ISTPの僕がクソみたいな彼氏だった時の話

2年前に同棲していた彼女と別れた。初めての恋人だったが、別れた直後は、それはもうせいせいとして、抑圧からの開放を感じた。後悔はまったくない。

けど今になって、自分がどんなに身勝手に腹を立てていたのか考え直してみたので、垂れ流す。

相手の性格タイプは聞いてないし、たぶんあの子はあのタイプかな? なんて分析をできるような人間でもないから書かない。

■相談と愚痴の区別がつかなかった

彼女は仕事でもプライベートでも、僕に悩みを話してくれなかった。同棲前の頃、連絡がつかない日が続いたかと思えば、「気の合う先輩の前でわんわん泣いて、スッキリしたから解決した。」といきなり連絡が復活することがあった。

こちらは悩んでいることすら知らなかったし、その相談を自分にはしてくれなかったことにひどくショックを受けたのを覚えている。

そんなに頼りない人間だと思われているのだろうか?何か僕にだけは話したくない理由があるのだろうか?ずっと考えてみて、僕は「こちらが相談をしないから、向こうもしてくれないのだろう。」という結論に至った。こちらが弱みを見せれば、人間は誰しも自分の悩みを開示するだろうと信じていたからだ。そうして僕は、彼女と合うときは、時折自分の最近の困り事や悩み事を意識的に話すように心がけた。

だがある日、彼女が急に怒り出したことがあった。なんと彼女は、「自分だって辛いのに、あなたの愚痴なんか聞きたくない。しばらく会いたくない。」と言ってきた。意味が分からなかった。

彼女からすると、自分の悩みは聞きたくないし、自分には悩みを言いたくない、ということになる。それは友人以下ではないか?親しい人であればあるほど、相手の悩みは自分の悩みであり、その解決に当たりたいと思うのが当然ではないだろうか?

結局この喧嘩(正直自分からすると喧嘩だとも思っていない。一方的な拒絶だった。)は、時間が解決してくれた。今思うと、このことを適当に流さずに、ちゃんと相手の真意や自分の考えを話せていたら、別れてなかったかもしれない。後悔しているわけではない。

ごく稀にだが、彼女が自分に悩みを話してくれることもあるにはあった。自分にはそれがどうしようもなく嬉しくて、「その問題を解決するのを阻害しているのは何だと思う?」「問題を解決する方法がわからないの?方法はわかっているけど、それを為すための時間やお金や能力が足りないの?」「方法が明らかなら、きっかけを探しているだけなの?」と、とにかく問題を解決してあげたくて、質問を浴びせかけていた。

だが彼女は「なんで私が相談してるみたいになってるの?」なんて言うので、その時もかなり困惑したのを覚えている。

■勝手に行動を合わせようとして、勝手に苛ついていた

共通の友人を家に読んで食事をする機会があった。彼女は張り切って家の飾り付けをしようと、100円ショップとかで売っている飾り付けのパーティーグッズを、窓の縁やら机やら、とにかくそこら中に飾り始めていた。

僕にはそれが、なんとなくゴチャゴチャしてて、汚いとまでは言わないが、人を迎えるのには乱雑な印象を持った。

断っておくが、別にこのあたりの好みはMBTIとか性格傾向は関係ないと思う。静かな夜の住宅街を歩くとき、「なんか不気味だな。」と思うのか、「実家でも雪が積もる頃はこんなふうに静かだったな。懐かしいな。」と思うのかは性格によらないのと同じだ。その人の生まれ育ちに起因すると思う。

だが、彼女のやりたいことだし、止めるのも手伝わないのも角が立つなと思って、我慢しながらも飾り付けをしていた。不機嫌さは出さないようにしていたが、きっと彼女にはバレていたと思う。勝手に手伝って勝手に苛ついているのだから、救いようのないクズである。

具体例は他に浮かばないが、彼女のやりたいことならと思って、理由を聞かずに付き合おうと無理をし続けていたのが同棲中の一番のストレスだった。

なぜ理由を聞いたり、彼女がなぜそうしたいのかを知ろうともしなかったのか振り返ってみると、「聞いたところで納得なんてできるはずもない」からだ。

人の行動を決めるのは、大きく分けて2つの段階があると考えている。たとえば、あなたが誰かにお願いごとをしたのに、相手がそれをやってくれていなかったことがわかったとする。

第1段階 推測、解釈

なぜ相手は頼み事をやってくれなかったのだろう。忙しかったのかもしれない。やる気がなかったのかもしれない。悪気なくすっぱり忘れられてしまってたのかもしれない。

これを「きっとこの人は忙しかったのだろう」と、自分の中で正しいと思う解釈を選び当てはめるのが第一段階だ。重要なのは、これがあくまでも"自分にとって"正しいと思う解釈であるということだ。相手が「忙しかった」といっても、それを信じるか信じないかは、自分次第だ。

第2段階 理解、反応

仮に忙しかったのだろうと自分なりに解釈をしたとして、「なら仕方ないよ。許すよ。」と思うのか、「忙しかったとしても連絡の一つくらい寄越さないわけ?」と思うのかが、この段階だ。感情を決める段階と言ってもいい。
残念なことに、第1段階の推測自体が正しいのかどうかも分からないので、相手に対して感情的になったり、反対に共感することはとても難易度が高い。というより、相手のことを解釈することすら難しいのに、ましてや理解しようだなんておこがましいとさえ思っている。

この章の話題に戻ると、結局彼女がなぜそんなことをしたいのか疑問に持っても、それを自分が理解することは不可能なので、聞かずに付き合うことにしていたのだ。

今は分かるが、人の感覚への理解をゼロイチで捉えることが間違いだ。100パーセントの共感を目指せないならゼロパーセントでいい、なんて暴論を自分が持っていたので、結果的に自分の行動を意味もなく制限し、勝手に疲弊していたのだ。

■おわりに

書き終えて、読み返して思うのは、「この性格治すのムリじゃね?」である。つらい。
こんな自分は一生恋人を作らないほうがいいのだろうか。いいんだろうな相手のために。でも自分勝手なので、一人で死にたくないという理由から人並みに結婚願望はある。子供も好きだし。

どうすれば治せるのだろうか。。。

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