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  タヒチの星の下 7話BL

       女友達 マーガレットのアドバイス
                   ノンフィクションBL
 
シアトルの雨は秋から始まり5月末ぐらいまで続きます。
雪が降るイメージですが滅多に降りません。緑が多くて、夏はその雨のおかげで緑が豊かで、美しい風景が広がるエメラルド・シティと愛称が付けられています。

でもボクは雨が大好きです。星の見える機会が少ないのですが夏になるまで待ち遠しいのです。同じ大学のマーガレットとはよく校内で会いお互いの近況など話したりランチなど一緒にすることがあります。トムとマーガレットにはタヒチへの計画を話してもいいとタオが言ってたので彼女には、真っ先に伝えました。時間をみてメールするとすぐに携帯へ返信が届いてランチをすることになり~

-------マーガレット調子はどう?少し話したことがあるんだ。もし空いてる                                                                        時間があったら教えて?--------

------トニーメールありがとう。あたしは元気よ。
あたしもトニーに紹介したい人がいるからランチでもどうかなって思ってた                                     ところ。今日いつものところで待ってるわね-----


待ち合わせ時間より15分ほど遅れて到着したボクはサラダとハンバーガーを買い回りを探すと一番景色のいい場所に陣取るマーガレットの姿を見つけました。隣にはイケメンの男性がいて何やら話込んでいました。「マーガレット!遅れてゴメン。レポートの提出とかあって遅れちゃった」
「平気よ。こっちもさっき着いたばかり」マーガレットとハグとチークキスをした。横で立っている青年はニコニコしながら聞いていた。
「紹介するね。あたしのボーイフレンド。アーノルド」「こちらはトニーよ日本から留学してるの」「アーノルドよろしく!」「やぁトニーよろしく!アニーと呼んでくれ」握手を交わしアニーは、マーガレットの椅子を座りやすいように入れてあげるのを見て、紳士的だなーと思った。

「会いそうで会わなかったよね。トニーの顔見れて嬉しいわ」
「そうだねマーガレット、君なんか見ないうちに美しくなってるね」
「そお?ありがとう!」「声をかけた日から君は変わらずかわいいよ」
すかさずアニーが言った。アニーにマーガレットはキスした。
「トニーはどうなの?」「順調すぎて夢の中にいるみたいだよ」「あなたの顔みると何かあったのね。顔に書いてるのが分かる」「ああそうなんだけど、ザワザワしてて、どう説明していいのか分かんないよ」「あたしにできることがあったら相談にのるよ」
「ありがとうマーガレット」それからタオの言ったことを長々と話すと~

「わかるー!そうだよねえ。彼氏の実家の家族に会いに行くって勇気も必要だし、まして・・・かもしれないって思えばドキドキするよ。このあたしだって同じ状況だったら何を着て行こうが先だけどフフフッ。エステ行ってとかね・・・少しでも印象がいいように努力するもん」「それだけタオはトニーを愛してるってことじゃない?」「そうなんだけど、その為にあんだけ仕事して旅費を捻出させてるってのが悪くてね」「タオが決めてやってるんだからトニーは甘えればいいんじゃないの?」「トニーもとうとうアダルトデビューになるのね。愛し合う2人にはロマンスな関係も必要だよ。お互い確かめ合うっていうかね」「でも怖いんだ」「なにがーあ?初めてだから?」「それもあるけど、飽きて捨てられたらどうしようって」「タオに限らずマンネリ化になるのは誰でもあると思うよ。でもタオの性格上あたしは、そんなこと無いって思うんだよね。浮気現場でもみたの?」「ないない」「もしアニーが、そういうことをしたら、許すのは1回だけ。罰金制度導入かな」
「あはは。なんだよそれマーガレット!俺はしないよ好きなのは君だけだ」


「トニー。こう考えてごらんよ。あなたに魅力が無いってことじゃなくて、仮によ?あくまでも仮の話しね。浮気して~誰かと関係をもったタオが深く後悔して自分にはやっぱりトニーしかないって思わせる絶好のチャンスじゃない?」「たしかにタオはセクシーだし、ハンサムだからモテルのも知ってる。あたし、随分前にタオに告ったことがあんのよ。でも恋愛には興味ない!ってハッキリと断られたの。あはは。懐かしいわ」「人を好きになるとか愛するとか結構エネルギー使うらしいよ」アニーはバーカーを食べながら言った。今は、いろいろ余計なこと考えずにタヒチを楽しんできなよ。
マーガレットの視線は向こうにあって鼻で合図する。
向こうの女子テーブル見てよアレ。あれは、男探ししてる顔ね。絶対そう&%#?&(汚い言葉)なんだから、ああーは、なりたくないよね」「どのくらいの予定なの?」「7月の夏休みを使っての予定してだから2週間ぐらいかな」「トニーアルバイトしてないのよね?」「うん。そうなんだウチの父が厳しくてクレカで買い物も現金も管理されてるんだ。行動がバレバレ。タヒチに行ったら直ぐわかるな。」「自由に使えてラッキーじゃない。」「うん。集中して勉強できるし助かってる」




「何か飲み物お代わりは?」アニーがいうと「あたし甘い物とアイスティーノンシュガーお願い。トニーは?」「ボクはまだあるからいいよありがとう」「OKわかった」「それにしてもトニーの英語上達したよね。まったく違和感ないもん。ネイティブだよ」「みんなのお陰だよ」「アニーって優しいよね。君が嬉しそうにしてるからボクも嬉しいよ」
「あたし、彼の家族にはまだ会ってないけど、誘われてんのよ・・・」
「よかったじゃん。」「彼の親は厳しいらしいって特にダディーの方が・・
凄いんだって聞いてるけどね・・・勇気がないのよね」

「そうなんだ。ボクら置かれてる状況が似てるね」「そうね。ある意味似てるかもね。」ボクの手をマーガレットは握り「ねっ!まだ1か月以上あるんだからあんまり考え込まずにリラックスだよトニー!いい?初体験なんて始まる前は緊張するけど、はじまったらタオに任せておけば、時間なんてあっという間に終わっちゃうって!素敵な思い出に変化するものなのよ」
「あ。そうだ!下着はセクシーな物にしなさいよ!あたしが選んであげる」
「え?ありがとう。その時は頼むね」下着大事なの?と思いつつ相談して
良かったナイスアドバイス!と思いました。

「お待たせ~レディズ」アニーがトレーを抱えて戻ってきた。
「トニーにはクッキーを少し買って来た。持って帰れるしね」
「ありがとうアニー」「話しが弾んでいるみたいだね」
「そうなの。秘密のレディーストークねぇ~」言いながらボクの顔を見た
マーガレットは、けらけら笑いアニーにキスをした。

こまめにテーブルの上をかたずけながらマーガレットの前にケーキやアイスティーをアニーは置いている。真ん中にクッキーも置かれた。
「俺は日本には行ったことないけどアニメとかポキモン?とスシぐらいしか知らないな」「あ。あ。ポキモンじゃなくてポケモンだね」「日本語難しいよな」「そうかもねぇ漢字、ひらがな、カタカナ、それから外来語とか説明は難しいけど丁寧語や尊敬語、謙譲語といって、自分をへりくだっていう言葉とかあるから、これは相手によって使い方を変えるの、難しくはないけど、そういう習慣があんの」「日本人でも使い方を知らない人は多いはずだよ」「へぇ~そうなんだ」

日本文化は、世界でも高く評価されてて、折り紙なんか綺麗だよ」
「オリ・ガミ?」「そう。紙を折ってものを作るんだペーバークラフト」「例えば、こういうの」そう言ってペーパーナプキンで鶴を折ってみせた。

「ワーオ。スゲー!」「これは日本人なら小さいキッズでも折れるポピュラーなものなんだよ」「マーガレットの手にのせてあげた。「魔法使いみたいだ!」2人とも食い入るように見ていた。「折鶴っていうんだけど、1つの折鶴に意味があって成功・勝利・健康・願い・平和とかあるんだ」1000個の折鶴があれば1つより1000個の願いや思いが込められているという意味になって素晴らしいんだ」「ワーオ奥が深いね」「あたしにも作り方教えて?今度」「あ。あ。いいよ。もちろん」「トニーがミステリアスな人に見えてしまう。俺だけ?そうみえるのは?話し方といい。指先の器用さといい。スゲーなって」「覚えてしまえば簡単なことだよ。ボクだけが特別じゃない」「あたしもトニーの言葉が上達したのは、凄いと思う。」「あ。それ!何気に話してるけど今、俺も気づいた」「みんなのお陰なんだよ」



「時々、タオはフランス語を混ぜて話すから困る・・・チンプンカンプンだよ」「そう。そうなのよ。あはは・・・」「本人は意識してないんじゃないの?彼の話す会話にはフランス語の訛りとかはないんだけど、突然くるからね。アレは」「今ね。タヒチに行くのにタヒチ語の勉強してるんだ。最低限の単語ね」「タオに教えてもらってるの?」「そう」「挨拶とありがとうぐらいは、されると嬉しいもんね」「俺もマーガレットに今日の下着の色なに?!の日本語教えてほしいな」「アニー!もう・・・バッカじゃなの!」指で中指を立てた「いいよ。今度ね」3人で笑い合った。
窓の外の小雨はボクらの笑い声を消すように降りつづいている。 
          
                               つづく