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【将棋】級位者と有段者の決定的違い

将棋ファンは全国に「500万人」いるらしい。
その中で、実際に将棋を指すことのできる【級位者】以上は「50万人」。
トップ3%は【有段者】と呼ばれ「15万人」だそうだ。
さらに将棋のプロとして生きていける人は「500人」となる。
将棋を始めた【級位者】にとって、【有段者】は手の届く範囲にある憧れの存在といえるだろう。

香月の棋力

香月は将棋倶楽部24というインターネット上の将棋道場で二段を保有している。
香月の視点で、級位者と有段者はどのように実力で差があるのか、分析してみたい。
現在、将棋有段者を目指している読者にとっては、昇段のヒントになるだろう。

将棋の基本と前提

さて、ここからは具体的な話になる。
まずは前提となる話から始めよう。

将棋は大きく「居飛車戦法」と「振り飛戦法」に分類でき、
戦型は4パターンに分けられる。
①「先手:居飛車」✕「後手:居飛車」=「相居飛車」
②「先手:居飛車」✕「後手:振り飛車」=「対抗形」
③「先手:振り飛車」✕「後手:居飛車」=「対抗形」
④「先手:振り飛車」✕「後手:振り飛車」=「相振り飛車」

香月は「振り飛車」しか指さないので、①「相居飛車」になることは基本的にはない。
そのため、ここからは②~④のパターンについて語りたい。
つまり、振り飛車党の級位者と有段者の比較になることをご了承願いたい。

序盤

【級位者】

級位者は自陣しかみないで序盤を進める。
相手が急戦であっても持久戦であっても構わず、自分がやりたい形をする。
そのため、気づいたら序盤で差をつけられる場合がある。
特に相手に無条件に居飛車穴熊を組まれたら、おしまいと思ってもよい。

【有段者】

①有段者は相手陣と自分の陣地を見比べて、少しでも有利に戦いを進めようとする。相手が振り飛車を指そうとしていたら、自分が作戦勝ちを狙える居飛車穴熊を狙っていく。
②自分の序盤をパターン化している。相手がこうなら、自分はこう、と決めている。

香月ならば以下の要領だ。
(1)相手:居飛車→「角交換四間飛車」
(2)相手:角道オープン振り飛車→「向かい飛車」
(3)相手:ノーマル振り飛車→「居飛車穴熊」or「早石田」
(4)相手:奇襲戦法系→「ノーマル三間飛車」

中盤

【級位者】

駒がぶつかり出して、捌き合いで劣勢になったら、そのまま逆転のチャンスなく負ける。

【有段者】

・駒がぶつかり出しても、一気の捌きを狙わず、少しずつ局面を動かす。
少し悪くなっても、挽回のチャンスを狙える余地を作りながら戦う。
・明らかな悪手を指さない。「正解手」ではなく、「勝てる手」で実践的に戦う。結果として、形勢的に少し損なっても、勝てるチャンスを作れる。
・相手の悪手を咎められる。級位者と比べて、悪手への感度が高くなっている。相手の手を「これはまずいだろ」と感覚的に思ったら、「その手は悪くないですか?」という手を狙っていく。

終盤

【級位者】

どこから手をつけて良いか分からず、まごついているうちに、相手にスピード勝負で逆転される。

【有段者】

終盤までに相手の陣地にキズを作っている。
タテ・ヨコから包むように相手玉に迫っている。
詰みより必至を狙っているので、確実な攻めができる。
そのため、リスクが少ない攻め方をでき、1度くらいは詰みを逃しても負けにならない戦い方ができる。

まとめ

有段者と級位者の1番の違いは、ある局面で盤面全体を見て評価する力である。
自分の手番のとき、指す前に候補手を3つくらい作って、その中で1番指したい手を理由付きで決断できれば、有段者にはすぐなれるだろう。

例としてはこんな感じ↓

今はこの3つくらいが指す手として考えられる。
囲いを強化するなら①。
だが、相手の攻めの銀がこの位置だから、①を指すと攻められて危ない。
②は銀が出てきたときに対応できる手だから積極的ではないけど、ありそう。
③は②以外で銀の進出に対応できる手だけど、囲いが弱体化するし、相手が攻めではなく、他の手を指してきたときに、損になってしまう。
以上を踏まえて②を選択しよう

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