戦コン出身者の私が気付いた、コンサルとテック系スタートアップの本質的な違い -BCG⇒アダコテックに転職してからの3か月の振り返り-

こんにちは、アダコテックの君塚です。今年の8月に戦略コンサルティングファームのBCGから製造業×AIを掲げるアダコテックに転職しました。コンサルにお勤めの方でスタートアップへの転職を考えている方もいらっしゃるかと思うので、そんな方の参考になればと思い、入社から今までの振り返りをしつつ、これまでに私が気づいたことをまとめてみたいと思います。

自己紹介

大学院卒業後、AGCで生産技術を4年⇒BCGでコンサルタントを4年半⇒アダコテックといった経歴を辿ってきた人間です。詳しくはこちらの記事で入社エントリー等も書いているので気になる方がいれば見てみて下さい。


入社前の心境

BCGでは、元々が自動車ガラスの生産技術出身だったこともあって、製造業や物流業のクライアントの全社改革ケース(中でも業務プロセス・組織改革モジュール)をよく担当していました。そのため、VC経由でアダコテックを紹介された時は、「製造業のオペレーションを改革する」というテーマ自体に強い親近感を覚えました。

一方で、AIやSaaSといった技術的要素に関わるバックグラウンドがないことや、転職活動を行う中でたまに耳にした、「コンサルスキルはスタートアップでは通用しない」説を思い出しては、やや不安になったりもしていました。現にアダコテックに過去在籍していたコンサル出身者も、様々な「通用しなさ」をしたためており、不安と期待が入り混じった心境で入社日を迎えました。

入社後の働き方

入社後は事業開発として、注力市場の選定であったり、3カ年計画の数字を作ったり、効率化のために業務フローを書き直したり、お客さんへの提案資料を携えて商談に臨んだりと、慌ただしく日々が過ぎていきました。、、、
あれ?コンサル時代とやっていることあんま変わらなくね?はい、少なくとも表面的な業務内容だけで見れば全く変わりませんでした。

先にも出てきた「コンサルスキルはスタートアップでは通用しない」という言説は何だったのでしょうか、、。これと裏腹に私があまりスタイルを変えずに働けた背景はいくつかあると思いますが、一つ挙げるとすれば会社が更なる成長に向けて大きく生まれ変わろうとしている局面にあった、ということではないかと思われます。

アダコテックは既存メンバーの血の滲む努力の結果、きちんと世に出せる形のプロダクトと、処理が追い付かないくらいの大量のリードを獲得するに至っていました。一方でプロダクトのレベルはというと、我々が追い求めている「製造業のコアとなる業務に刺さるプロダクト」に到達しているとは言い難く、その先のN倍化への道筋や、それらを実現するための仕組みづくりはまだまだこれから、という状況でした。(詳しくは↓の記事をご参照)

そしてこの状況は、規模は違えども正に私が前職で担当していた「全社改革」そのものでした。スタートアップと一口に言っても色々なフェーズの会社があるので、たまたまこのタイミングでジョインして自分の経験をレバレッジできたのは非常にラッキーでした。

もやもやした思い

ただ一方で、「こんなに業態が違う会社に来たんだから、本来は働き方が変わっていないのはマズイことなのでは、、?」というもやもやした思いも抱えていました。そしてそれを裏打ちするように、培ったスキルを駆使して市場分析をしたり、商談の中での顧客課題の解像度を高めようとしても、「会社が向かうべき道が見えてくる気がしないな、、」と感じていました。その理由についてもおそらくは色々あって、もちろん私の”コンサルスキル”の不十分さもあったのだと思いますが、最近社内で議論している中で、その要因たる”前職との本質的な違い”に気づくことができました。次章でこれについて説明します。

気付き -アダコテックと戦略コンサルの本質的な違い-

”入社後の働き方"の章で書いたように、今まで培ったスキルをレバレッジして、思いっきり「コンフォートゾーン」に浸っていた私は、多少、自社プロダクトを実際に触ってみたりはしたものの、具体的な原理や背景知識のインプットにはあまり時間を割いていませんでした。自分の領分はあくまでもビジネスの部分であり、そこでみつけたお客さんの課題をぶつければあとはエンジニアが何とかしてくれるだろうと心のどこかで考えていたのです。

しかしアダコテックは、自社固有の技術を軸としたプロダクトを提供して、顧客のビジネスプロセスを改善することで価値を提供しようとする会社です。この辺りの詳細な考え方についても、先に出した弊社の村井と大曽根の対談記事をご参照頂けると幸いなのですが、ここでは「自社固有の技術を軸としたプロダクトを提供して」というところに注目したいと思います。

一般的にコンサルケースでお客さんの課題を解きに行こうとする場合、当たり前のように「クライアントの課題の深堀」からスタートして、具体的な解決策(=How)を次に考える、という順序になると思います。この考え方はどちらかといえば受託開発に近いものですが、アダコテックが(少なくとも今)目指すのはそれではなく、あくまでも自社のプロダクトによる価値提供に拘って勝負していきたいと考えています。

その場合、お客さんの課題の深堀と合わせて「自社プロダクトの強みとは何なのか?それによって提供できる価値とは何なのか?どう実現するのか?」も同時並行で考えていかないと、いつまでも自社固有のプロダクトを作ることができませんし、PMFも実現できなければ、結果として会社が向かう方向性も見えてきません。「そんなのはエンジニアに任せればよいのでは?」という声も聞こえてきそうですが、あくまでも考えないといけないのは「市場で通用する自社技術の強み・提供価値」であり、そのためにはビジネス面と技術面の双方に対する深い理解が求められます。従ってこの議論にはBizdev側も主体的に参加する必要がありますし、まさにそれこそがプロダクトを作る会社での「事業開発」である、とも感じています。

幸いにしてアダコテックにはビジネス・技術の両方に明るい経営層がそろい踏みなので、この辺りは機会を求めればいくらでも学び、実践する環境が揃っていました。なので最近では、技術的背景の学習に時間を割いたり、プロダクト開発ロードマップの議論に積極的に参加したりと、意識的に行動を変えるようにしています。まだまだ「わかる」段階で、「できる」には程遠い状況ですが、少しずつ努力していきたいと思っています。

まとめとメッセージ

如何だったでしょうか?スタートアップと一口に言っても色々な業態、フェーズの会社がありますので、私の働き方であったり気づきといった部分が必ずしも当てはまらないケースもあるはずです。ただ、アダコテックは、コンサル的なスキルをレバレッジしつつ、「プロダクトを軸とした事業開発」という新たな要素をチャレンジできるという意味で、結構稀有な環境であるとは言えると思っています。

特に「コンサルスキルのレバレッジ」という観点では、先にも記載したように現在は会社が変曲点にあるため、こうしたファジーな環境下において「論点把握力」や「物事を構造化してとらえる能力」は大いに役に立つと思います。ケース初日に提示されたスコープと大論点を信じて動いていたら、「論点は変わる」の原理原則のもとアウトプットが全て吹き飛んだり、一生懸命クライアントから聞いたことをそのまま書いてマネージャーに持っていったら、「何がポイントかわからない。もっとちゃんと構造的に書いて」とさんざん詰め倒された経験をお持ちで、それを乗り越えて来た方なら遺憾なく能力を発揮頂けると思います(笑)
また、専門性と豊富なビジネス経験を兼ね備えたメンバーも多く、自分のエキスパティーズ的に足りない部分があると思えばすぐに誰かに聞きに行くことができますし、足元の実務的な内容から目指す方向性のような抽象度の高い内容まで、さまざまな視点を行き来しながらディスカッションをすることができるのも、非常に働きやすい環境といえるのではないかと考えています。

もしこうした環境で働くことに興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非ともジョインをご検討頂きたく思っております。現在、Bizdev兼セールスも募集中しておりますので、もし興味をお持ちの方がいらっしゃいましたらご連絡ください!まずはお話しましょう!


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