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MyNovel

A「は〜。終わった」

せっかくの休日は潰れたも同然。今日で14連勤。福利厚生がない上に、給与は14万と安月給。もう26になるというのに給与が上がる気配はない。すでに時刻は夜を迎えている。

一体何をやっているのだろう。同級生は出世してるというのに卯建の上がらない会社員生活をおくっている。

今日も帰路について寝よう。家へ帰る途中、スマホの着信音がなった。

A「はい。もしもし」

E「おおー。久しぶり、元気か」

A「元気じゃないよ。もう毎日くたくたで死にそうだよ」

E「まだあの会社にいるのか。その様子だと相変わらずのようだな。

A「うるせー。」

Eは高校の時の同級生。高校の頃から要領が良く、成績も良かった彼は卒業した年に海外へ留学し、アメリカでコンサルティングを学んだ後日本へ帰国し、自分の会社を立ち上げたそうだ。今では会社も順調に軌道に乗り、子宝にも恵まれていると聞いている。昔からルックスもよく女にもモテていたEはまさに完璧超人。まさに非の打ち所がない人間だ。

かたや成功者。かたや卯建の上がらない会社員。同じ道を歩んできたはずなのにこの差は一体なんだろう。成績も悪く異性と付き合ったことのない僕からすれば、Eを羨ましくおもう。

E「なぁ。久しぶりに飲みにいかないか。どうせしばらく飲んでないんだろ?」

A「どうせは余計だ。まぁしばらく飲んでないからちょうど飲みに行こうと思ってたんだ。」

E「お。いいね!じゃあ20時にいつもの居酒屋な。ちょうどお前に合わせたい人がいてな。」

A「合わせたい人って誰だよ? 怪しい話ならお断りだぞ!」

E「転職支援の人だ。日本に帰国した時、仕事で顔を合わせる機会が多くなってな。 お前の悩みを解決してくれるかもしれないと思ったんだが、 嫌なら断りいれとくぞ?」

A「誰も嫌とは言ってないだろ。わかった。いつもの居酒屋に20時な。遅れるなよ」

E「おう! じゃあまた後でな。」

ガチャ。 プープー。 スマホの電話がきれる。

相変わらず急なやつだな。こっちの事情はお構いなしだな。

だがこのままでいても事態が好転しないのは確かだ。

いずれは転職も視野に入れていたし、話だけでもきいてみるか。

夜の19時。街路樹を進
みながら、いつもの居酒屋へ向かった。

End

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