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初めての一人暮らし

私の実家では、7人で一軒家に住んでいました。田舎ということもあって、家は広かったのです。

祖父母が私のことを心配しているのはわかっていましたが、私が帰りが遅いと、次の日に「昨日は何していたの?」とか「早く帰ってきてね」と言われることがよくありました。

毎回のように言われるのが面倒で、家に帰る時間や何をしていたのか聞かれるのが嫌になり、早く一人暮らしをしたいと考えるようになりました。

今回は、そんな私の初めての一人暮らしの体験記をお伝えします。

父親の反対


私は19歳のとき、父親に一人暮らしをしたいと伝えました。しかし、「未成年だから何か問題が起きると大変だ」という理由で、断られてしまいました。とても悔しかったのですが、諦めざるをえませんでした。

月日が流れ、21歳のとき、ようやく一人暮らしをする余裕ができました。私は自分で物件を探しに行き、賃貸会社にも足を運びました。事前に見学希望のアパートと条件をメールで伝えていました。

実際にアパートを見学し、「ここなら一人暮らしができる」と思いました。そのとき、賃貸会社の方に「以前、一人暮らしをしたいと言ったとき、父親に反対されたことがあるので、今回も同じことを言われるかもしれません」と相談しました。

すると、賃貸会社の方は「もし親に反対された場合、保証会社にお金を払えば、保証人として認められますよ」と教えてくれました。

このアドバイスを踏まえて、再度父親に一人暮らしをしたいと話しました。今回も父親は反対しましたが、私は「お金を払って保証会社を使うつもりだけど、保証人にはサインしてくれないの?」と尋ねました。

すると、父親は観念した様子で「わかった、保証書にサインするよ」と言ってくれました。父親はしぶしぶでしたが、サインしてくれたおかげで、余計なお金を使わずに済んだので感謝しています。

私はアパートの契約を済ませました。入居直前に「まる子さんが住むアパートには大家さんがいるから、入居日に挨拶だけしてね」と賃貸会社の方に言われました。

入居日に大家さんに軽く挨拶をすると、大家さんから禁止事項や「家賃は振り込みか手渡しのどちらかでお願いします」といった説明を受けました。

こうして父親のサインが無事に揃い、スムーズにアパートの賃貸契約が成立。ついに、一人暮らし生活がスタートしました。

一人暮らしの部屋のスペック


初めて借りたアパートは、築50年ほどの古い建物でした。家賃は月2万5千円〜2万8千円くらいだったと思います。

このアパートを選んだ理由は、一人暮らしにはお金がかかるため、できるだけ家賃を抑えたかったからです。結果的に、古くて味のあるアパートを見つけて住むことになりました。

しかし、部屋のスペックはやはり値段相応でした。部屋の壁が薄いため隣の話し声が聞こえます。部屋には、ウィンドエアコンが設置されていました(設計上、通常のエアコンはつけられませんでした)。

お風呂はシャワールームタイプのユニットバスで、トイレとは分かれていました。トイレは洋式ですが、狭すぎてドアを閉めると身動きが取れません。
家賃を抑えすぎたため、室内でも厚着をしたり、壁が薄くて夜中に隣人の声が聞こえて寝不足になることもありました。
快適に過ごすためには、エアコンや壁の厚さなど、自分が絶対に譲れない条件を決めた上で、相場に見合った家賃で物件を探すことをおすすめします。

ボロいアパートの珍事件

①バランス釜で火傷

アパートのシャワーボックスの外にはバランス釜がありました。バランス釜に水を溜めて、ガスでお湯を沸かす仕組みです。

使い始めた頃は使い方が分からず、ネットで調べながら操作しましたが、冷水になったり、ガスで温度を上げすぎて火傷をすることもありました。

おそらく、バランス釜は壊れかけていたのだと思います。慣れてきても、時々失敗して火傷をしていました。

②床がとても冷たい

一人暮らしを始めたのは11月頃で、寒さが本格的になり始めていました。特に何も敷かずに床に寝転がると、とても冷たく感じました。

当時は絨毯や敷物を持っていなかったので、毛布を敷いてその上で寝転がっていました。

少し経ってから、冬に備えて絨毯とコタツを購入しました。

③雨の日は階段で滑りやすい

二階建てのアパートに住んでいたので、私は毎日階段を使って登り降りしていました。

ある日、友達と食事に行く約束がありました。お気に入りのTシャツとスカート、8cmのヒールを履いておしゃれをし、ウキウキしながらお出かけの準備をしていました。

しかし階段の一段が高く、いざ二階から降りようとしたとき、雨で階段が少し濡れていることに気づかず、滑って転びそうになり、とても焦りました。

一人暮らしを始めて良かったこと


一人暮らしに慣れるまでは、仕事が終わってから家事を済ませると寝てしまい、自分の趣味を楽しむ余裕がありませんでした。

しかし半年ほど経った頃には、効率の良い家事の方法や、適度に手を抜くコツを覚えました。

一人暮らしは、慣れてくるととても快適になります。そこで、一人暮らしをして良かったことを紹介します。

①洗濯物を畳まなくてもいい

実家にいたときは、親が洗濯物を干して乾いたら畳んでタンスにしまってくれました。しかし、一人暮らしをするようになってから、洗濯物を干した後に畳むのがめんどくさくなったのです。

そこで洗濯物を畳まずに、ハンガーで干した後の洋服をそのまま着るようになりました。おかげで畳む手間が省けて、家事が楽になりました。

②自炊力がアップする

一人暮らしをすると、実家にいる時よりも自炊力が上がります。

ある日、兄が誕生日プレゼントで電気圧力鍋を買ってくれました。カレーや煮物などの調理は面倒ですが、カットした食材に水や調味料を加えてセットするだけで、あとは待つだけ。調理中に他のことができるので、時短にもなりました。

料理が楽になる電気圧力鍋などの調理器具は、一人暮らしをしている人には、とてもおすすめです。

③友達を呼びやすい

友達を家に呼びやすいことは一人暮らしのメリット。一人暮らしに慣れてからは、友達を家に招くようになりました。

「私、一人暮らしを始めたから、遊びに来てよ!」と気軽に友達を誘い、遊びに来てもらうことができます。

一緒にピザパーティーやタコパをしたことは、とても良い思い出です。みんなで楽しくおしゃべりしながらの食事は、最高の時間でした。

④家の中で熱唱できる

家事はあまり好きではないのですが、一人暮らしでは好きな音楽をかけることができるので、気分が上がり楽しく作業できます。

最近は、YouTubeでロックバンドのロコビッチの曲を流しながら、熱唱しつつ家事をしています。

こういう自由さがあるから一人暮らしはやめられないのです。

⑤健康思考になる

一人暮らしでは、体調を崩しても自分で何とかしなければなりません。そのため、早めに寝たり、栄養を考えて食事を作るようになりました。

これは私だけかもしれませんが、お菓子を買いすぎると食費がバカにならないので、あまり買わなくなりました。

素敵な大家さんとの出会い


入居して数ヶ月が経ったある日のこと。
大家さんの部屋の前を通りかかると、扉が開いていて驚きました。  

すると大家さんが、「まる子さん、明太子いる?少し前に旅行に行ってきたから、よかったら食べて」と声をかけてくれたのです!

私は驚きながらも、「えっ!いいんですか?明太子大好きです。ありがたくいただきます」と感謝しました。

それ以降、大家さんが私を見かけるたびに、お菓子やフルーツなど、いろいろな食べ物をくれるようになりました。また、家賃を手渡しした後に「少し時間があるから」と大家さんのお部屋にお邪魔し、世間話をすることもありました。  

大家さんは80代前後だったと思います。私がちょうど孫のような年齢だったからか、とても可愛がってくれていました。

初めての一人暮らしで不安だった私を、大家さんは色々と助けてくれたのです。この出来事は、一人暮らしの最高の思い出になりました。

まとめ

父親に一人暮らしを反対されるところからスタートした、初めての一人暮らし。

最初は本当にわからないことだらけで大変でしたが、大家さんのおかげで充実した生活を送ることができました。

自分一人で生活するためには責任感が必要になりますが、自由もあり、とても楽しい毎日を過ごせます。

最後に、アパートでの生活をサポートしてくださった大家さんには心から感謝しています。本当にありがとうございました。


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