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ひょうはくされた愛

 君のうなじ、ピンク色の、産毛の絨毯、蟻のたちの行軍、灰の小川が流れる、悠久のハミングが、風に乗って近づいてくる。ル、ル、ル、折り紙の太鼓鳴る、ト、ト、ト、首をはねられるのは、君の恋人たち、喜んで、細い雁首、まな板の上にたむける、彼らも、嬢ちゃんも、Oさんも、IHさんも、工作員も、五右衛門も、はなさかじいさんも、先生も生徒も、拍手喝采雨霰、ぞぞぞ、わたしは、黄金の斧をふりあげ、叫ぶ、おおおおお、「無情かな」

 春の嵐、桜吹雪、うたう、緑の孤独な木々、スマートホフォン震え、ポップアップ通知される、「幸運な、みなさん、ともに、天へと、旅立ちましょう」わたしたちは、小麦で練った菓子を、選ばれた民のため、三十七個に裂き、美しい、メッキの像に祈りをささげる。空気は踊り、冷たい朝が失われた色でまたぞろ、繰り返される。

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