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告知は早く!イベントの目的は実行ではなく成功

【光響FANTASY〜秋芳洞カラー照明(2022〜2023】

秋芳洞は秋芳町・美東町・美祢市が合併して美祢市となってすぐ、観光客を迎え入れてから100年の記念式典が行われた(2009年)。この時、照明を蛍光灯からLEDへ変更し、カラー照明もつけられた。照明デザイナー石井幹子さんの作品で、音楽に合わせて刻々と変わる照明が楽しめる。

このカラー照明は光響FANTASYと呼ばれており、開洞100周年のイベント以降、ほんの数回行われただけだが、関係者に聞くと
「スイッチ切り替えるだけ」
とのことだ。何億円もかけて設置し、なぜ使わないのか、これは前回備忘録31にて触れた『照明植生問題』が理由のようだ。自然がメインの観光鍾乳洞がどこも抱える洞窟内の環境問題。この問題に取り組んでいる秋芳洞は、イベントを行ったらその分明かりを絞らなくてはならないなど、制限をつけて運用しているようだ。

このカラー照明のイベント『光響FANTASY』が2022年12月21〜25日、2023年2月10〜14日の2回に分けて行われた。

まず、いい部分からだが秋芳洞内でのイベントは許可が大変。美祢市の利用許可から文化財の許可など様々。過去に秋吉台上でウォーキングイベントの許可を申請したのでよくわかる(主催は旅行業者)。窓口で
「市も観光協会も後援や協賛に入ってないならどうせ取れないから取り下げろ」
と門前払いをされたほど(結果、色々な知人の手助けなどもあり許可はおりたが)。そんな難しいところで、照明植生の問題が囁かれて何年も封印されてきているものを久々に行えたということは、観光サイドにとっては嬉しいことだ。以前に行われたのはやまぐち夢花博の時なので、2018年以来。元々が特別天然記念物に指定されている自然の造形美なだけに、見せ方も変わってやはりイイ。私は12月の5日間の開催で2回入場したが、いつもと違う風景を楽しめた。これは見る価値があり過ぎる。

そして、12月の残念な点は、上記の見逃した人(来れなかった人)が多すぎる点だ。
クリスマスのイルミネーションイベントは恋人たちにとっては一大イベント。1ヶ月以上前からどこのイルミネーションを見て、どこで食事をするかなど、計画をしっかり立てる人が多いのではないだろうか。イルミネーションもトップシーズンで、一番競合が多い時期。正直、クオリティは負ける気はしないし、さむーい外のイルミネーションより、年間通して17℃で一定の秋芳洞内で楽しめるイベントはいいとこづくしなのに、情報公開が遅すぎた。イベント開始の1週間切ったタイミングでのリリースはあまりに遅く、そこから予定を変えることはなかなか困難だったらしい。来客は内容に比べてかなり少なく、そのおかげで私は写真を撮ることに集中できたわけだが・・・
次に繋げるにはやはり成果も必要である。成果を出し、必要性を示して次に繋げるという意味においては、少なくともクリスマスは失敗と言える。12月のタイミングで合わせてリリースしているので、バレンタインイルミネーション(2月10日〜)の告知はなんとか間に合っていた。

地元商店街は10月半ばにイベントを行う旨を聞いていたが、カラー照明のイベントを盛り上げようにも盛り上げるものがないため、安富屋独自でグッズを作ることにした。
「イベントを盛り上げるために!」
という純粋な気持ちでマグネットを作成したが、商品が届いてもイベント告知がなされないため、なかなか情報をリリースできずにいた。

特別天然記念物や国定公園の許可に照明植生問題と、様々なハードルがある中、成し得たことは素晴らしいが、目的を『実行すること』ではなく、『成功すること』まで伸ばせればよかったが、それは2月のイベントへと持ち越された。

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