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一日一詩。

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言葉にできないコトバをことばにします。
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#世界

【詩】誰かはいる、けど、誰もいない

僕が言葉を紡ぐとき たしかにそこには誰かがいる この思いを届けたい誰かが それは実態もなければ形すら見えないという なんとも不思議な存在なのだが 「いない」とだけは言えない つまり、それはいる 一方で僕が言葉を紡ぐとき そこには誰もいない たった一人、僕は言葉を紡いでいる たった一人でも言葉を紡ぎ続けられるのは いないけどいる誰かのおかげ 僕は思う その誰かはもしかしたら僕なのかも 知らない僕のために僕は書いているのかも いや、でもちがう 僕であって僕でない

【詩】色と形の消えた世界

ここは色と形の消えた世界 何もない世界 でも 何もないわけじゃない ほんとうは今までと一緒 ぜんぶある 「色と形の消えた世界」が 僕には はっきりと見えている 真っ白の世界 真っ白とかいうと 色があるじゃないかと言われそうだけど 見えているってことは真っ暗とも違くて 透明ともなんか違くて 僕の知っている言葉でいうなら やっぱりそこは真っ白な世界 初めて来たときは驚いたよ。 でも、すぐそこが何もないわけじゃないってことには気がついた。 何かにぶつかったんだ。何かに。 色も