青とオレンジの平行線

7.朝色ブルー
朝早く走る電車は雪の中を朝日が照らす道を走る。
終着駅の北上駅に着く頃には空が真っ青になっていた。
朝の日の出の前の一瞬だけ空が青くなる。
そんな空を見ながら
自分がどんな道を行こうとしているのか。
何に抗おうとしているのか。
そんなことを考えていると社内放送が流れた。
「まもなく上川〜。上川です。」
なんだかんだ言って初めてだ。上川まで来たことなんてそうそうないそうそうない。一人ならなおさら。前に来たのは確か中学3年生の4月。ここに来たらあの日のことを思い出してしまいそうでずっと来れていなかった。寂しいような。悲しいような。
乗り換えまで1時間あった。上川の久しぶりに街の中を歩くのも悪くないと思う。
「おはようございます」
「おはようさん」
地元の空気。こんな時間にこんなところに観光客なんてそうそう来ないだろう。だから完全に勘違いされていた。
「あの、、、ここって」
目の前に現れた古びた商店街を見て体操をしているおじいさんに思わず話しかけた。
「ここはもう10年以上前になぐなってねぇ。
いろんな人ができる限りのことはしでも
そううまくはいがねぇべ」
そう言って写真を見せてくれた。
「ごれが元々のごの商店街。」
見せられた写真にはまだシャッターが閉まっていないこの商店街が写っていた。
「昔はこんな感じだったんですね...。」
対比された2つの写真は昔の自分と今の自分を見ているようだった。
雫の心の中に名前のない寂しさが込み上げてきた。

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