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小指から順に指紋とって



一回失敗したら全部ダメになるって思ってた だからわたしは終始緊張している
歳のせいで緊張していないフリや平気なフリはだいぶ修練され上達した
年季が違うんだよってひとりごと
特に人間関係には神経をどうしようもなく消耗する誰もそこまでしろっていっていないのに わかんだよ
あっドン引きされたなとかさ
あっ距離を取ろうとしてんなとか
その言葉じりで行間に挟まった躊躇で
目の動きで声のトーンでその何気ないしぐさでノーモーションでくるエグい角度の蹴りみたいにさ 子どもは大人のサンドバッグだって思ってたわ 他人の顔色ばっか窺う辛気臭いガキだってよく言われたわ かっこいい詩書きたいけど
それはやっぱ嘘だからさ 遠足の時
ねるねるねるねくれたのはヤクザの倅
そいつんち夜逃げしたのは小3の夏
水風船破裂する支離滅裂な別れ
育ちが悪いってさ あそこの子と遊んじゃダメだってさ 前科者んち
そのあそこって俺の事だろ 
はんつけっていうんず津軽弁で
仲間はずれのこと 俺の慢性的な疎外感
何見ても半透明のゴミ袋かぶって
世の中見てる感覚 知ったかすんなよ
わかってたまるかよオマエなんかに
さみしがってくやしがって
抱きしめことも復讐することもできない
過去の俺のために今日も詩を書いてる
一人称がブレるわたしでも俺でも
どれもこれもわだってや
わっぱかけられた時の重い冷たさ
カツ丼なんかだしてくれなかった
うすいしょんべんみたいな色した
八方塞がりのお茶とポリの恫喝
調書とる本籍地青森県弘前市冷凍町
寺山修司も太宰治も過ごしてやがて
捨てた町 運がわるくても死ぬだけ
チンコロしたやつ履いてた雪駄
パチンコ玉挟まってた
滑稽で無様でどうしようなくて
気がおかしくなりそうな
殺したくなる白の情景

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