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不思議な信号機

こんな信号機を見かけた

この信号機、不思議じゃないですか?

これを見かけたとき「防災対応型」というのが何なのかは知りませんでしたが、「たぶん有事の際に何か交通整理ができるとか、そんな機能を備えた信号なんだろうなぁ…」 というのは想像がつきます。

でも、何が不思議かって、「この信号機は防災対応の信号機なんですよ」っていう事を、わざわざ通行者や車からも認知できるようにしていることです。

似たように表示がついている信号機としては、「押しボタン式」「時差式信号」「歩行者・自転車専用」などが挙がるでしょうか。どれも利用者へ注意を促す意味で、この表示板がついている意味は納得できます。

「防災対応型の信号ですよ」というのを管理しておきたいだけなら、作業員が分かるようにちっちゃく(防災対応型)て書いておけばいいだけだし、何か別に、安くない費用をかけて表示として付けておく意味が存在するはず。

つまり、「有事の際、防災対応型の信号機の下を通る通行人が、知っておかないと困ること」があって、それを通行人へ明示するためにこういう表示板をわざわざ付けているとしか解釈できなくないですか?

調べてみた

警視庁のページに、「防災対応型」の信号機について説明されたページがありました。

大震災が発生した時の交通規制に対応して都心方向への一般車両の流入を禁止又は抑制する特殊な信号表示機能を備えた信号機です。この信号機には「防災対応型」の表示板が設置されています。

https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/saigai/shinsai_kisei/bosaigatasingo.html

詳しい説明はリンクをたどっていただきたいですが、要するに都心方向への進入を常に赤信号にできる信号機ということでした。

こうなるらしいです(直進が都心方面)

あれ…別に有事であっても赤信号さえ守っていればいいだけだし、やっぱりこの表示いらなくない?

よく似た存在「感応式信号機」

不思議に思いつつ信号機についてググり続けていると、よく似ているなと思う信号機を見つけました。

こいつです

何が似ているのかというと、「利用者からしたら、別にどうやって信号が変わっているのかは、ぶっちゃけどうでもいい」という点です。わざわざ「車両感応式です」なんて、言われようが、言われまいが、利用者のやることは「青信号になるまで待つ」しかないわけですから。

ただ一方で、この車両感応式については、こんな意見がたくさん見受けられます。

いっこだけホラーが混じってる…

確かに感応式の信号がいつまでも反応しないこと、ある気がします。

であれば、いつまでも色が変わらない信号機に出会ったとき、「これ壊れてない?」みたいな不安を通行人に持たせないために、「感応式であること」を明示しているのではないでしょうか?

もっとよく考えてみる

有事の際、例えば震災の際には、もしかしたら大規模な停電があったり、電柱が倒れていることもあるでしょう。

そんなとき、いつまでも矢印が付きっぱなしの信号機があったら、「壊れちゃったのかな?」と思う人がいてもおかしくありません。

この表示は、そんな利用者の不安を払拭するための説明書きとして設置されているのかもしれませんね。
(防災対応型だから矢印が付きっぱなしなんだ!っていう発想に至るかどうかは、正直疑問が残るものの…)

発信すべきメッセージとしなくていいメッセージ

調べる前、この信号機の写真を撮ったときには「意味のない表示つくりやがって」なんてうがった見方をしてしまいましたが、きっと意味の込められた表示なんだと思います。

そして、こういった「一つひとつの情報に発信する意味を込める」発想は、訓練しないと身につかない技術なんじゃないかなと思いました。

最近、やたら大企業が「Chat GPTの導入を開始しました」なんて発表しているニュースを見ます。あの発表を受け取った側は何を思えばいいのでしょうか。正直勝手にやってくれ、と思ってしまいます。

昔務めていた会社の社内システムでは、「このシステムは基盤にXXXを使用しており、高速に検索機能を利用いただけます」なんてメッセージが検索窓の下に出続けていました。あのメッセージを実装した人は、利用者に何を伝えたかったのでしょう。

僕も普段の仕事では、作ったモノのディテールばかりをアピールしたくなる気持ちになりがちで、つい目的を見失うときがあります。

情報を発信するときに、相手が受け取る情報の価値を考えられる人でありたいですね。

(けど、この記事を読んだ人は何か受け取れるのかな…)


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