見出し画像

自然治癒力とは~免疫編の自然免疫編 

私は最近ある食品を1年近く摂りつづけることで自然治癒力が向上し、その結果10年以上患っていた痔ろうが寛解しました。

その理由を探るため、
「自然治癒力とはなんぞや?」と自分なりに調べてみることにしました。
その結果の一部、
自然治癒力>免疫編>自然免疫をまとめたのがこの記事になります。
およそ10年前に免疫を少し勉強したのですが、10年経つと自然免疫において新たな発見があり、それらをまとめたものになります。
自然治癒力を知るのに最低限の知識でしょうが、奥が深い。
沼ですわ。

自然免疫と適応免疫


さて本題の自然免疫です。
自然治癒力の中に免疫(防御)力があります。
その免疫に中に、自然免疫と適応免疫の2つがあります。
自然免疫は外敵侵入から数時間で発動、それに約5日遅れて適応免疫が発動されると言われています。 

自然免疫とは


自然免疫とは、最初に発動する免疫システムで、敵を見つけ次第食い殺す好中球やマクロファージ(MΦ)と、相手にくっついて自死させるNK細胞が主役です。
そして樹状細胞(DC)やMΦが適応免疫を開始させます。

適応免疫とは


適応免疫は、樹状細胞(DC)やMΦに「こいつが敵だ」と教えてもらったT細胞やB細胞が攻撃の主役となるものです。
1)細胞障害性T細胞(CTL)による標的細胞の殺戮
2)形質細胞( B細胞)が産生した抗体による標的細胞の無毒化が主なところです。

彼らはクローン増殖して外敵に対応します。このクローン増殖が自然免疫の細胞群とは最も違うとこかな?たぶん。
細菌やウイルスもクローン増殖するので、我々もクローン増殖で対応しようってとこだと思います。
凄いですね。
それと記憶。
こいつらは自然免疫細胞と違って、外敵を記憶するとされています。

適応免疫が自然免疫を強化し、両者は密接に関連していることがかなり分かってきていますが、まだまだ発見されることが多く不明な点が多いようで、
数年毎にアップデートが必要なようです。

自然免疫の特徴


自然免疫の特徴は、免疫の1stアクションで外敵と思ったやつはどんなやつでも、とにかくぶち殺すってことでしょう。
そのために
1)外敵を見分ける手段
2)外敵を殺す手段
が必要になります。

外敵を殺す細胞


外敵を殺す細胞は、好中球、マクロファージ(MΦ)、NK細胞になります。

自然免疫に関わる細胞


主だったものを表に記します。適応免疫に比べ、種類が多いんですわ。臨機応変に対応するためでしょう。T細胞やB細胞も細分化すれば同じくらい存在するか。
現在、どのくらい働きが分かったのでしょう?半分も分かってない気がします。

外敵を見分ける手段


自然免疫の細胞は病原体の病原体関連分子パターン(PAMPs)をパターン認識受容体(PRR)で認識すると、反応を開始すると言われています。
PRRはTOLL様受容体など含め、少なくとも約20種類程度はあるようです。
MΦや好中球などは、それらセンサーで自己と外敵を区別し、外敵を食います。

反応開始までの時間


体内に外敵が侵入すると、骨髄系細胞は数時間のレベルで反応開始し、自然リンパ球(ILC)は2日目くらいから反応するそうです。ILCは近年発見された新しい細胞です。

好中球


食作用の主役は白血球の約65%を占める好中球で、血管内を巡回しています。
外敵を食って自死し、膿になると言われています。自死した好中球はMΦが食います。
他人(他の細胞)のために戦死、自死するって凄くないですか? 感謝しかない。

好中球細胞外トラップ(NETs)


また外敵が多い場合、自身の成分を投網のように放出して外敵を捕まえるそうです。これは好中球細胞外トラップ(NETs)と呼ばれています。
これが逆にがん細胞の足場となったり、自己免疫疾患の原因とも言われています。
良し悪しですね。

マクロファージ(MΦ)


MΦは外敵や自死した好中球を食います。
元来、掃除屋と言われ、「新細胞を読む」著者の山科正平さんによれば、鉄の微粉やゴムなども食うそうです。PM2.5なども食ってるかもしれません。
しかし、食った細胞を全て殺すとはならないようで、半殺しで飼いならしているものもいるようです。

普段は陰性ですが体内に帯状疱疹とか、コロナウイルスとか性病とか、数十種類の細菌やウイルスを持っているそうですよ。みんな。だいたい。
MΦはそれに一枚からんでいるかもしれません。
知らんけど。
免疫が落ちたら、出てくるんでしょう。
陰性でも胎児に影響を与える可能性があるとか。

話がそれましたので、元に戻します。
近年、従来のMΦとは異なるMΦが発見され、従来の働きをするMΦをM1マクロファージと呼び、新たな働きするMΦをM2マクロファージと呼んでいます。

M1マクロファージ


M1Φは後述する適応免疫で抗原提示して、適応免疫を活性化させます。
また、サイトカインなる分子を放出し、自然及び適応免疫を強めます。

M2マクロファージ


外敵との闘いが終わった後か、峠を越えたくらいから活躍すると言われています。
アフターの主役かもしれません。

存在場所


胎児の頃から器官の組織に定住しているそうで、存在比率は白血球の約5%以下と言われています。
その器官を研究していた研究者たちが発見した経緯からいろいろな名称がつけられているようです。

また応援が必要になったら、血管内を流れている単球が組織に遊走し、MΦになるそうです。
単球は樹状細胞DCにも分化することができますが、その比率はわかりませんでした。

NK細胞


NK細胞はリンパ球系細胞の10~30%を占めると言われています。外敵を見つけたら、くっついて相手細胞に穴を空け、自死を促す毒素を注入します。(パーフォリン、グランザイム注入)
これは細胞障害性T細胞もやります。

普段は血管内を巡回していますが、外敵が出す物質を検知して、血管外に出て戦いの現場に向かうそうです。
一仕事終わると、血管に戻るのでしょうか?
知らんけど。

以上が自然免疫の3人の殺し屋でした。


樹状細胞(DC)


DCは抗原提示細胞の代表格です。
自然免疫から適応免疫に橋渡しします。
MΦと同じく胎児の頃から人体の各器官に定住しており、存在比率は白血球の約1%以下と言われています。

またMΦと同じく、応援が必要になったら、血管内を流れている単球が組織に遊走し、DCになるそうです。

DCは、抗原提示するDCを標準型DC(cDC)と形質細胞様DC(pDC)などが存在します。pDCと言えば、天海祐希ですかね。

標準型DC(cDC)


cDCが抗原提示を行います。
別記事(適応免疫)で働きを詳しく記します。
cDCは岸本忠三さんの「免疫が挑むがんと難病」によると他の細胞によって破壊された病原体の断片を食べるようです。(飲作用)つまりMΦみたいに丸ごとは食べれない。
ですが好中球とMΦとDCの3つの細胞は食細胞と言われています。

岸本忠三さんはIL-6の発見者で、免疫分野の世界的大御所の一人で、ノーベル賞をもらってもおかしくないと言われています。

T細胞に抗原提示


cDCとMΦがT細胞に抗原提示し、適応免疫を開始させます。cDCの抗原提示能力は、以下に述べるようにMΦの約10倍です。

cDCの抗原提示能力


以下は「免疫が挑むがんと難病」から稲葉カヨさんの研究結果です。
T細胞、B細胞、抗原の混合物にcDCまたはMΦを入れる。
するとcDCを入れた方はマクロファージを入れた方より、B細胞は約10倍増えた。
これより抗原提示する細胞はcDCと判断したそうです。
以上が稲葉カヨさんの研究です。

私が思うトコロ


私が思うに、体内の存在割合はDCが約1%以下、MΦが約5%以下と言われています。
その比率で活性化されたとすると、DCの効果はMΦに比べて2倍となるので、数の効果を入れたらMΦもかなり追い上げそうな気がします。
これが私の思うトコロです。

稲葉カヨさん


稲葉カヨさんは、DC研究の第一人者で、DCの抗原提示能力を発見された方です。
ついでに言うと、研究で使うDCを増やすのに、思うように増えず10年近くも大変苦労したそうです。
滅多に見つからず、増やすのも困難なDCですから、同業から冷たい視線を感じたとか。
彼女が言うには、MΦとDCは仲が良いそうで、一緒にいることが多いそうです。

試験する細胞をどうやって数を数えて試験したのか気にはなるところではあります。

しかし功績が認められ、研究室のボスのスタインマンがノーベル賞をもらいました。
実際に汗をかいた彼女ももらっても良いように思いますけど。
ノーベル賞をもらった本庶佑研究室の石田靖雅さんも同じ境遇で、研究者のあるあるですな。

抗原提示する相手細胞


DCは後述するナイーブなCD4+T細胞とCD8+T細胞に抗原提示し、エフェクター細胞化することができますが、MΦはCD4+T細胞のみ抗原提示できます。

形質細胞様樹状細胞(pDC)


これは近年、DCキリンなどがPRしている商品に関連しています。
pDCは、抗原提示は行わず、主にウイルスの防御に貢献するサイトカインIFN-α、 IFN-βを放出するとされています。
具体的には
1)ウイルスに感染した細胞において、ウイルスのクローン増殖の抑制
2)NK細胞の活性化
その後に、pDCが標準型樹状細胞(cDC)に変わり、細胞障害性T細胞(CTL)の産生を促すそうです。

キリンさんはiMUSEブランドで、天海祐希さんがガンガンに宣伝してますね。別記事で取り上げてみます。

サイトカイン


サイトカインは細胞が作る低分子のタンパク質で、他の細胞に情報を伝達し、受け取った細胞に何かの行動を促します。
免疫に関わる細胞は多種類のサイトカインを放出するようです。
同じサイトカインでも出しての細胞と受け手の細胞が異なると、異なる作用をします。
免疫専門の人は全て覚えているのか?と思えるレベルです。
一般人はとても覚えられません。

サイトカインは、インターロイキン(IL)、インターフェロン(IFN)、ケモカイン、腫瘍壊死因子(TNF)、造血因子、増殖因子などに分類されます。
詳細は省略。

自然リンパ球(ILC)


近年、自然リンパ球(ILC)なる細胞が発見され、その役割が研究されており、現在、放出するサイトカインなどにより5つのグループ、NK細胞、ILC1,ILC2,ILC3、Lti細胞に分けられています。

痔ろうの関係で言えば、 ILC3は大腸粘膜固有層に多く存在し、上皮細胞が抗菌ペプチドを産生するのを助けていると言われていますので、多くあれば細菌の防御に有効でしょう。

ILCは多くのサイトカインを放出し、自然免疫と適応免疫で多くの仕事をしているようですが、まだ多くは分かってないようです。

補体


補体と言われる様々なタンパク質も、自然免疫を担う細胞群の働きを強めると言われています。
具体的にどの程度の増強効果があるのか?勉強不足でわかりません。

最後に


DCやMΦはいろいろなサイトカインを産生し、多種多様な働きをしているのですが、それは適応免疫で記します。
自然免疫に関わる細胞群は、食生活なども影響するのでしょうが、人によって、元々持っている働き具合や数が違うんでしょうね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?