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アルファベット社、AI投資強化へ

2022年12月、米グーグル社の創業者ラリー・ページ氏とセルゲイ・ブリン氏が同社経営トップと数回に及ぶ会議を行い、自社でチャットボットを含む20種類の人工知能(AI)に関連した製品開発を行うとニューヨーク・タイムズ社(以下タイムズ社)が伝えた。2人は同社の親会社である米アルファベット社の取締役であるが2019年からグーグル社の経営を退いている。

チャットボットとは
人工知能 (AI) と自然言語処理 (NLP)  を使って、顧客の質問を理解し、人間の会話をシミュレートして自動的に返答するコンピューター・プログラム。
参考資料:IBM

この異例とも言える前経営者の社内会議への参加の背景には、イーロンマスク氏、マイクロソフト社などが出資するOpenAI社が2022年12月に開発したChatGPTの存在がある。グーグル社にとってライバル企業のChatGPTは、わずか 5 日間で100万人以上が登録した人気のチャットアプリで最先端テクノロジーが駆使されている。

米大手IT企業は、新型コロナウイルス感染症の流行でネットの需要が高まり従業員の増員を行った後、今では景気後退への懸念から大幅な人員削減を行っている。米アルファベット社も20日、全従業員のおよそ6%にあたる1万2千人の解雇を発表した。一方で、競争力を維持するため多額の投資を行っているAI分野への投資に集中することも決めた。関係筋によると、同社のAI投資が失敗に終わる可能性も捨てきれない中、前経営者の2人がOpenAI社のChatGPTがいかにグーグル社にとって脅威であるかと考えているかの表れであり、競争力を失ってグーグル社が終焉を迎えるのか、それとも競争力を持ち続けていくのかは自社開発のチャットボット成功にかかっていると見ている。



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