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あらゆるわたしの、春の呼び声

肥溜めにおちたくらい、真面目な性質ゆえ、アルバイトの居酒屋のメニューの暗記表をつくって、もっていってたら、「まじめか」と言われて、そうですわたしは、真面目なんです、とかのやり取りしてるうちに、だんだんと仕事を覚えて、纏わせる煙やたばこの匂いも、なんだか勇者のマントみたいに感じる誇らしさをぶらさげ、帰途。日曜日は、皆さん居酒屋らないみたいで、客足乏しく、早めに上がらせていただき、蒸発して湯気をあげたアスファルトの黒々しさに、春を請う。

家族のことで暗礁に乗り上げていたり、自分の人生のはかなさを、どうに形にしようともがいたり、いろいろな日曜日。

今日は、常連のお客さんに、投げキッスされたんだけど、投げキッスって、なんねんぶりにされたの?
したことはあっただろうか。覚えてないけど、わたしは、たぶん、阿呆だから、他人に投げキッスをしたこともあるかもしれない。

帰り道、一人風邪気味のため、ヨーグルトを、小さなスーパで買う。豆腐とか、生菓子とか。

って、バイトしてるけど、実入りは、そんなないんじゃないのって。ほんとに必要か。

だけど、わたしとしては、いてもまあ、今は年頃だからうるさいだけかもしれないけど、夜不在にして、寂しい思いをさせて、だから、お土産にと思うわけで、ここが厳しい財布の持ち主なら、ひもを、ぎゅうっとしめ、ふんどしなら食い込ませるくらいストイックに扱うものだけど。
あたしは、阿呆だ。


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