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[詩]野獣使い

頭の中から締め出したキオクとも
なんとも言いたくない
どこかで見かけた広告のような
見たくもない映画のワンシーンのような

知り合いなんて認めない
名前も顔も知ってるけど
一生許す気はない
犯人捜しが上手くいくならだけど

すべからく消されるべきだと
わたしが判断したのだから
それでいいでしょ
だったら掘り出そうとするなんてもう
死者への冒涜でしょ
それでも蒸し返そうとするならもう
これは自然災害でしょ

風も雨も空の奥の唸り声も
なにがしたいの
なんの得があるというの

か細い小指が契りを交わした約束が
わたしを守ってくれるんなら
花柄のカードに書かれた
ありきたりな言葉が
わたしを救ってくれるんなら

すべからく消されるべきだと
わたしが判断したのだから
それでいいでしょ
だったら掘り出そうとするなんてもう
死者への冒涜でしょ
それでも蒸し返そうとするならもう
それは宣戦布告でしょ

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