午前3時
濃霧に頭を殴られ
血を垂らす
よろめいて
発育不完全な
夜の街を
彷徨うのだ
笑いも聞こえず
不確かな実在が
染色された
風景のなかで
駝鳥のように
声をあげる
午前3時

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