受電方式の決定(基本計画)

受電方式の決定手法について記述します。
流れは以下です。
①建物電気容量の算出
②契約電力の算出
③受電電圧の検討
④受電方式の検討
⑤電力会社と協議

①建物電気容量の算出
以前の記事をご参照お願い致します。

②契約電力の算出
契約電力は指定や条件がなければ、電力会社が提示している計算式で算出します。
計算式は以下となります。
変圧器合計容量=α
~50kVA…αkVA×0.8kW
51kVA~100kVA…αkVA×0.7 + 5kW
101kVA~300kVA…αkVA×0.6 + 15kW
301kVA~600kVA…αkVA×0.5 + 45kW
601kVA~…αkVA×0.4 + 105kW

③受電電圧の検討
受電方式は電圧別で大きく3つに別れます。特高受電、高圧受電、低圧受電となります。
電圧別の受電について採用基準は下記となります。
低圧受電…建物電灯、動力の契約電力がそれぞれ50kW以下
高圧受電…建物の契約電力が2000kW以下(電灯と動力を合わせた値)
電力会社との協議により一部2000kWを超えて高圧受電とする場合もあります。
特高受電…契約電力が2000kW超えの建物

例外…基本的に1需要家1契約(1敷地1引込)となります。
集合住宅の場合、各住戸が電力会社と直接契約して供給を受ける為、借室(電力会社所有の室を建物内に設置する)を設け、幹線分岐で住戸分電盤前の電力量計を設けて、その電力量計で各住戸が契約します。その場合の住戸それぞれのkVA値は建物契約電力に計上しません。

④受電方式の検討

1回線で電力会社から受電するか、それ以外かが高圧、特高ではあります。低圧は電灯と動力で2回線となります。
それ以外の方式は2回線、3回線で受けるか、電力会社からの受け方はどうするかが違いです。当然コストがあがり、キュービクルも大きくなります。但し、採用することで電力供給の信頼性が上がります。

受電の方式や細い説明は当サイト以外にたくさん説明の記載があるサイトがあるので、割愛します。受電方式で検索してください。

災害拠点の建物とする場合は2回線受電(本線予備線)以上の受電方式とすることが望ましいでしょう。(災害拠点評価が上がります。)

⑤電力会社と協議
ここまで検討したら建物の情報や受電方式の検討資料を提示して、電力会社と協議します。
電力会社協議によって受電方式の採用可否が分かるので1回線受電以外は事前協議を基本設計段階で実施する必要があります。
協議をもって受電方式を決定します。

以上です。

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