1973
あらかじめおしまいが組み込められている遺伝子いまさらそんなこともう恨んでなんかいないよ世界はいつもデタラメなんだしそれぐらいわかるみなまで云わなくてもわかるあなたを愛する筈だったその愛の行き先しってるちゃんと手放したその愛は誰かに再配分され下手くそな伝言ゲームみたいにけなげにめぐりめぐってまたあなたのもとにくるあなたの順番がやがてまたやってくるだから
生きてなさい世界が冷たいのはあなたの体温を感じる為だよ
愛はでまかせなんてまだそんなこと云ってんのどんな愛も完全じゃないよ肝心なのは愛の精度じゃない強度だ答え合わせするにはもうそんなに時間がない
だからだからだ早く伝えなくちゃ改行なんか誤字脱字なんか気にもせずにあなたの存在があなたの生きざまがあなたのヘマが致命的な失敗が誰かの不幸になるだなんてそんなわけがあるか
どんな人生を語るにも詩はいつも短すぎるしどんな比喩もあてにはならないな
幸せになる為に生まれてきたのか哀しむ為に生まれてきたのか
その選択もままならないのが人生なのかそんなのもう我慢ならない
みんな幸せになる為に生まれてきたって
そうなんだろ
青臭くて悪かったな
本当にそうなら誰が嘘をついたんだよこら
嫌なんだよもうこういう気持ちが
神様取り合って誰が勝った血だらけになって
ところで手に入ったのかその免罪符
云ってみろ一体どっちなんだよ
偉い人が街が国が世界が底の抜けた暗闇の中で喜怒哀楽のどれかたった一つさえも表すことを諦めてしまった人間を黙殺し続けるのなら涙流してすっきりしている場合じゃないな
詩人に一体なにができるその問いに俺はもうどうじない 聞けよこれが答えだ
何故もどうしても憐れみもそんなのいくら積み上げてみたって解った気になるだけだしばしの間とにかくつつしめ
こんなめにあうために生まれてきたのか
味のしなくなったガムみたいに
粗末に捨てられる為に殺される為に生まれてきたのか
人間は
否
違う
だからだからだ血と砂を吐くように
憎みながら怒りながら歯ぎしりしながらすべての悲劇の物語に
俺は今日も同意する
意地になってむきになって
どんなおしまいだろうが
それが運命だってかふざけんなえらそうに
そんなもんにもう好き勝手させてたまるかよ
生まれて死んでそこには何の矛盾もない
頼むからもう哀しみなんかで勝手に汚すな
だから笑うなら笑えよでも
でもなあ
覚悟して笑えよオメー
あんまり詩人を舐めんなよ
なにするかわかんねーぞ
こちとら刺し違う覚悟で
詩を書いてんだよ
ほんとかどうか試してみるか?
こいよほら
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