日曜日



常夜灯を凝視したまんま
睡眠のしっぽ掴み損ねた
眠剤齧る麦茶で無理矢理流し込んで
瞼はせわしなく開閉を繰り返し
私のそばを旋回する光の虫としばし遊ぶ

つらいのはいつまで続きますか?
家鳴りがひどい築六十年の古民家
闇を引っ掻く爪痕ともうないのに
いたずらに疼く幻肢痛
ほらまたいわんこっちゃない
なんか悪いことをついつい
思い込んでしまう
夜がうまく流れない四隅で留まって
はじの方からくさる真夜中

気づきたくなんかなかったな
俺のさみしさなんか
思いもしなかったよ春をこんなに嫌いになるなんて 
感傷は贅沢な感情だって言ってた友達は
二十歳前に泣き死んだ

優しすぎてダメなやつだった
いいやつすぎて生きることに
向いていないやつだった
神様は淋しがりだから
いいヤツばかりそばに置きたがるって
なんだよだったら
もっと悪いことをいっぱい教えてやったらよかったよ

そういえば春に好きな人はみんな
逝ったから
大っ嫌いだよ春なんか


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