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もう二度と会えない

別に、恋愛のことじゃない。友情のことでもない。昔の知り合いが、かなり前に亡くなっていたことを最近聞いた。その人は私よりかなり年上で、私が18歳の頃、時間がいくらあっても足りない感覚を言うと、それは贅沢なことを言ってるよとその人は言った。 

その時に、贅沢だと思う彼の気持ちを聞けば良かったけど、何年も何年も、どうしてあの時贅沢だと言ったんだろうという疑問がずっとあって、いつかまた会えたら必ず聞こうと思っていた矢先のことで、共通の知り合いに聞いたら、かなり前に亡くなったと聞いた。

ものすごくショックだった。
人生について、長生きだから幸せ、短命だから不幸という気持ちは決して持ってないけど、知り合いというくらいの人で、数える程しかない思い出も、私という人間に対して、きちんと誠実に話をしてくれたり、電話で共有事項を話さないといけなかったりと、いくつかある思い出の中のお兄さんはいつも私が年下だからと言う事もなく、ひとりの人間として私を扱ってくれた。

身体がこの世にないということは、当然ながらこの世界で二度と会えない。
 
20年も前のことについて、誰しも覚えていることは少ないだろうけど、もしなんとなくでも覚えていたら、ニュアンスだけでも未だに聞けると思っていたのに。何年も何年も…  

どういう気持ちで、時間が足りないなんて贅沢な考えだと言ったんだろう。永遠の謎になってしまった。

私が寿命を迎えたら、そのお兄さんに会えると信じるしかないなぁ。

だけど、突然に、もうかなり前に亡くなられたよと聞いた時のショックはとてもとても大きいことだった。

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