補助金活用の現状と課題
「事業を成長させて、キャッシュが余る状態にしたい」
そう願わない経営者はいません。
そう思っているとしたら、補助金を活用しない手はありません。
もうずいぶん前から、中小企業や小規模事業者向けの補助金制度は、政府の経済対策の重要な柱として拡充されてきました。
しかし、その活用状況は必ずしも理想的とは言えません。
多くの企業が補助金の存在を知りながらも、効果的に活用できていないのが現状です。
補助金は便利になってきている
補助金の手続きは面倒になっている面もありますが、相対的にみて使いやすく便利になってきています。
しかし、このような充実した環境にもかかわらず、多くの企業が補助金活用に苦戦しています。
主な課題は以下の通りです:
補助金制度が抱える課題
5番も近年かなり負担となっています。
最も損をするパターンは、わたしが見てきた中では、3「事業計画との不整合」が多いです。
つまり、補助金で買ったけど使わなかったものが多い。
安物買いのゼニ失いになってしまっているのです。
これらの課題を克服し、補助金を効果的に活用するためには、経営戦略の明確化、計画的な申請準備、そして補助金を単なる資金調達手段ではなく成長の触媒として位置づける視点が重要です。
補助金活用を通じて真の競争力強化を実現する企業と、そうでない企業の差は今後さらに広がっていく可能性があります。
戦略の明文化がもたらす効果
多くの中小企業経営者は、経営戦略を頭の中に描いているものの、それを文書化することの重要性を見過ごしがちです。
しかし、戦略を明文化することは、単なる形式的な作業ではなく、企業の成長と補助金活用に多大な効果をもたらします。
事業計画を紙に書き出すこと。それはとても多くのメリットがあります。
事業計画を書き出すメリット
戦略の明文化は、一見煩わしい作業に思えるかもしれませんが、経営者だけができる重要な経営行動です。
経営者の特権でもあります。
ぜひ、普段の仕事から離れて、高い目線で仕事について考えてみてください。
自宅が落ち着かないなら、ホテルや旅館に泊まって書き出してみるのもいいですし、コンサルタントと対話して、考えをまとめていく方法もあります。
今なら、ChatGPTと対話しながらアイデアを引き出す方法なんというものもあります。
特に補助金活用を通じた成長を目指す中小企業にとって、戦略の明文化は避けては通れない重要なステップと言えます。
事業計画と補助金の連携方法
効果的な補助金活用には、事業計画に沿って補助金を活用していくのが不可欠です。
補助金に合わせて事業計画をこねくり回すのは、私は否定的です。
それでも専門家が支援するとと補助金は貰えるかもしれませんが、無駄金になることが多いのです。
何度も書いていますが、単に資金を得るためだけの補助金申請ではなく、長期的な成長戦略の一環として補助金を位置づけることが重要です。
以下に、事業計画と補助金を効果的に連携させる方法を説明します。
事業計画と補助金を連携させる方法
事業計画ができることで、補助金活用の準備が整います。
中長期的な目で見ると、事業計画にあわせて補助金を活用することは難しくありません。
これによって、単なる資金調達以上の価値を補助金から引き出すことができます。
補助金を戦略的に活用し、中長期的な企業価値の向上につなげることで、設定した事業の目標に早く近づけるようになります。
事業計画って書いても無駄?
子供のころ、夏休みの計画を立てて上手くいかなかった人は多いだろう。
計画は立てても上手くいくことは、ないと言い切ってもいい。
それでも書くのにはメリットがある。
どこに商機(勝機)を見出して、どこにリソースを集中させるかは、計画を立てないとはじまらない。
計画を立てないと、現状を数字で分析する機会もない。
計画があって、数字が生まれ、数字を調整しようとするから、アイデアが生まれていくのだ。
この工程を飛ばしてしまうと、事業は緩やかに失速することになる。
事業計画ってどうやって作る?
では事業計画ってどうやって作るか。
一番いいのは、人の力を借りることだ。
例えば東京。
TOKYO創業ステーションのサービスでは創業助成事業として「事業計画書策定支援」を行っている。
これも東京都の例だが、東京商工会議所でも事業計画作成の支援を行っている。
有償になってしまうが、補助金を使って割安で「早期経営改善計画策定支援」を受けることもできる。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/04.html
誰かと並走すると、事業計画はできやすい。
並走が嫌なら、書籍を使って一人で取り組んでみてもいい。
どんな本でもいいけれど、しばらく事業から離れて、楽しく取り組めるものがいいと私は思う。
お勧めはこちらの本です。