優しくありたい

優しくあろうとするのは、おれが困ってるとき声をかけてほしかったから。

雨の日に、車で職場から帰っていると車椅子に乗ったおばちゃんが膝に荷物乗せてずぶ濡れで移動していた。少し迷ったがUターンして声をかけてみた。

送ろうかと言ったが「家もうすぐそこだから」と固くなに断られた。まあそうゆうならと、気をつけねと言って車に戻ろうとしたらおばちゃんが「声かけてくれてありがとう」と言った。それが嬉しかった。

昔、フジロックで100均の雨合羽で泥だらけになり疲れて木の下で俯いて座り込んでいた。そしたら目の前にきた人が「フジロック初めて?」と声をかけてきた。その人は山登り用のレインウェアでフル装備な感じだった。

「そおっすね」と半笑いで返した記憶がある。そのあと一言二言話した気がするが覚えてない。でもフジロックの1番の思い出はそのちょっとした会話だ。別になにをしてくれたわけじゃない。ただ声かけてくれただけだ。それが印象に残ってる。
困ってたから嬉しかったんだろう声かけてくれただけで。

そしてこないだの深夜の雨の日、車でセブンに寄ってジュース買って飲んでたら、雨に濡れながら女性が歩いていた。車に傘あったので声かけようか迷った。そんな強めの雨じゃないし、セブンで傘買わないってことは家近いのかもとか、深夜に声かけられたら怖いかもとか考えながら結局声かけなかった。ようはビビったんだろう。情けない。

あとになって動けなかった後悔を何度繰り返してきた。何も考えずに声だけでもスッとかけられる人間になりたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?