盗作するの 改訂版


二言はないといいながら
輪切りにされた約束を
暑さで溶解した観覧車を
スイカ の皮をちゃんと口を結いで
こそこそ
夜中に捨てにいく 鳴き声ばかり
忘れないで ちょうど今日で一年か
ほんとやっと一年だ
保温にしてる炊飯器の上で眠ってた
のにもうなでなでできないの
こんな歳になってさみしいって
口に出していうなんて
思いもしなかった
もうどこにもいないっていうことが
目がしらと鼻腔と
胸のまんなかの奥の奥に
居座ってずっといやだいやだする
いつになったら慣れるのか
いつまで経っても慣れないか
誰かを救いたいのは
自分が救われたいから
わかってるよそんなもん
誰かを許してしまうのは
自分が許してほしいから
言われなくても
わかってるよそんなもん
それにしても陳腐な詩だな
こんなもんかまあいいか
うみはひろいからこどくなの
お金があったらそれでいいの
瀕死の愛には手の施しようがないの
メキシコ原産のペヨーテを搾って飲ましたらいいの
ギンギラギンにさりげなく
今日もどっかで子供が死んだの
詩人のくせになんて言ったらいいのか
永遠にわからないの
アスファルトの落ちたアイスは
二度と笑わないの
ロールシャッハみたいなへんなシミなの

なつはあついからにげばがないの
とけたねこはやわらかいからやさしいの
わたしがながすなみだがたまって
こがたのうみをひとつつくるの
ふねをうかべてみつりょうするの
からのついたことばをもぐってとるの
しんじゅみたいなだれかのかなしみ
たくさんあつめてねっくれすをつくるの
てらやましゅうじのぱくりをぱくるの
うみがしょっぱいのはどうでもいいの
またここからいちねんがはじまるの
それでもいきなきゃいけないの
いきてあげてもいいけれど
わたしにいたいこと
やっぱりするの
げんなりするの
あついの
とついに
いかんともしがたく
「あ」ってこえだけ
こぼれるの




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