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【 だから修理は面白い! 】グループホーム壁破損 常識通り直さなかったワケ。

とあるグループホーム様の修理事例…。

グループホーム入居者様か使う各居室=個室には当然…ですがベッドがあります。入居者様の介護状態によっては、日々サポートする職員さんが介護作業の中でベッド移動していました。

その作業にて…ベッドの角や端が壁に当たり凹んで壊れました。その壁を修理するにあたり、どう考えてどうしたかの話です。


●まず考えたこと

破損した壁は難しい修理でありません。同じ材料でつぎはぎ修理すれば済みますが、そうすればどうなるかを考えました…

① 今後気をつけてくれよ…!というような…
  職員さん個々の責任やプレッシャーみたいな
  雰囲気
にならないだろうか…?壊したくて
  壊しているわけではない…

② 同じ動作や状況で、再びベッドが当たると
  また壁が壊れてしまう想像ができる。
  壊れたらまた直すを、費用をかけ、繰り返す
  ことを施設管理側が望むだろうか…

この視点は…大切でした。


●できれば…再発しない方法で考えたい

☑ 修理材料を今までと変えたい
  修理後、職員さんが間違ってまたベッドを
  ぶつけてしまっても、キズがついても凹み
  にくい材料で直したい。

☑ 今後…修理しやすい方法で直したい
 
 壁の下地は部分修理し、仮に…先々何かあっても
  下地まで直さず、仕上材のみ修理で簡単に
  済ませられるようにしたい。

☑ 修理は短時間で終わらせたい
  入居者様の個室だからこそ、なるべく一回で、
  かつ、長時間にならない方法をとりたい。

これらから……こう直しました。


 ① 破損部を切り欠き…下地を復旧


 ② クロスで仕上げずに、下地の上から金属樹脂
   板を重ねて張る。接着剤使わずビス止め。
   この板は仕上げを兼ね、凹みや破損に強い。 
   ベッド端が当たりやすい高さと範囲に張る。


③ 入居者様が施設居間で団らんされる時間帯
  (1.5時間くらい)で完了


この修理ケースでは、施設側にあえて修理方法を提案、共感してもらって実施しました。


破損した下地を直してクロスを貼ることのように…常識的方法になりがちなのは、そのほうが業者も考えなくて済むから。使用環境や破損に至った要因まで考えるのは面倒で割にあわないと感じる業者さんも居て当たり前。否定しません…。

もし…常識的方法で修理したら、この施設側の隠れた望みとマッチングしていたか…定かでありません。施設側視点で見れば、修理方法は「手段」であり「目的」ではありません。


どうすれば施設側の悩み解決に近づくのか…
コミュニケーションして提案する作業は、向き合う姿勢がなければ出来ないことであり、建築知識や建築資格があるから出来るものではない…と思ったほうがよいでしょう。

修理を通して…建築が生活に身近になりますように…を願い、実例を地道に作り続け発信し続けます…

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