電気容量WとVAの換算について(基本設計、実施設計)

電気容量におけるW(ワット)とVA(ブイエー)の違い、換算方法について記載致します。
これについてネット検索するとたくさん出てきます。ここでは具体的な使用方法を交えて記載します。

①WとVAについて
②換算方法、実用について

①WとVAについて
VA=W×cosθ(力率)となります。
VAは機器に電力供給する為に必要な電力、Wは機器が実際に使用する電力、その差は損失となります。力率は最大1.0とし、VA<Wになりません。この辺はネットの方が情報が詳細に書かれてますので、これ以上深堀したい方は検索してください。

②換算方法、実用について
VA=V(ボルト)×A(アンペア)がベース式となります。
三相の際にはこの式にルート3(1.732)をかけます。
電灯負荷…Wで表示されるものはそのままの値をVAに読み替えます。
実際には電灯負荷の力率が0.95になるのでW×1.05となりますが、設計上考慮しません。
照明負荷を正確に換算したい場合は照明機器仕様書や機器仕様書に記載されたアンペア値に100Vか200Vをかけて算出します。その回路のボルトにて100か200か選択してください。
動力負荷…換算方法がいくつかあります。
・民間設計で簡易に算出する場合
Wに30kW未満は1.4、30kW以上は1.25をかけた値をVA値とします。
この手法は最近あまり使用しませんがいちばん簡易な換算方法となります。
・民間設計で内線規定より算出する場合
内線規定にある力率不明機器はkW=4Aを使用してVA値を出します。
1.5kWであれば、6.0Aとなり、200V、ルート3(1.732)をかけて2.078kVAとなります。
尚、400V負荷は電流が200Vの半分となります。
1.5kWであれば、3.0Aとなり400V、ルート3をかけて2.078kVAとなります。
・これら換算によらない負荷
a.メーカーホームページにて電気特性が記載されている機器、b.ヒーターや電熱負荷は一般的に、×1.25や×1.4及びkW=4Aを用いず換算します。
a…例えばチラーやPAC室外機等は大抵仕様書に電気特性の記載があり、最大使用電流の記載がありますので、それに×V×ルート3を行ってVA値を算出します。
b…ヒーターや電熱はそのWがそのまま損失無く電力を消費するのでW=VAとします。(例えば蒸気加湿ヒーター、融雪ヒーター等)
民間案件ではkW=4Aとこれら換算によらない負荷換算を使用して負荷容量の積み上げを行うことで、×1.25より変圧器容量が大きくなるので比較的安全側(コストに余裕を持たせた)設計となります。
・官公庁案件
官公庁の設計は建築設備設計基準の換算値に準拠して換算します。(先ほどのこれらの換算によらない負荷も含みます。)
換算表は以下となります。

一般の電動機

インバーターを採用した機器、PAC室外機

400V一般の電動機

400Vのインバーター採用機器


以上となります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?