食傷の秋
孤独しか口にしないグルメ
ほんとおバカだな
そんなもの食べたって誰も褒めてはくれないよ
蛇口に絡まるクモが一匹
そんな所にいつまでいたって
空腹は永遠に癒えないのに
ほんとバカだな俺にそっくり
3時のおやつには
遺伝子操作されていない
そのまんまのキミがほしいな
それっぽっちも思い通りにならないなら
もうなにもみたくないよ
固く閉じた
まぶたの奥でドロリと溶けた力みと緊張
アーモンドチョコみたいに
中身はかたくて香ばしくて律儀
もったいないななんかそういうの
指先にすくってペロリと舐める
親知らずに酷く沁みる
苦くて甘いどうにでもとれる味
迷う事は子供の特権のように云う子供の前で
二十歳の時からもう何十年もずっと
迷いっぱなしの大人の俺
自分探しなんか
テレビのリモコン探すより
爪きり探すよりたやすいよそんなの
頭悪いなほんと
逃げ切れるものか
見失ってたまるか
自分なんか
「あ」から「ん」の中
どんなに巧妙に逃げ込んでも
なかったことになるもんか自分なんか
自分用のトリセツとかあんのかそんなもの
筋張った頑固な不安と一緒に
犬歯で噛み切れ
頭おかしくなるほど
自分を責めなくたって
またくるよ朝は
俺たちは誰かとなにかと
うろたえる間もなく
どうしょうもなく
また関わってしまう
その為に
こんな詩なんか早く書き終えて
まずは米を食え
噛んで飲み込め
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