ランチ限定


タバスコかけるナポリタン500円
わたしのいらだちにも似た
油とケチャップでぎとぎとのフォークで
遊ぶオレンジ寄りの赤
手癖で書くどこを切っても
同じカタチの怒りの断面
わたしの人生勝った負けたで判断するなら やっぱり負けたと思うんですよ
障害者年金は月に6万
妻は今日も痴呆老人のクソの処理をして
時給1000円もちろんボーナスはない
月に一度サイゼリアで
二人で食事するのが
ささやかな喜び
「私の人生はこんな筈じゃなかった」と
気を抜いたら
ついつい口にしてしまいそうだ
やめろやめろあっぶねえ
あわれんでほしいわけじゃない
ただ本当のことを書きたいだけ
金が欲しいかって当たり前だろ
妻が溜め息つきながら
ビゲンヘアカラーで
白髪染めしている
同情して欲しいわけじゃない
この国で生きるリアルを書きたいだけ
詩の下書きはいくらでもできるが
生きる事の練習はできない
たった一回しか生きられないのに
初っ端から誰しもが本番だ
一度落ちたらなかなか這い上がれない
すり鉢状の穴ボコ
これがみえないのか?
あんたの足元にもそれはあるのに
障害者年金がそんなに羨ましいか?
働かないで金がもらえるからって
私が楽して生きてるようにみえるのか?
ならとりかえっこしようか?
わたしとあんたの人生を
弱者をメシのタネにする
クズよりはマシだ
自分の事は棚に上げて
被害者ヅラするヘタレよりはマシだ
人を裁いて偉くなった気になってる
傲慢な奴らよりだいぶマシだ
金稼ぐためなら
自分が得するためならなんだってする
ケツだって舐める
浅ましい
厚顔無恥なやつらより
サイゼリアの隅っこで恥ずかしそうに
ナポリタン食ってるわたしの方が
何倍もマシだ
それより
タバスコかけすぎたわ
かろうじて振り絞った言葉は

辛っ

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