「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一
生命とは何か? ー それは自己複製を行うシステムである。(本文より引用)
この発見は、二十世紀を象徴する画期的なモノであっただけでなく、その後の生命科学の発展を劇的に推し進める起爆剤となった。発見者は、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックである。彼らはDNAの二重螺旋構造を解明することによって、この発見に至った。彼らの貢献が分子生物学という新たな分野を誕生させたのだが、それと同時に、ある非常に大きな疑問を生み出した。
「自己複製をする系」を生命と定義づけるならば、ウ