短編小説 怪獣の街1話

午前5時の早朝、JRで海沿いからぐるっとあちらから見たら地平線である奇跡の大陸を廻り
4時間かけて通信制高校へ通うのだ。
朝6時というのは一つの始まりのようでどこか違和感がある。
私の心は拒まれることが怖くてわざと拒み布団にうつ伏せして寝るフリの未成年のように
または深い青に沈む抉られた魚の残骸のように
未熟だ。
だからこそ、胎児がまだ生まれる前の鼓動に期待する。
その心を午前5時と呼ぶ。
その静寂の中、点滅して電車が来るのを見逃すわけには行かない。
これが人間の生業というもの。
仕方なく諦めて、仕方なく祈って
仕方なく出逢う午後が走馬灯のようにこれから始まる。
銀河の都会から離された田舎の地球(ほし)で
線路の脇の草木やすみれに宿った水滴は
太陽のおやすみに宇宙へ還り
イリュージョンのように窓が水濡で窓が曇っては、
揺らぎながらそこに見えた自分を確かに見つめることはできなくて
それが鏡の中の君だったと思える現在にて、
四季って無駄に流れてないなと感じた。
駅を降りる。
地面にへばりついたチューイユグガムを避ける。
ぶつかる。
君が目眩のように、季節のように過ぎてしまう星座のように、、
はじめましてにさよならを最初から探した。

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