シェア
街灯に 冷たく光る枯れ薄 指の付け根に寒さ染み入る
ブランコが 夜風の中で揺れながら 啜り泣く声 誰の涙か
草むらに 横たわり両手投げ出して 夜空の底に 浮かぶ金星
秋の暮れ 波風やんで 凪ぐこころ
電車内 目を瞑り乗る タイムマシン
浴室の ドアにかかった 水飛沫 透明な血を連想させる
指先で つぶした穂先 朝の匂い
目のごみを とろうとこすり 出た涙