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第5号

 前回から月日が経って今は三月。三月初めの夜空は物凄く濁っていて、蒸したタバコの煙も直ぐどこかへいなくなってしまうほどに暗らい。

 大学も終わり、今は春休みだが僕は対してやる事もなく、バイトと就活の準備を人並み以下にしている。しかし、夜になると嫌な事を考えることが多くて困る。疎外感や悲観的になりやすい。その為、明日の朝からバイトなのだが寝れそうにない。自分でもくだらないとは分かっているのだが、どうも僕の性格的に考えなくては気が済まないらしい、答えなど出ないのは分かってはいる。就活もバイトもとりあえず何かやっておかないと周りに何を思われるかわからないからというのが本音である。でも、夜はそんな気持ちを素直に考える事ができるのが良いところでもある。正直、昼にこんなことを考えてしまうと、頭がどうにかなってしまう。とくに人が多くいるところで考えでもした日には自分が持たない。多分、自分は孤独で悲しいのが本心なのだろう。それを人に出すことは愚か、考えることでさえも恥と感じてしまう。そんなことを包み込んでくれるようなお姉さんが隣にいてくれと、くだらない事を考えていた、三月初めの夜。

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